パナソニック Lumix G 20mm F1.7は歪曲の補正によって周辺部の画質が損なわれている

PhotozoneにパナソニックLumix G 20mm F1.7 ASPHのレビューが掲載されています。

Panasonic Lumix G 20mm f/1.7 ASPH - Review / Lens Test Report

  • 歪曲はわずか0.14%のタル型で無視してよい値だが、これは自動補正がかかっているため。素のままだと歪曲は3.26%のタル型で、単焦点レンズとしては極めて大きい
  • 周辺光量落ちは開放では1.5EVと極めて大きい値で、実写で用意に目立つ。F2.8まで絞れば大きく改善するが、問題を解消するにはF4まで絞る必要がある。周辺光量落ちは予期しないもので、さえない結果
  • 中央部の解像力は開放からF5.6まで非常に高く、息を呑むような解像力を味わいたいならこのレンズを選ぶとよい。しかし、周辺部の解像力は少し悪くなり、中央部のようなレベルではない。この結果は悪くは無いが、"good(よい)"~"very good(とてもよい)"のレベルにしか達しない
  • 歪曲の自動補正は画像を引き伸ばして切り取り、そして元のサイズに補完する。このことは、周辺部の画質の観点からは不利で、このテストに見られるような周辺部の描写の弱さに関係している。補正していないRAWデータでテストしたところ、中央部と周辺部の解像力の差はわずか15%しかなかった
  • 色収差は0.5ピクセル以下で非常によく補正されているが、これは自動補正によるもので、RAWデータだと1.5ピクセルで単焦点レンズとしてはかなり目立つ
  • ボケ味はOKだが、ハイライト部分には輪郭線が目立つ。輝いた部分のないシーンでは、ボケ味は満足のいくもの
  • 自動歪曲補正が周辺部の画質を損なってしまっている。とても楽しめるレンズだが、高い価格や後処理に頼る設計の問題を考えると、少々過剰に宣伝されているように感じる

 

中央部の解像力は驚異的な値ですが、周辺部の解像力は可もなく不可もなくといったレベルにとどまっています。これは、記事にもあるように、歪曲の自動補正がレンズの解像力を損なってしまっているためのようで、レンズ自体は周辺部まで非常に高い解像力を維持しているようです。

パナソニックのように収差の補正を後処理にまかせたレンズ作りというのは、小型・軽量化や低価格化にも有利になるので、方向性としてはありだと思いますが、解像力が低下するという副作用もあるようです。