ニコンのAPS-C用レンズはエントリーレベルに重点を置く

PetaPixelに、ニコンのAPS-Cシステムの戦略に関する同社のイメージング事業部長のインタビュー記事が掲載されています。

Nikon Indicates Its APS-C Lens Strategy Is Focused on Entry-Level

  • 先月、東京のニコン新本社を訪れた際に、PetaPixel は、当時ニコンがZ 50 IIの発売に向けて準備を進めていたことを踏まえて、DXフォーマットカメラについて、ニコンの映像事業部マネージャーに話を聞いた。

  • Z50II のターゲットについての説明を聞くと、同社が狙っているのはスマートフォンから移行したいと考えている新規ユーザーであり、その小型フォーマットの特長を引き継ぎつつも、いくつかの追加機能を求めている人々であることが明らかになった。

    「すべてのカメラメーカーは同じ大きな課題に直面している。それは、スマートフォンしか使ったことのない人々にどうやってカメラを売るのか、という点だ」

    ニコンによれば、これらのユーザーはスマートフォンの性能を限界まで引き出し、より大きな進化を求めてスタンドアロンのカメラを探しているという。「Z50IIについて言えば、ターゲットはスマートフォンでの撮影結果に満足できず次のレベルに進みたいと考えているユーザーだ」

    このことから、ニコンがAPS-Cカメラで狙っているターゲット層がどのような人々であるかは明らかで、それは新規ユーザーまたはアマチュア写真家だ。しかし、ニコンはこのターゲットユーザーにも関わらず、Z50IIに高度な機能を搭載し、よりベテランの写真家にもアピールできるようにしたと述べています。

    「Z50IIの主なターゲットユーザーはアマチュアであり、エントリーレベルの写真家です。これが私たちのターゲットだ。しかし、アマチュア写真家の体験を妨げることなく、プロの写真家にアピールするいくつかの高度な技術も取り入れた。このため、Z50IIはプロのセカンドカメラとしても活躍できる」

    PetaPixelはニコンが今後の製品ラインでD500のようなカメラを再び提供する可能性があるかどうか質問し、ニコンはAPS-Cの戦略についてある程度を考えを示した。

    「Z50 IIに限った話ではないが、APS-Cカメラを選ぶ人々は、通常、カメラを初めて使用するアマチュアが多い。我々のAPS-Cレンズ戦略は、エントリーレベルのカメラユーザーに向けた選択肢を広げるためのものだ」

    ニコンがD500のようなカメラについて具体的な回答を避けたことで、この質問に対する直接的な回答は得られなかったものの、回答しなかったことが1つの答えとなっている。D500はエントリーレベルのカメラではなく、高度なスポーツやアクション撮影を非常に得意とするプロ向けボディだ。

    このことで、ニコンが将来的に高性能なDXのミラーレスカメラを提供する可能性を完全に否定したわけではありませんが、少なくとも現時点でAPS-Cレンズに関する戦略はエントリーレベルに焦点を当てていることが明らかです。

 

ZマウントでD500のようなAPS-Cハイエンド機を期待する声は結構ありますが、今回のニコンの回答を聞く限りでは、APS-Cはスマホからのステップアップなどの入門層を対象にしているようで、APS-C用のハイエンド機やハイエンドレンズは現時点ではあまり期待できそうもない雰囲気ですね。

ただ、キヤノンが積層型センサーを採用したEOS R7後継機とF値一定のAPS-C用のハイエンドズームを用意しているという噂が流れているので、これらの製品が本当に登場すればニコンも追従する可能性あるかもしれませんね。