キヤノンEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMは良好な性能だが際立った性能ではない

SLRGear に、キヤノンEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMのレビューが掲載されています。

Canon EF-S 18-135mm f/3.5-5.6 IS STM (Tested)

  • 解像力は価格の割に開放からとても良好だ。18mm開放では画面の中程まではシャープだが、四隅は若干甘い。24-50mmでは、開放からよりシャープな結果が得られる。85mmでは四隅は急激に甘くなるが、中央はシャープなままだ。135mmでは85mmよりも四隅は若干改善する。
  • 絞ると全ての焦点距離で解像力は改善し、解像力が最も良い50mm F8では画面全域で非常にシャープになる。
  • 色収差は広角側と望遠側の焦点距離で顕著で、マゼンタとグリーンの色ずれが周辺部のハイコントラストな領域で目立つ。35-50mmのズーム中間域では色収差は非常によく補正されている。35mmよりワイド側では開放付近のほうが絞り込んだ時よりも若干良好な結果だ。50mmより望遠側では、絞りによる変化はない。
  • 周辺光量落ちは開放時のみ顕著で、18mm開放時が2/3EVで最も悪い。その他の焦点距離では周辺光量落ちは広角端よりは改善する。F8以上に絞れば、18mm以外では基本的に周辺光量落ちは解消する。
  • 歪曲は28mmまでは整ったタル型で極めて大きいが、28mm以上では中程度のレベルになり、四隅の歪曲は糸巻き型に変わる。35mm以上では一貫して歪曲は糸巻き型だ。
  • ステッピングモーターによるAFは、特に動画ではスムーズで静かだ。AF時のフルタイムMFには対応していないが、シャッター半押し後の切り替えなしのフォーカス調整は可能だ。フィルター取り付け枠は、フォーカシングで回転しない。
  • 鏡筒はハイクオリティな造りだが、大部分がプラスックだ(マウントは金属)。鏡筒のガタつきはない。
  • ズームリングの回転角は90度でズーム全域で軽く、スムーズに回転する。ズームの自重落下は見られなかった。フォーカスリングは適度な重さがあり、どこまでも回転する。
  • 旧型のEF-S18-135mm F3.5-5.6と比較では、光学性能のテスト結果は新型とほとんど同じ。実際、違いはステッピングモーターと、絞り羽根が追加された新しい絞りのみだ。
  • EF-S18-200mm F3.5-5.6 ISとの比較では、18-200mmは望遠側が65mm長くなっているが、光学性能は同等だ。
  • シグマの18-125mm F3.8-5.6 DC OS HSMは現行モデルのテストは行なっていないが、以前にテストした旧型の18-125mmはキヤノン18-135mmと同等の良好な光学性能だった。
  • 18-135mm STMはコンシューマー用のレンズとしては面白い立ち位置のレンズで、利便性では高倍率ズームには及ばないが、18-55mmのキットズームよりは焦点距離が長く性能が良い。18-135mm STMの実際の性能は、とても良好だが際立った性能ではない。

 

新型のEF-S18-135mm STMは、前群にUDレンズが採用された新しい光学系を採用しているはずですが、このテストの結果では旧型とあまり変わらない結果となっています。とは言え、ステッピングモーターの採用で、動画やライブビュー時のAF性能が向上しているので、動画メインの方には価値のあるモデルチェンジかもしれませんね。