ソニー「FE 35mm F1.4 GM」はこれまでテストした35mmで最もシャープなレンズ

SonyAlphaBlogに、ソニー「FE 35mm F1.4 GM(SEL35F14GM)」とシグマ「35mm F1.2 DG DN Art」との比較レビューが掲載されています。

Sony 35mm F1.4 GM

  • このレンズでまず感じたのは、その軽さと小ささだ。造りの品質は他のGMの単焦点と同様に一級品だ。
  • フォーカスリングは大きく、滑らかでリニアに動く。
  • AFはスチルでも動画でも極めて速く正確で、作動音も静かだ。瞳AF、動体追尾は完璧に機能する。

  • 解像力は画面全域で見事だ。開放から素晴らしい性能(際立った性能に近い)で、F2.8に絞ると全域で真の際立った性能になる。このような周辺部の性能のレンズはめったにない。このレンズは、これまでにテストした35mmレンズの中で最もシャープなレンズだ。61MPセンサーでは、F8で既に回折の影響が見られる。

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  • ポートレートでは解像力は極めて高く(おそらく高すぎる!)、肌の描写が荒っぽかったFE35mm F1.8と異なり、肌の色調と描写に優れ、コントラストも適切だ。
  • 周辺光量落ちは開放では見られるが、F2.8に絞ると解消する。歪曲は小さい。
  • 倍率色収差は非常に少ない。軸上色収差も非常に少ないが、厳しい状況では目に見える。
  • 絞り込むと素敵な光芒が現れる。
  • 玉ボケの描写は素晴らしく、絞っても円形を保っているが、周辺部では他のレンズ同様に(口径食の影響で)楕円形になる。後ボケも素晴らしい描写で、煩雑な背景でも非常に滑らかだ。後ボケはFE35mm F1.8よりも遥かに優れている。
  • 色再現は、非常にナチュラルでコントラストのバランスがよい素晴らしいものだ。
  • 動画の描写も非常に優れており、AFも完璧に機能するが、フォーカスブリージングが目立つのが唯一の弱点だ。

シグマ35mm F1.2 DG DN Artとの比較

  • 鏡筒の造りは、FE35mm F1.4 GMとシグマ35mm F1.2 DG DN Artのどちらもトップレベルだ。
  • 解像力はソニーFE35mm F1.4 は全ての35mmレンズの中で最も高く、シグマ35mm F1.2 DG DN Artがそれに続く。GMは開放付近の隅の解像力でリードしているが、この2つのレンズの差は61MP機でないと分からない。他の全ての35mmレンズの解像力は、この2つよりもずっと低い。

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  • シグマもソニーも玉ボケは非常に高いクオリティで、後ボケも滑らかで色再現に優れており、よく似た描写だ。しかし、ポートレートの描写では、シグマが対象を浮き上がらせる効果や繊細な表現で若干優っている。
  • 歪曲はシグマがより強いが、周辺光量落ちはソニーGMの方が目立つ。色収差はソニーGMが少なく、逆光耐性はソニーGMが若干優れている。
  • AFはどちらのレンズも非常に速く正確で優れているが、ソニーGMの方が速く、またGMはα1の30fpsの連写にも対応している。

  • 動画では、ソニーもシグマも絞りリングのクリックを解除できるが、シグマはフォーカスブリージングが非常に少なく動画に最適だ。ソニーGMはフォーカスブリージングが非常に目立つ。
  • 結論:FE35mm F1.4 GMとシグマ35mm F1.2 DG DN Artはどちらも優れたレンズで、多くの作例では区別がつかない。解像力はどちらも高く、後ボケと玉ボケ、発色はどちらも素晴らしい。ソニーGMは最も小型軽量で一番シャープなレンズで、色収差、歪曲、逆光耐性で優れておりストリート写真や風景向きだ。シグマは詩的な表現のポートレートや動画(ブリージングが少ないため)に最適だ。

 

ソニーのFE35mm F1.4 GM は大口径の広角レンズにもかかわらず、開放から驚くほどの高解像力で、加えてボケも綺麗で、各収差もよく抑えられていて、申し分のない性能という印象ですが、フォーカスブリージングが目立つので動画メインの方にはあまり向かないかもしれませんね。

シグマの35mm F1.2 との比較では、解像力ではソニーが少し優っていますが、ポートレートの描写ではシグマの方が高評価で、シグマはF1.2の明るさやブリージングの少なさもあるので、全体として甲乙つけがたいという印象です。