「PENTAX K-3 Mark III」は頑丈でパワフルなカメラだが価格が不可解なほど高い

DigitalaCameraWorldに、PENTAX K-3 Mark III のレビューが掲載されています。

Pentax K-3 Mark III review

  • AFは新しい101点のSAFOX 13で測距点は多いが、一眼レフの常で、フォーカスエリアが画面の一部分しかカバーしていない。
  • ライブビュー時のAFがコントラストAFなのは意外で、これにはがっかりした。像面位相差AFが今や主流になっているが、これが採用されていないK-3 III のライブビューモードは、大きく魅力が損なわれてしまう。また、チルト機構の無い固定式のモニタの採用もこれに追い打ちをかけている。
  • 動画は4K30pで撮影できるが、本格的なものではなく、儀礼的に追加されているようだ。

  • 連写は12コマ/秒だが、これはAF-Sモードのみで、AF-Cでは11コマ/秒に低下する。更に悪いことに、この連写速度ではバッファがJPEGで37枚、RAWで32枚分しかない。もし、K-3 IIIの価格が連写の速さで正当化されると考えているなら、3秒以上連写できないことを心に留めておいて欲しい。
  • デジタルフィルター、カメラ内HDR、多重露光、インターバル撮影、インターバルコンポジットモードなど、いくつかの気の利いた機能が搭載されている。
  • ボディは全面マグネシウム合金製で確かに頑丈に感じる。ボディはコンパクトだが、グリップはしっかりしていて、グリップと操作部は大きな手でも小さな手でも操作できるように、さまざまな手のサイズに最適化されている。
  • 新世代のハイパー操作系は、非常に気の利いたシステムだが、他のカメラでプログラムシフトを使用するのとそれほど大きな違いはない。

  • ファインダーは明るく明瞭で、倍率も高く、アイセンサーが採用されている。
  • カスタマイズ可能なボタンは10個以上あり、フロント、リア、トップダイヤルもカスタマイズ可能で、自分の好みで思い通りにセットアップできる。
  • フォーカスモードやドライブモードを切り替えるダイヤルやレバーが無いのは残念だ。
  • 新しく採用された3層構造のメニューによって、ナビゲーションはかなり容易になったが、それでもなお、必要な設定のある場所を覚える必要がある。
  • バッテリーライフは一眼レフとしては十分だがベストではない。しかし、このカメラはUSB充電に対応している。

  • JPEGの画質はペンタックスの典型的なもので、発色がよく階調に優れている。このJPEGの画質は実に優れている。
  • 露出と階調の良さはK-3IIIの得意分野で、JPEGは多くのライバルよりも優れ、ハイライトとシャドーのディテールもよく保持されている。RAWファイルには多くの階調が含まれている。
  • 高感度はISO160万まであるが、ISO12800で既にノイズリダクションで塗りつぶされ初めている。

  • このカメラの最大の問題点はモニタが固定式であることで、この価格のカメラでこの仕様は頭の固い時代錯誤のように感じられ、コントラストAFのライブビューと合わせてこのカメラの魅力をそこねている。
  • カメラのパフォーマンスと応答性に関しては、際立ってはいないが十分な性能だ。AFは動体にも上手く追従するように見えるが、IBISではファインダー像が安定しないので、動きの速い被写体を画面の中心に保つのは難しい。これはミラーレスカメラが得意な部分だ。更に悪いことにバッファがJPEGでも浅いので、動体追尾はやや形だけのものだ。
  • スチルではAFは非常に優れている。動画はAF-Cの選択肢は表示されるが、どのような設定を試してもグレーアウトしたままだった。録画中にピントを合わせ直すには、単純に画面に触れ続ける必要があるのだろうか。更に悪いことには、4Kではかなりクロップされる。動画の良い面は、IBISが動画の安定化にかなり役立っていることだ。

  • ラボテスト(解像力):26MPセンサーを採用しているため、X-T4と同程度で、32.5MPの90Dには及ばないが、D500は上回っている。
  • ラボテスト(ダイナミックレンジ):ダイナミックレンジはK-3IIIの強い部分で、X-T4にはわずかに劣っているが、その差は小さい。ISO1600でK-3IIIはトップにたち、ISO25600まで競合他社を超えるダイナミックレンジを維持し続けているのは素晴らしい。
  • ラボテスト(S/N比):K-3IIIは低感度のノイズは最も多いが、低感度のノイズは肉眼で見えないので、より重要なのは高感度のノイズだ。高感度ノイズはK-3IIIの優れた点で、X-T4と並んで高感度ノイズは最も少ない。

  • K-3 Mark III の発売時の価格である2000ドル/1900ポンドは、あまりにも馬鹿げていると思う。12コマ/秒の連写があってもK-3IIIにこの値段だけの価値を感じない。これはフルサイズのK-1 Mark II を超える価格で、他のAPS-Cのライバルより遥かに高い。
  • 更に悪いことに、その設計はミラーレスカメラがもたらした恩恵を全て否定する一眼レフファンをターゲットにしたかのような過去にこだわったものになっているように見える。固定式のモニタと像面位相差AFの非搭載は大きな制限であり、また、バッファの浅さで強みである高速連写性が損なわれる。
  • K-3 Mark III は頑丈で優れた機能を持つパワフルなデジタル一眼レフだが、過去に根付いた設計で、高い価格がそれに更に追い打ちをかけている。ペンタックスブランドや一眼レフが好きなら、それらをすべて許せるかもしれないが、このカメラがペンタックスファン意外を引きつけるとは思えない。

  • 良い点:頑丈な造り、複雑だが気の利いた露出モード、12コマ/秒の連写。
  • 悪い点:不可解なほど高価、モニタが固定式、ライブビュー時の遅いコントラストAF、バッファが少ない。

 

K-3 Mark III はレビュワーによってかなり評価の変わってくるカメラですが、DigitalCameraWorldのレビュワーはかなり辛口ですね。

K-3IIIは、画質やボディの造りは高く評価されていますが、固定式のモニタと価格設定が大きくマイナス評価されたようです。固定式のモニタに関しては、ペンタックスファンの間でも意見が分かれているようなので、これはユーザーの使い方で評価が変わってきそうですね。価格は、ファインダーにお金がかかっていることや、一眼レフは今となって数がでないことを考えるとやむを得ないところなのかもしれません。