・Micro Nikkor AF-S DX 85mm f/3.5 G ED VR - Review / Test Report
- 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、造りはとてもしっかりしている。一般向けのズームレンズよりも多少頑丈に感じるが、AF-S Micro 60mmのレベルには達していない。フォーカスリングはわずかな重さがあり、マクロレンズとしては回転角がかなり小さい。インナーフォーカスのおかげで、レンズの全長は一定で、前玉も回転しない。
- フォーカスリミッターが搭載されていないので、AFが迷うとイライラするかもしれない。VR II (手ブレ補整)は公称4段分で、我々の実写テストでは3段分以上に感じた。これは通常の撮影距離のみで近接撮影では手ブレ補整効果は大きく減少する。
- 歪曲は0.6%未満のわずかなタル型で、単焦点のマクロレンズとしては若干大きな値だが、複写のような用途を除く多くの場面では、歪曲フリーとみなすことができる。
- 周辺光量落ちはDXレンズとしては予想ほど大きくないが、それでも開放では1EV以上でかなり目立つ。絞ると周辺光量落ちは大きく改善し、F5.6以上では解消する。
- マクロレンズはたいてい非常にシャープだが、このレンズも例外ではない。中央は開放からF11まで素晴らしい解像力(excellent)で、周辺部と四隅はこれより若干低い値でこれを追っており、開放からF16までとても良い値(very good)。F22まで絞ると、回折の影響で解像力は大幅に低下する。
- 倍率色収差は周辺部で平均0.4~0.5ピクセルで、非常によく補整されており、実写では全く問題ない。軸上色収差(ボケの色ズレ)は開放では中程度で、絞れば大きく改善する。
- レンズがあまり明るくないので、ボケの量は限られているが、ボケ味はとても満足のいくもの。ハイライトは、開放では若干の口径食が見られ、絞るといくらか輪郭が現れる。
- 85mm F3.5G VRは、軽量コンパクトで開放から非常にシャープなレンズだ。歪曲はほとんど無く、色収差も極小。ボケもスムーズだ。VRはマクロ域では必ずしも有用ではないが、大部分の撮影距離では有用で歓迎できるもの。唯一の光学的な欠点は周辺光量落ちが大きいことだが、F5.6まで絞れば解消する。手頃な価格で、FXに移行する予定がなければ確実に考慮に入れるレンズの1つだ。
光学性能の評価は5点満点中4点と、かなり高い評価になっています。解像力は16MPのD7000でも十分で、倍率色収差も非常によく補整されているので、光学性能的には不満のない仕上がりと言ってもよさそうです。
開放がF3.5と少し暗いのが気になるところですが、105mm F2.8G VRはかなり大きいので、DXユーザーは85mm F3.5G VRを選んだ方が稼働率が高くなりそうですね。
ojikame
d90/6028gを使用しています。これはニコン所有者の特権と思います。このレンズも発売当初から使用してみたかったのですが、dxだとちょっと長いかと思っていました。所有者の方、コメントをお願いします。
Kazuya
うーむ・・・DXレンズなのがちょっと残念な感じですが、
60/2.8G、VR105/2.8Gともいいレンズかと思うので
少なくとも店頭で一度確認してみたいと思っています。
bob
このレンズの価値はどこにあるんだろうと考えてしまいます。
価格帯、明るさ、シャープさ、ボケ味、フルサイズ移行可とどれを取ってもタムロンSPAF90を選択するのが妥当かと…。
Tommi
DXで60/2.8G使用者です。
当初85とも悩んでいましたが、FX移行も視野に入れ60にしました。結果も大満足です。105も評価の高いレンズのようですし、検討しています。
板ばさみにあい、どうも中途半端な立ち位置のレンズの印象ですね。いっそ200mmをG化してもらえればその方が興味をそそります。近く、なるでしょうか?
INA
DX機のD7000でマイクロ60mm・マイクロ105mmを使っています。マイクロ85mmもキタムラで試しましたが、開放付近の周辺減光が気になってけっきょく買いませんでした。
でも思えばそのていどいくらでも現像時に補正できますので、105mmにしたのは早まったかも……とこの記事を読んで一瞬思いましたが、やはりFX用レンズをDXで使うメリットは無視できず、現像時の補正がほとんど不要です。そのぶん現像作業が2~3工程は飛ばせます。体力や資金に余裕があるなら迷わずFXをDXに、ですね。
それにbobさんがおっしゃるように、タムロン90mmという名玉が存在してしかもFX用です。もしタムロン90mmが超音波モーターを搭載したら最後、この85mmはさらに売れなくなるんじゃないでしょうかね。105mmも落ち込むでしょう。