シグマAPO 120-300mm F2.8 EX DG OS HSMはコストパフォーマンス抜群のレンズ

Photozoneに、シグマAPO 120-300mm F2.8 EX DG OS HSMのフルサイズ機(5D Mark II)によるレビューが掲載されています。

Sigma AF 120-300mm f/2.8 APO EX HSM DG OS (Canon EOS) - Review / Lens Test

  • 鏡筒はラバーコートされた金属製で、がっしりとした造り。ズームリングとフォーカスリングは、全くガタつくことなくスムーズに操作できる。ピントやズームにかかわらず全長は一定で、前玉も回転しない。AFはインナーフォーカスとHSMのため非常に速く、実質的に無音。テスト機の5D Mark II ではAF精度に問題は無かった。
  • 歪曲は120mmでは基本的にフリー(0.0405%)。望遠側でもわずかな糸巻き型(0.922%)で、心配はない。
  • 周辺光量落ちは120mmと200mmの開放では中程度(0.87EVと0.95EV)だが、望遠端では大きくなる(300mmで1.36EV)。300mm開放では周辺光量落ちは目立つが、フルサイズとしては極端に大きな値ではない。周辺光量落ちは、以前にテストした70-200mm F2.8と同程度。
  • 中央の解像力はズーム全域で並外れて高いが、周辺部の解像力はそれと同じレベルではない。120mmでは周辺部と四隅の解像力は"良い(good)"と"とても良い(very good)"の間前後の値。200mmと300mmの開放では、もう少し周辺部と四隅の解像力は落ちるが、それでもなお"良い(good)"の値だ。F4に絞ると解像力は向上し、ピークはどの焦点距離でもF5.6前後。このような(中央が優秀な)特性は、テレコンを使うのに非常に適しており、APS-Cでの使用でも同じことが言える。
  • 倍率色収差は非常に小さい値(ピークの120mm開放で1.18ピクセル)。軸上色収差は開放でも比較的少なく、F4まで絞ればほとんど消える。これは並外れて優秀な結果で、ほとんどスーパーアポクロマートと呼ぶに値する。
  • ハイライトのボケは画面の大部分で円形を保っている。四隅ではハイライトは猫の目状になるが、これはフルサイズでは普通のことだ。F4とF5.6に絞るとこの問題は改善する。ハイライトにはごくわずかな縁取りがあるが、ハイライトの内側の描写は最高の単焦点には劣るのもの極めて近い。背景のボケは非常に滑らかで、前ボケはごくわずかだが多少うるさくなる。
  • 中央の画質は極めてハイレベルで、これは望遠レンズに最も重要なことだ。周辺部と四隅は極めてきちんとした画質だが、中央ほど素晴らしくはない。ボケ味はおおむね良好で、ボケの色付き(軸上色収差)の少なさはズバ抜けている。価格は控えめで、300mm F2.8の単焦点と比べると、コストパフォーマンスは抜群だ。

 

光学性能は5点満点で3点~3.5点とまずまずの評価となっています。中央部はズーム全域で絞り開放から抜群の解像力ですが、周辺部はそこそこの値で、高性能な単焦点には一歩及ばないと言ったところでしょうか。とはいえ、300mm F2.8クラスの明るさに加えて、OSが付いて防塵防滴仕様であることを考えると、この価格はバーゲンプライスと言ってもよさそうですね。