1 NIKKOR VR 10-30mm F3.5-5.6(Nikon 1のキットレンズ)は手頃な価格でしっかりとした性能

photozoneに、1 Nikkor VR 10-30mm F3.5-5.6のレビューが掲載されています。

1 Nikkor VR 10-30mm f/3.5-5.6 - Review / Test Report

  • 鏡筒の造りはとても良好だ。ソニーNEXのレンズほどハイレベルではないが、ニコンのエントリーレベルのDX レンズよりも良いことは疑いない。鏡筒には、ズームリングの他は着脱ボタン以外何もなく、フォーカスリングも無い。
  • AFは静かで動画でも聞こえない。動画作家は無段階の絞りを高く評価するだろう。AF速度は極めて速く、例をあげると、DX18-55mm VRよりも大幅に速い。
  • 実写テスト中に手ブレ補正システムに多少問題があり、予想以上に大きくぶれた画像が多かった。これは特に手ブレ補正が役立つ1/25~1/80秒のシャッター速度で多く見られた。V1でVRモードをノーマルに切り替え、機械シャッターの代わりに電子シャッターを使ったところ、かなり改善されたが、それでもブレる割合はDX やFX のVR レンズよりも高かった。この問題は30-110mm VRや10-100mm VRでも発生しているので、カメラ側の問題なのかレンズ側の問題なのか(あるいはその双方なのか)は確証が無い。
  • 歪曲は広角端では顕著なタル型(-2.49%)だが、14mmまでズームすると歪曲はかなり少なくなる(-1.19%)。18mmでもまだわずかなタル型の歪曲(-0.391%)が残っているが、これ以上の焦点距離では歪曲フリーだ。このレンズの歪曲は、標準ズームとしてはとても典型的なもの。ニコンは後処理による歪曲補正をしておらず、24mmと30mmの歪曲が少ないのは光学設計によるものだ。
  • 周辺光量落ちは、(未補正のRAWでは)開放で1EVを超えるワイド端(1.20EV)を除けば良好に補正されている。JPEGでは周辺光量落ちはカメラ内で自動的に補正される(ワイド端で0.61EV)。
  • 解像力は14mmから18mmまでは、開放~F5.6で中央の解像力は素晴らしい値(excellent)で、周辺部と四隅もとても良い値(very good)だ。F8以上では回折の影響で解像力が落ちる。24mmから30mmでは、開放から中央は素晴らしい値(excellent)、周辺部はとても良好な値(very good)を維持しているが、四隅は良いの値(good)まで落ちている。
  • 倍率色収差はズーム全域で絞りにかかわらず1.5ピクセル前後だが、JPEGでは自動的に補正される。
  • ボケは正式にテストしていないが、サンプルから見たところでは必ずしもスムーズではない。しかし、これは多くの標準ズームで典型的なものだ。
  • このレンズは大きな弱点はなく、手頃な価格でしっかりした性能だ。唯一の問題は、先に述べたように、ときどきVRが期待を裏切るような動きをすることだ。

 

光学性能の評価は、5点満点で3点でキットレンズとしては標準的な評価となっています。解像力は焦点距離によっては四隅が少し落ち込みますが、中央はコンスタントに高く、全体的にはまずまずの性能と言ったところでしょうか。

歪曲の補正を後処理に頼っていないところは、m4/3のレンズとは対照的ですね(その分、サイズ的には不利になるかもしれませんが・・・)。

あと、手ブレ補正の効果が若干不安定な様子なのが気になるところですが、どのレンズでも発生するということなので、これは10-30mm固有の問題ではなさそうですね。この現象は、他に報告があがっているんでしょうか?