ソニー85mm F2.8 SAMは光学性能の面では素晴らしいレンズ

Photozoneに、ソニー85mm F2.8 SAMのAPS-C機(α700)でのレビューが掲載されています。

Sony 85mm f/2.8 SAM ( SAL-85F28 ) - APS-C Format Review / Lab Test

  • 鏡筒はマウントを含めてプラスチック製で、造りは平均的なクオリティ。小さなフォーカスリングは少々チープに感じるが、それでもなお実用的。フルタイムマニュアルフォーカスはできない。SAMモーターによるAFは驚くほどの速さはないが、まずまず速く、かなり静かで正確だ。
  • 歪曲はごくわずかな糸巻き型(0.5%)で、実写では問題ない。周辺光量落ちは、APS-Cでは開放で0.4EVで、ほとんど目につかず問題はない。
  • 解像力は絞り開放から既に画面全域で素晴らしい値(excellent)で、コントラストもとても高い。F4に絞っても解像力の増加はごくわずかで、F5.6以上では回折の影響が見られる。しかし、F11までは良好な画質を維持している。像面の湾曲は非常に少ない。このレンズの解像力は、APS-Cでは極めて高い。
  • 倍率色収差は、絞りによって0.5ピクセル(F2.8)から0.7ピクセル(F11)まで変化する。これは極めて低い値で、実写で大きな問題はない。軸上色収差は、開放では前ボケに紫、後ボケにグリーンのハロが見られ、F4でもまだ目に付くが、F5.6では大きく減少する。
  • ボケはハイライト部分の輪郭の縁取りがごくわずかでスムーズだ。ハイライトの形はF2.8では円形でF4でもわずかに絞りの形が感じられるだけだ。前ボケは少しうるさいが、背景のボケはスムーズ。このレンズのボケ味はとても良好だ。
  • 85mm F2.8 SAMは、APS-Cで使う場合は少なくとも光学性能の面では素晴らしいレンズだ。このレンズは画面全域で極めてシャープで、色収差や歪曲も小さい。ボケ味も良好だ。弱点は開放でパープルフリンジが目立つ傾向があること。鏡筒の造りは安価なレンズであることが明らかで、SAMモーターによるAFは精度は良好だが、AF速度やノイズの面では大きな改善は見られない。とはいえ、コストパフォーマンスの点では素晴らしい。

 

光学性能の評価は5点満点で4点と、安価な単焦点レンズとしては大変に高い評価になっています。解像力は、APS-Cでは絞り開放から周辺部まで最高レベルで、コントラストや色収差、ボケ味も良好と、このクラスでは文句の付けようがない性能です。一方で鏡筒の出来は"それなり"のようですが、これは価格を考えれば仕方がないところかもしれませんね。