ソニー「α7S III」の4K動画は驚くほど高品質

DigitalCameraWorld に、ソニー「α7S III」のレビューが掲載されています。

Sony A7S III review

  • 4K60pはクロップなし(4K120pのみ1.1倍のクロップ)で、録画の制限時間もなく、オーバーヒートの可能性も低い。
  • ISO範囲は80-102400(拡張で40-409600)で、暗闇でも撮影できる。
  • 12MPと画素数が少ないので、高感度に強い。また、(ファイルサイズが小さいので)RAWファイルを10コマ/秒で、1000枚まで撮影できる。
  • サンプル画像はプロトタイプ機なので縮小されているが、それでも、α7S IIIがISO102400でもどれだけ優秀かは見て取れるだろう。
  • プロトタイプ機なので、製品版と完全に同じ性能ではないが、4K動画とフルHD動画の品質は驚くべきものだった。色は鮮やかかつ自然で、ダイナミックレンジと高感度性能は計り知れない。ソニーはダイナミックレンジは15段分であると主張しているが、それを否定するものは何もない。
  • 素晴らしいのは高ビットレートの4Kコーデックファイルだけでなく、H.264も同じように素晴らしいもので、フルHDの画質も見事だ。標準カラーは、これまで見たソニー機でも最高の色だ。
  • Logはダイナミックレンジを更に広げるのに有用で、ファイルは色情報で満たされているので、α7S III は、ついに完璧にLogで使えるミラーレスカメラになった。
  • ソニーは公表していないが、ISO640とISO16000を基準としてるデュアルISOが採用されていると思っている。例をあげると、ISO16000で撮影するとISO12800よりも綺麗な画像が得られた。ISO6400までなら更に満足のいく結果なので、それより高感度が必要ならISO16000に切り替える。
  • AFは動画用に最適化されているおかげで、他のカメラの追随を許さないものだ。高速なAFはスチルには向いているが、動画のAFはもっとAF速度をコントロールする必要がある。α7S III ではAF速度が7段階、遷移の速度も5段階で調整できる。AFは非常に暗い場所でも動作する。
  • タッチパネルで被写体を選択可能なAFトラッキングは素晴らしく、これまでのソニー機でベストだ。
  • 手ブレ補正は標準モードとアクティブモードがあり、アクティブモードは動画にはベストだが、常に10%クロップされる。この手ブレ補正は良好な性能ではあるが、トップクラスの性能ではない。
  • 不満な点は、シャッター速度の表示をシャッター開角度に変える設定がなく、また、動画を監視するための波形モニタもないことだ。しかし、これらはとても小さな問題だ。
  • α7S III は1台で動画と高解像度のスチルを撮りたい人や、6Kや8Kで動画を撮影したい人には向いていないが、動画は4KやフルHD中心で、スチルはWebか中程度の大きさまでのプリントに使用する人なら、α7S III は、ニーズに合うカメラだろう。
  • 高価なシネマカメラを除けば、α7S III は、高度なAF機能を備え、クロップなしの4K60p・10bit 4:2:2の動画を時間制限なしに内部収録できる唯一のカメラだ。ローリングシャッター効果もほとんど見られない。
  • α7S II からα7S III へのアップグレードには5年かかったが、α7S III はハイアマやプロの映像制作者には待っただけの価値があるカメラだ。

 

テスト機は製品版ではないので、画質はまだ調整途中かもしれませんが、それにもかかわらず、α7S III の動画の画質はかなりすごいものがあるようですね。

α7S III には、8K動画や60MPセンサーのような派手なスペックはありませんが、高感度性能やダイナミックレンジの広さ、オーバーヒートのしにくさ、動画に最適化されたAF、歪みの少ないローリングシャッターなど、動画メインのハイアマやプロの欲しいものが詰めこまれたカメラという印象です。