MIRRORLESS COMPARISONに「OM SYSTEM OM-1」の鳥の被写体認識AFを中心とした詳細なレビュー記事が掲載されています。
・OM System OM-1 Review for Bird Photography(found via 43rumors)
- OM-1にはクアッドピクセルAFが採用され、AF測距点は以前の10倍になり、スペック上は大きく改善されているように見える。実際の撮影でこのAFがどのように機能するのか見ていこう。
- 動物の検出機能は他社で既に導入され、ソニーやキヤノンのカメラでは素晴らしい結果が得られている。オリンパスはE-M1XにファームウェアでBirdAIが導入されたが、この種の機能のなかで最高に素晴らしいものではなく、誤認識しやすく的中率は改善されなかった。
- OM-1のE-M1Xからの改善はすぐに分かるもので、OM-1は遥かにAFが速くレスポンスに優れており、鳥を検出するだけでなく、鳥の体、頭、目などのさまざまな部分を認識する(E-M1Xは鳥の頭と目を区別する能力が低い)。
- 枝に止まっている鳥:OM-1の鳥認識AFは正確で失敗することはめったになく、被写体が画面内で非常に小さい場合や、日陰にある場合、枝などで部分的に隠れている場合でも被写体を検出できる。手前に枝がある場合はAFが間違って枝に合う場合があるが、これは理解できる。
- 鳥の他は猫と犬用の被写体認識が用意されているが、OM-1はライオン、トラおよびそれと同類の動物も認識した。ヤギの目も検出することができたが、鼻にピントが来る場合も多かった。象などの全く異なる被写体も認識できるが、すべての動物に対してどれだけAFが正確なのかは分からない。
- 飛行中の鳥:OM-1のAFはこれまでよりも遥かに速く反応が良くなり、性能はEOS R5 / R6に迫っている。表の緑のスコアはAFが100%的中した場合で、青のスコアはより寛大な評価でわずかに甘い画像も含まれている。
- 上の表の最高の的中率は遅い連写速度で得られたが、電子シャッターの高速連写でも同様の結果が得られた。連写速度はAF性能に影響を与えない。
- レンズは以下のレンズをテストしたが的中率は全体的に同程度だった。しかし、テレコン使用時と2本の400mmのズームでの撮影では的中率が落ちた。
- 鳥の背景が空の場合の方が、背景が木々やそのほかの自然の場合よりもAFの的中率は高かった。
- 全体としてOM-1のAFは素晴らしく進化しているが、適切に動作しない場合もあり、たとえば鳥が水辺や草原に舞い降りてきて獲物を掴むときに、最も重要な瞬間にピントが合わないのに苦労した。このケースではほとんどの場合、ピンボケかわずかに甘くなる。
- 画質:OM-1はダイナミックレンジは1stopの改善がうたわれているが、テストでは残念ながらE-M1III とシャドウ部の回復量はほぼ同じで、結果として発生するノイズも変わらない。ただし、ハイライトはOM-1の方が少し優れている。
- 高感度は2段分の改善がうたわれているが、実写では期待通りの結果ではなく、OM-1は高感度でノイズは少なくなるもののE-M1IIIとの違いはわずかで、2段分の改善を期待すると恐らくがっかりするだろう。違いが目立つのは発色で、OM-1は暖色で鮮やかで高感度でもよく色を維持している。
- フルサイズ(α7 IVとEOS R6)とのダイナミックレンジの比較では、OM-1はシャドーを持ち上げるとノイズが目立ち、フルサイズと同等というわけではないが、思ったほどその違いは大きくない。ただし、高感度ではOM-1はノイズが多くなり、フルサイズとの比較では特に言うことはなくなる。
- 結論:OM-1のAFは確実に改善されており、EOS R5 / R6に近い性能を発揮する。α1やα9 IIと同レベルではないが、それほど大きな差ではない。AFの改善は特定のモード(被写体認識)に限定されており、通常の追尾モードに改善は見られない。鳥の場合は(被写体認識を使えば)問題ないが、サッカー等の他の状況でAFがどう機能するのか疑問に思う。
- 画質に関しては、おー!と声を上げるほどの改善は見られなかったが、何も改善されていないわけではなくハイライトのダイナミックレンジや、高感度のディテールは改善されており、発色は遥かに優れている。また、JPEGの画質も大きく改善されている。とは言え、私のOM-1への評価は非常に前向きなもので、旧機種に対する優れたアップグレードだ。
OM-1のAFは特に被写体認識がE-M1IIIやE-M1Xから大幅に改善されているようで、鳥やその他の動物などの撮影では威力を発揮しそうです。
AFは、フルサイズのトップクラスのカメラには若干及ばないようですが、OM-1はまだ発売から日が浅いので、ファームウェアがこなれてくれば更なる改善もあるかもしれませんね。
また、画質に関しては、メーカーの謳い文句ほどの改善は見られないという評価になっていますが、発色が綺麗になってノイズも減っているので、実写では一回り良くなっていると感じます。
ふーしゅん
テストサイトの調べでは画質、特に高感度画質は旧来機種と比べてもほとんど改善していない、というような評価が多いようですが、ユーザーの実感としては1~1.5段程度の改善を感じるような書き込みや記事が見られます。JPEGの処理が変わって優秀になった、ということのようですが、本当にそれだけなのでしょうか、と多少疑問が・・・。まぁ撮って出しでISO6400がほぼ常用可能な画質になり、RAWでは改善が見られないとしても、最近はDxO PureRAWのようなソリューションも出てきていることを踏まえれば、よほど極端なシチュエーション以外で画質面で「使えない」ということはなくなってきた、と言ってよいのではないでしょうか。そうなると小型軽量・手ブレ補正強力なマイクロフォーサーズが十二分に戦えるシステムとなってきた、と思えます。
4423
「被写体認識AF」と言いますが、「被写体認識」と「AF」は別機能と考えた方が良いと思います。
「被写体認識」は被写体に合わせてAF枠を生成する機能で、「AF」はAF枠内の被写体にピントを合わせる機能。
前者は劇的に進化しましたが、後者は先代からほとんど変わっていないのでは、とも感じています。
確かに速度自慢の新センサ&エンジンで50fpsの連写中でも1,2枚で大ボケからガチピンが来るほど速度は向上しましたが、そのせいで「AF枠内の最も近い被写体に合焦する」という以前からの悪癖がより確実に出るようになった感じ。
フィジカルが別人となり「被写体認識」という強力なアシストが付いたが、ロジカルが変わっていないため、より分かりやすく大ポカしやすくなたというか。
この悪癖は先代どころか初代E-M1から感じ続け、オリンパス技術陣の根の深い所にある問題と感じており、ファームアップでホントに改善するのか疑い半分だったりします。
この諦めが裏切られることに越した事はないのですが。
シュワシュワ
OM-1よりもX-T4の的中率がいまひとつな方に目が行ってしまいました(^^;
H2でどれくらい改善してきてくれるかな?
かず郎
4423さんと同意見です。
私は主に野鳥撮影をしています。野鳥撮影において「認識力」ははっきりと向上を体験できますが、「合焦力」については大きな進化を体験できません。C-AFはせっかく掴んだピントをすぐに離してしまったり、微ボケの量産など「合焦力」の不安定さは相変わらずで、ガチピン率は低く、クアッドピクセルAFってこんなものなの?という印象です。
S-AFに関しても1回目では大きく外し、2回目3回目でやっとピントが合う事が多く、チャンスが一瞬の野鳥撮影ではイライラすることも多いです。
メーカーさんは被写体認識の「認識力」の向上に一生懸命でC-AF、S-AFの「合焦力」の向上にはあまり力を入れなかったのかと勘繰ってしまいます。
私的には今回の記事ほどAFの評価は高くないですね。ライブNDや超強力な手ぶれ補正(広角で手持ち5秒もいけます)など野鳥撮影より風景撮影で唯一無二と言えるかも知れません。
ファームアップでどれだけ改善できるのか?もしできるなら「認識力」よりも「合焦力」の向上に力を入れてほしいと切実に思います。
なつ
他の方も書いておられますが、同意見です。
いくら認識が優秀になってもこれだけ甘い写真を量産されると、個人的にはAFに関してはイマイチという評価にしかなりません。
撮っている時は楽しいんですけどね、帰って確認をしてがっくりくることが多いです。
今のところ正直S-AF、C-AF共に信用が出来ないでいます。
フォーカス位置の微調整でましになるという話も聞きますが、それはそれで問題もありそうですし、早く対処していただきたいです。
うなぎパイ
純正100-400よりもLEICA 100-400の方が精度が優秀なのは意外ですね。
E-MIIからの乗り換えを様子見している所なので、ファームで対処できるのであれば期待したいです。
たけし
Z9とOM-1を使ってドッグランプを走り回る小型犬を撮っています。動物認識を使用した撮影ではOM-1はZ9の8割強くらいの歩留まりです。ファームのアップデートでまだまだ改善されるでしょうしこの価格と軽さでこの性能なら大満足です。
ch
皆さんの意見を聞いて、私は初代E-M1の前評判の良さとオリンパス
ユーザーさんのコメントを見て初代を購入しました。
しかし、初代を実際使ったらAF精度に不満があり、PanaのG9に買い
換えました。G9は合焦は早い。当たればカリカリ。
外すときは思いっきり外す感じでしたが、初代E-M1よりマシでした。
で、OM-1は前評判が非常に高く、これはG9後継を待たず乗り換えかな?
と思ってました。発売されてからもユーザーさんの良い評価が多い感じ
でこれは間違いないと思ってました。
ですが、この記事と皆さんのコメントを読んで、あ~、やっぱり変わっ
てないのかと思い直した次第です。
毎度の事ながらオリンパスの記事とユーザーさんの声を鵜呑みにして
早合点してはいけないと今回の記事で思わされました。
もう暫くはG9を使いつつ、次のMFTを待ちたいと思います。
たもき
人物認識はどうなのでしょう?写真、動画含めて。c-afはまだまだでしょうか?コロナ直前に知人の結婚式でe-m1xレンタルしましたが入場シーンなどで動画で外すことがあり、復活もなかなか出来ずプロの映像のようにうまくいきませんでした。腕の問題かもしれませんが。他社の同価格帯と比べてどうなのでしょう?
OM-1ユーザ
他社フラッグシップとの価格差を考慮しても、もう少しAF精度については頑張ってほしいです。
たうざぁ
AFに関しては、まともに使えるレベルの犬猫認識が載っただけでも助かってます。
M1mk3まではそれすらなかったので・・
高感度画質については、ずっと使ってるDXOがまだ未対応なので比較できませんが、OM WorkSpaceのAIノイズリダクションはかなり好感触なので、
同じようなAINRが入っているDXOでの結果にも期待してます。(M1mk2では最高4000までに設定してましたが、OM1では6400にしてみてます)
Mr.White
並行して使用しているG9と比較すると、高感度耐性については、現像にOM Workspaceを使えばという前提ですが、色再現・ノイズ共に少なくとも1段は向上していると感じます。
AFは、人物に関しては人体認識の差でG9の方が撮りやすい気がします。
鳥は一長一短、犬猫はこちらに向かってくる被写体に強い分、OM-1が優れています。
犬猫でも手前の草などにピントが引っ張られるのは鳥と同様ですね。
ななな
OM-1のAFについてファームウエアで改善してほしいというのは同意見ですが、個人的にはモアベターの意味です。
使用3週間位ですがピンボケばかりということはありませんし、mark3と比べても満足しています。今まで諦めていたものが撮れるようになりました。
AF周りは設定いかんによって大きく変わるので、そういった部分は初期設定を見直すとか情報公開を積極的に行うとかの改善が必要とは思います。
ジャガーパパ
失礼ながらX-T4が想像より歩留まりが良かったです。
富士フイルムは全体的にAFが良くない印象があったので。
もちろん他社の現役バリバリのフラッグシップ機よりは劣るのですが、かつてのフラッグシップ機だったE-M1系よりは良いんですね。
ヨシマサ
OM-1を購入した直後は詳細に気付かなかったのでとても好印象でしたが、やはり私も現行バージョンの「AI被写体認識時のC-AFの挙動」には大きな問題があると感じています。
実際、OM-1のAI被写体認識は、今まで優秀と言われていたEOSよりも優秀で、実に素早く的確に被写体を見つけて長方形の枠で囲んでくれます。
ですが、(その被写体認識枠の中にある)どのAFポイントを使ってフォーカスするかを決定するアルゴリズムが賢くないようです。距離的に一番手前にあるAFポイントを単純に選んでいるように見えます。なので結果的に微ボケが多発してしまいます。ツメが甘いAFと言いますか。実に残念です。
最初は気づかなかったのですが、「AFターゲット表示」の設定を「On2」にしてクラスター表示に変更したら、このC-AFの微妙さがよく分かるようになりました。
いずれにせよOM-1は、ほぼ全ての面で従来機を凌駕する素晴らしいカメラなのは間違いないので、今後も手放さずに使い続けるつもりです。今後のファームウェアのアップデートに大いに期待しています。
ふーしゅん
2投目失礼します。
被写体認識能力がトップクラスであることはどうやら間違いないようです。
あとは認識したあとの、AFでピントを合わせにいく部分に改良の余地がある、ということが判明しましたが、これはもう単純にソフトウェアの問題ということだと思いますから、次にOMDSさんにはこの部分に注力していただき、鬼ファームアップで真のフラッグシップとしての性能を確保していただきたいと思います。
大いに期待しています。
(私が注文したOM-1はまだ届いていませんが・・・)
カッキー
被写体認識時の前に枝等がある場合のAF精度の件について、OMD オーナーズケアプラスに問い合わせしています。どうやら、このような現象があることはメーカー側も認識しているようです。
メーカーからは時間を下さいと言われていますのでファームアップ等で改善されることに期待しています。
しばらく、メーカーの動きを待ちましょう。
鈴音
確かに被写体の「認識」は早いですが、「合焦」するのに時間が掛かり過ぎてると思います。
動きモノを撮る時、認識してからピントが合うまで焦ったいですし、EVF内で合ったと思っても帰って見ると甘い写真が多いので信頼しきれません。
ただファームアップで何とかなりそうな問題なので、バージョンアップを期待しています。
ら。
>chさん
初代E-M1とG9では世代が違うので仕方ないと思います。同世代同士との比較でそう感じたというのなら分かるのですが……(初代E-M1ならGH4、G9ならE-M1 Mark IIやE-M1 Mark III)。それにOM-1と初代E-M1では比較にもならない差かと思いますので、一度店頭などで手にとって触れてみることをお薦めします。
OM-1は既存のAF更新まで至っていないという実感がありますので、これからのFW更新に期待しています。インタビューによるとエンジンにまだまだ余力を残しているとのことですし、本当にこれから進化していくボディなのだと思わせてくれることを切に願います。