・Fujinon XF 35mm f/1.4 R (Tested)
- 解像力は開放ではかなり周辺部が甘いが、中央はとても良好だ。F2に絞ると顕著に改善し、中央は素晴らしい解像力になり、周辺部の甘さも劇的に改善する。F4まで絞れば周辺部の甘さは完全に解消する。F5.6ではごくわずかに改善し、画面全域で非常にシャープになる。このレンズはとてもシャープなレンズだが、最高の解像力を引き出すには、F5.6まで絞らなければならない。
- 色収差はとても良好で、取り立てて言うほどのことはない。色収差が目立つのは、F16かF22に絞ったときのみだ。
- 周辺光量落ちは、開放で-1/2EVでいくらか見られるが、F2まで絞れば1/3EVまで改善し、それより絞れば無視して良い値になる。
- 歪曲はごくわずかなタル型。
- 鏡筒の造りはしっかりとしている。絞りリングは自分の好みよりも若干緩いが、素早く絞りを変えたいユーザーには満足のいくものだろう。フォーカスリングは素晴らしい感触だ。フォーカシングでレンズは若干伸びるが、前玉は回転しない。距離目盛は無いが、モニタかファインダーに距離目盛を表示することができる。
- 35mm F1.4 R は開放から良好な性能で、多少絞ると際立った性能になる。X-Pro1ユーザーなら、カメラバックの中に入れておくに値するレンズだ。
開放では周辺部が少し甘いようですが、F1.4でこれだけ写れば問題はなさそうです。少し絞ると画面の隅々まで非常にシャープになるので、ボケを生かした写真から風景まで幅広く対応できそうですね。今のところX-Pro1の標準レンズはこのレンズしか選択肢がありませんが、この性能なら買って後悔することはなさそうです。
ヘリコイド
解放で周辺部が甘いのは、良い写真を撮るためにしばしば有効だと、個人的には思っています。主要被写体がぐ~んと引き立ちますよね。
Purereck
ユーザーですが、絞り値1.4から十分際立った性能だと感じてます。
Tommi(mobil)
純正レンズ本数が少ないので、「非常に良い」位の完璧レンズでないと手は出しづらいなぁ、と思う訳です。Mマウントも現行では高価、オールドレンズで遊ぶというのも考えるだけで悲しい…。
ボディには興味津々ですが、レンズ充実が急務だと思いますよ。
良吉
後群の貼り合わせは古いズミルックスM50やゾナー50/1.5などと同じように見えますね。もし同じなら奇数次球面収差を発生させて、収差を相殺する設計のはずです。
前後対称構成は元々前群の収差を後群の逆符号収差で相殺することが出来ますが、奇数次の球面収差で補正すると平坦にしやすく、かなりの高性能が期待できます。
この構成は、バックフォーカスが短いので一眼レフには使えません。ミラーレスならではの設計ですが、こんな手間の掛かりそうなレンズを作るところにフジの意気込みが表れていますね。
ちなみに昔のゾナーはツアイス(エネルマン)のルードリッヒ・ベルテレ、古いズミルックスはライツのオットー・チンメルマンの設計だそうです。
asama2568
>良吉さん、
ルードリッヒ・ベルテレではなくて、ルートヴィッヒ・ベルテレ(Ludwig Jakob Bertele)、
彼が在籍していたのはエネルマンではなくて、エルネマン(Ernemann )ですよ。
asama2568
上のコメントでタイプミスりました。
ルートヴィッヒ・ベルテレではなくて ルードヴィッヒ・ベルテレ ですね。
ベルテレ設計のゾナー5cm F1.5は、その描写の個性が気に入って以前それなりに使っていました。フジノンXF35mm F1.4 Rはベルテレのゾナーと後群の貼り合わせが似てなくもないとは言えそうですが、なにせ時代が違いすぎますし、描写性能も似ているかどうかはどうなんでしょうね。私自身古いレンズでは個性/クセを楽しむことはあっても、現代のレンズにはとことん高性能を追及してほしいので、描写特性が似ていたらちょっと引きますね、特に周辺画質。