シグマ70-300mm F4-5.6 DG OSは望遠側の解像力の落ち込みが大きい

Photozoneに、シグマ 70-300mm F4-5.6 DG OSのフルサイズ機(D3X)によるレビューが掲載されています。

Sigma AF 70-300mm f/4-5.6 DG OS (FX) - Review / Test Report

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、かなりしっかりとした造り。鏡筒はズーミングで伸び、繰り出している時にはガタ付きがある。ズームリングは極めてスムーズだが、テレ端近くでは若干重くなる。AF中はフォーカスリングが回転する。残念なことに前玉が回転するので、偏光フィルターを使うのは厄介だ。
  • 手ブレ補整(OS)の効果は、テストでは2段分で、ライバルよりも若干劣る。DCモーターによるAFはとても速いが、ライバルよりはわずかに遅い。AFの作動音は、かなり大きい。
  • 歪曲は70mmではわずかなタル型(-0.417%)で、135mmとそれ以上の焦点距離では中程度の糸巻き型(1.11~1.55%)。歪曲は、このクラスのレンズとしては標準的。
  • 周辺光量落ちは開放では目立つが、1EV前後の値で比較的よく補整されている。1段絞れは実写では、問題の多くは解消する。
  • 解像力は70mmではかなり良く、中央は"とても良い(very good)"、周辺部はとても良い~良いの間、四隅は"良い(good)"の値。135mmでは中央は若干解像力を増すが、周辺部と四隅は解像力が落ち始め、F8まで絞らないと"とても良い(very good)"の値にならない。200mmでは中央は良好だが、周辺部と四隅は大幅に解像力が低下する。300mmでは状況は更に悪くなり、中央は"良い(good)"の値に落ち、周辺部と四隅は全く芳しくない値(poor)だ。
  • 色収差はズーム中間域ではよく補整されているが、300mmでは2ピクセル、70mmでは4ピクセルを超える非常に大きな値だ。
  • 仕様上は魅力的なレンズだが、実際の使用ではそれほどでもない。解像力は広角側は良好だが、望遠側では特に周辺部が相当に落ちる。歪曲は平均的で、周辺光量落ちも良好だが、倍率色収差がズーム両端で非常に大きい。鏡筒の造りは手頃な価格のレンズとしては良いが、繰りだすとガタつきが見られる。DCモーターは少々時代遅れだ。このクラスで最小のレンズが欲しいのでなければ、もう少しお金を出してニコン70-300VRかタムロンの70-300VCを買ったほうがいい。両者ともほとんどすべての点で、シグマよりも優れている。

 

光学性能の評価は5点満点で1.5点と、少々厳しい評価になっています。同じD3Xによるテストで、ライバルのニコン70-300VRが2.5点、タムロン70-300VCが2.5-3点なので、光学性能はもう少しがんばって欲しいところです。

ただ、シグマはライバルと比べるとかなり小型軽量なので、携帯性を優先したいユーザーにとってはよい選択肢になるかもしれませんね。