ニコンAF-S 28-300mm F3.5-5.6G ED VRは周辺部の解像力が弱点

LensTipに、ニコンAF-S 28-300mm F3.5-5.6G ED VRの詳細なレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor AF-S 28-300 mm f/3.5-5.6G ED VR - lens review

  • このレンズは中間のセグメントに位置するレンズで、作りは高価な24-70mm F2.8クラスのレンズほど頑丈ではない。フォーカスリングは11mmの幅しかなく、少し狭すぎる。ズームリングはズームの両端よりも中間域が重くなり、完璧とは言えない。
  • 手ブレ補正は実測でシャッター3段分を若干超える効果で、公称の4段分には少し届かないが、3.2~3.3段分の効果はそれでもなお良好だ。手ブレ補正には、非難すべき点は全くない。
  • 中央の解像力は、ズーム全域で開放から基準値(30lpmm)を超えていて全く不満はないが、記録(レコード)を破るほど高くはない。高性能な単焦点レンズのような画質は期待できないが、中央は満足できる性能だ。
  • 周辺部はAPS-Cでは50-100mmだけは開放から全く問題が無い解像力だが、28mmではF8まで絞らないと基準値に達せず、200-300mmではF8まで絞っても完全に満足の行く結果にはならない。フルサイズでは、基準値に達するのは50-100mmでF11に絞ったときだけだ。
  • 倍率色収差は、28mmと50mmでは中程度のレベルをキープしている。それ以上望遠側ではより色収差は増え、絞り開放付近では中程度を維持しているが、絞ると、"高い"のレベルに達する。軸上色収差に関してはほどんど問題はなかった。
  • 歪曲はAPS-Cでは28mmで-2.60%のタル型で目立つ。フルサイズでは28mmで-6.04%のタル型で、これは過去の最高記録を破る値だ。他の焦点距離では50mmで1.59%、100mmで2.44%、200mmと300mmで2.06%の糸巻き型。歪曲は18-200mmクラスのレンズよりもかなり大きい。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは28mmで18%(-0.57EV)で高くはないが絞っても改善が遅い。300mmでは29%(-0.98EV)で若干問題がある。フルサイズでは28mm開放で45%(-1.72EV)でかなり問題がある。F5.6まで絞ると27%まで改善するが、それ以上絞っても効果がない。200mmでは34%(-1.22EV)で、300mmでもほぼ同じ。
  • 大きな前玉や複雑な構成などは逆光耐性に問題を引き起こすが、実際に逆光ではフルサイズでもAPS-Cでも問題(ゴーストやフレア)が発生した。
  • AFは静かだが"閃光のように速い"とは言えない。暗所では望遠側で少しAFは遅くなる。AFを外したのは、D200でもD3Xでも3~4%で低い頻度だった。前ピンや後ピンの傾向はない。
  • 中央の解像力は良好だが、周辺部はAPS-Cでもフルサイズでも弱い。よい点と悪い点の数だけを数えるなら、28-300mm VRは18-200mmクラスのレンズに及ばず、フルサイズ用の高倍率ズームレンズの問題点を示している。大きなフルサイズ機に、手軽な万能ズームは合わないのではないか。

 

テスト結果は高倍率ズームとしては悪くはないと思いますが、全体的にそれほど良いというわけでもなく、そこそこの性能といった感じです。

このレンズはePHOTOzineNikon RumorsKenRockwell.comなどのレビューではかなり高い評価になっていましたが、ここでは少し辛口の評価になっています。サンプルもこれまでに見たこのレンズのサンプルに比べると、少し冴えないような印象です。