トキナーAT-X 116 PRO DX 11-16mm F2.8はズーム全域で素晴らしい解像力

Photozoneに、トキナーAT-X 116 PRO DX 11-16mm F2.8の15MP機(EOS 50D)による再テストが掲載されています。

Tokina AF 11-16mm f/2.8 AT-X Pro DX (Canon) - Review / Lab Test Report

  • このレンズの見た目と感触は、姉妹機の12-24mm F4とほとんど同じで、素晴らしい鏡筒の造りも同様だ。鏡筒の外装はポリカーボネートだが、ズーム機構は金属製。レンズの全長は常に一定で、インナーフォカースのため、前玉は回転しない。
  • AFは若干時代遅れの標準的なマイクロモーターだが、AF速度はOKだ。AFとMFの切り替えは、スイッチではなく、フォーカスリングを押したり引いたりすることによって行う。これは、どのピント位置からでも可能だ。
  • 驚いたことに、歪曲は極めてよく補整されている。歪曲は11mmでは中程度のタル型(2.1%)だが、このタイプのレンズとしては比較的低いレベル。望遠側では歪曲は減少し、14mm(1%)ではほとんど問題はなくなり、16mm(0.5%)ではおおむね無視できる値になる。
  • 周辺光量落ちは、11mm 開放では1.4EVで多くの状況で目に付くが、開放以外では周辺光量落ちは比較的よく補整されている。14mmや16mmでは周辺光量落ちは減少するが、それでも若干絞ったほうがよい。周辺光量落ちは、超広角レンズとしては比較的良好だ。
  • 中央の解像力は開放からF8まで素晴らしい値(excellent)で、周辺部も非常に高いレベルでこれを追っている。四隅も16mm開放時を除けば同じことが言える。16mm開放時の四隅は、このレンズ唯一のウィークポイントだが、F4以上に絞れば高い解像力になる。回折の影響が大きくなるのはF11から。像面の湾曲はとても穏やかで、問題はない。
  • 倍率色収差は周辺部で平均2.1-2.6ピクセルで、ズーム全域で一様に大きく、問題がある。これは多くのトキナーのレンズにある典型的な欠点。
  • このレンズは特に解像力の点では素晴らしい超広角ズームで、16mm開放時の四隅を除けばズーム全域でどの絞り値でも極めてシャープだ。周辺光量落ちはF4以上では良好で歪曲も比較的小さい。ウィークポイントは倍率色収差が非常に大きいことと、少々フレアが出やすい傾向があること。全体として価格を考えればとてもしっかりしているが、ライバル(シグマ8-16mm、キヤノン10-22mm)もかなり手強い。

 

光学性能の評価は5点満点中4点と、かなり高い評価になっています。解像力はズーム全域で周辺部まで非常に高い値で、15MP機でもまだ十分に余裕がある印象です。トキナーの広角ズームは、このレンズを含め、16-28mm F2.8や12-24mm F4など優秀なレンズが多いですね。

欠点として倍率色収差が目立つこととフレアが出やすいことが指摘されていますが、フレアに関しては、トキナーの12-24mm F4がII 型でコーティングを変えてきているので、11-16mmにも新コーティングを採用して逆光耐性を改善して欲しいところですね。