キヤノンの「24-400mm F3.5-6.5」「28-500mm F3.5-7.2」「33-600mm F4-7.2」などの高倍率ズームの特許

キヤノンが、フルサイズミラーレス用と思われる高倍率ズームの特許を出願しています。

特開2021-193435(IP Force)

  • 高倍率化を実現するには、ズームレンズを構成するレンズ群の移動量を大きくするか、または、レンズ群のパワーを強めることが有効である。

    しかしながら、レンズ群の移動量を大きくすると、メカ機構が複雑化し、ズームレンズが大型化する。また、レンズ群のパワーを強めると、ズーミングの際の収差変動が大きくなり、高性能化が困難となる。

    本発明によれば、小型かつ高倍率で、高い光学特性を有するズームレンズおよび撮像装置を提供することができる。

    実施例(24-300mm F3.5-5.6)
    ズーム比 11.73
    広角 中間 望遠
    焦点距離 24.72 69.39 289.87
    Fナンバー 3.60 5.30 5.88
    半画角 39.53 17.32 4.27
    像高 20.40 21.64 21.64
    レンズ全長 168.78 202.25 235.73
    BF 13.34 39.12 36.81

    実施例(24-400mm F3.5-6.5)
    ズーム比 15.67
    広角 中間 望遠
    焦点距離 24.76 83.42 387.85
    Fナンバー 3.60 5.10 6.50
    半画角 39.49 14.54 3.19
    像高 20.40 21.64 21.64
    レンズ全長 171.65 227.55 283.44
    BF 12.35 51.91 46.44

    実施例(28-500mm F3.5-7.2)
    ズーム比 16.83
    広角 中間 望遠
    焦点距離 28.81 94.89 484.70
    Fナンバー 3.60 5.30 7.20
    半画角 35.30 12.84 2.56
    像高 20.40 21.64 21.64
    レンズ全長 194.00 240.17 286.34
    BF 13.85 43.81 39.37

    実施例(33-600mm F4-7.2)
    ズーム比 17.61
    広角 中間 望遠
    焦点距離 33.05 140.67 581.87
    Fナンバー 4.10 5.90 7.20
    半画角 31.69 8.74 2.13
    像高 20.40 21.64 21.64
    レンズ全長 218.72 276.34 333.97
    BF 14.32 39.28 46.78

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像高はワイド端ではフルサイズに若干足りていないので、歪曲補正で隅を切り取って使う前程のレンズでしょうか。実施例のレンズは、いずれもかなりの高倍率ズームですが、全長はRFマウントのフランジバックの20mmを引くと、24-400mmで15.1cm、33-600mmで19.8cmとスペックの割りにとてもコンパクト(ただし望遠側ではかなり伸びますが)で、実用性は高そうですね。

特許出願されているレンズが製品化されるかどうかは分かりませんが、キヤノンはRFレンズでは他社にはないスペックのレンズを出してきているので、結構可能性はあるかもしれませんね。