オリンパスE-M1 Mark III のAFは従来の1/5サイズの瞳、2/3サイズの顔を認識可能

Imaging Resource に、オリンパス映像事業部のシニアマネージャーのインタビューが掲載されています。

Olympus Q&A

  • (オリンパスの役員たちから、映像部門に関するいくつかの矛盾するコメントが出ているが、オリンパスの映像部門は売りに出されているのか? )
    そのような噂はあるが、我々は映像事業を売却する計画は無いと明言できる。公式のコメントとして、現時点ではそのような計画は無い。我々がしなければならないことは、映像部門の収益性を安定させることで、引き続きマーケティングを行い、新製品の開発を続けていく。
  • (事業売却を強く否定すると受け取ってよいのか?)
    我々の公式の立場では、そのような計画はない。それ以上は、当然他のビジネスと同じで、永久に何かを保証するのは困難だ。
  • (ベトナムへの製造工場の移転は完了したのか?)
    移転は完了した。製造工場の移転のために、新製品の開発と製造にいくらか遅れが出たがが、現在は元に戻っているので、新製品の開発と生産を加速させている。
  • (新型コロナウイルスの影響は?(※インタビューから時間が経っているので、最近オリンパスに問い合わせて再回答を得た))
    ベトナムの工場は正常に稼働している。映像部門では製品の供給に大きな影響はない。サプライチェーンは一部の地域では供給が停滞気味になっているが、需要も減っているので、現在、世界的に見て大きな品不足は見られない。
  • (E-M1 Mark III が発売されたがE-M1 Mark II は併売されるのか?)
    現時点では、E-M1 Mark II の販売を続けるつもりだ。地域ごとに商品戦略は少し異なるが、グローバルな視点では、両機は共存する。
  • (E-M1 Mark III の顔認識/瞳認識AFの改善点は?)
    E-M1 Mark III ではAFのアルゴリズムを根本から見直しており、全体的にAF性能が向上している。E-M1 Mark II と比べると、1/5のサイズの瞳や2/3サイズの顔を認識可能になっている。また、瞳や顔が見えない場合でも被写体を検出することができる。
  • (星空AFはどのように動作するのか?)
    星は非常に暗いので、通常のコントラストAFでは検出困難で、位相差AFでも認識できない。星空AFでは、いくつかのピント位置の異なる画像を分析し、最も輝度の高い画像を見つけている。ピントを判断する基準には、例えば「最大輝度値」「しきい値を超えるピクセル数」「しきい値を超えるピクセルの積分値」「しきい値を超えるピクセルの平均輝度」などを利用している。
  • (E-M1Xのインテリジェント被写体認識AFについて)
    現時点では1個の画像処理エンジンでは実装できないが、将来の画像処理エンジンでは1個で処理できるように努力している。E-M1 Mark III のTruePic IXでは、E-M1XのデュアルTruePic VIIIでしか実現できなかった機能の一部が実現された。たとえば、ライブNDは従来は2個の画像処理エンジンが必要だったが、TruPic IXでは1個で可能になった。
  • (E-M1Xのインテリジェント被写体認識AFが下位モデルで利用できるのはいつ頃?)
    時期については言えないが、インテリジェント被写体認識AFの下位機種への搭載は、研究開発チームが達成しようとしている目標の1つだ。
  • (150-400mm F4.5 RPO の発売時期は?)
    開発は進んでいて、2020年内のリリースを目指している。大きな問題は発生していないので、今年中の発売に期待して欲しい。このレンズは、一部の写真家に大きな影響を与えると分かっていたので、かなり早い段階で開発を発表した。
  • (12-45mm F4 PROのような小口径で比較的安価なPROレンズを今後も計画しているのか?)
    ハイエンドユーザーから、PROレンズの品質でもっと軽量コンパクトなレンズが欲しいという要望を数多く受け取っていて、12-45mm F4はその要望に応えたレンズだ。このため、今後もこのようなコンパクトでPRO品質のレンズの開発を続ける。
  • (E-M5 Mark III と12-45mm F4 PROのキットを販売する予定は?)
    まだ検討中だが計画はある。キットが実際に発売されるかは、地域の販売戦略によって異なる場合がある。
  • (E-M5 Mark III の売れ行きは?)
    販売は順調で、我々の目標通りに進んでいる。市場によってとても売れているところと、そうでないところがあるが、全体的には期待通りだ。
  • (裏面照射型センサーを採用する計画は?)
    製品開発で全体的な目標を達成するためにセンサーを選択しており、現時点では、これが表面照射型センサーの選択につながっているが、将来、裏面を選択しないことを意味しているわけではない。

 

E-M1 Mark III のMark II からのAFの進化は結構大きいようで、特にポートレートをよく撮る人には瞳認識/顔認識AFの進化は恩恵が大きそうですね。

E-M1Xのインテリジェント被写体認識AFについては、E-M1 Mark III の画像処理エンジンでも単独では無理なようなので、この機能が下位モデルに降りてくるまでは、画像処理エンジンの進化をもう少し待つ必要がありそうです。

また、以前にオリンパス社長の発言が物議を醸した映像事業の売却に関しては、公式には強く否定というスタンスは変わっていないようですね。