シグマAPO MACRO 180mm F2.8 OSは非の打ち所のない解像力

LensTipに、シグマAPO 180mm F2.8 EX DG OS HSMのレビューが掲載されています。

Sigma 180 mm f/2.8 APO Macro EX DG OS HSM

  • フォーカスリングはスムーズで十分な重さがある。最短から無限遠までの回転角は270度で、接写でもとても正確なピント合わせが可能だが、1メートルから無限遠までの回転角は90度なので、通常の撮影距離ではそれほど合わせやすくはない。
  • 手ブレ補正は公称では4段分だが、テストでは2.7段分の効果だった。これは悪い結果ではないが、高価なレンズであることを考えると、素晴らしい結果とは言えない。
  • 解像力テストは、D3XでRAWで行なった。良像の基準は30-31lpmm付近で、最高の単焦点レンズは45-46lpmmに達する。
  • 解像力は非の打ち所がない。開放では既に中央は41lpmmに達しており、F4に絞ると、45lpmmのほとんど最高記録に近いレベルになる。
  • 周辺部の解像力も良好で、APS-Cの四隅でもいくつかの単焦点レンズの中央よりもシャープだ(開放で39lpmm前後)。更にフルサイズの四隅でも、若干解像力が落ちるだけだ(開放で37lpmm前後)。
  • 軸上色収差は、開放でも目につかない。倍率色収差も同様によく補正されている。絞るに従って倍率色収差は増すが、目一杯絞っても中程度のレベルには達しないので、実写ではほとんど困ることはないだろう。
  • 歪曲はAPS-Cで0.15%で実質的にゼロだ。フルサイズでは0.23%で、歪曲に関しては完全に忘れ去ることができる。 
  • 周辺光量落ちはAPS-Cでは24%(-0.80EV)で中程度のレベルで、F4に絞れば8%(-0.25EV)になり問題は解消する。フルサイズでは36%(-1.30EV)で顕著だが、絞ると急速に改善し、F4では19%(-0.61EV)で、F5.6以上に絞れば気付かないレベルになる。
  • 逆光耐性はそれほど良くはない。このカテゴリのテストでこのレンズは初めて失点をしている。
  • AFは超音波モーターでノイズレスだ。AFは無限遠から最短まで2.5秒、コンディションが悪いと3秒かかり、ほめられた速度ではない。幸いなことにフォーカスリミッターが搭載されているので、これを利用するとAFは無限遠から最短までおよそ1秒になる。AFを外したのはスタジオのテストでは3%で、精度に関しては全く問題はなかった。
  • 180mm F2.8 OSはセンセーショナルなレンズで、ほとんど欠点がない。価格はかなり高いが、EF180mm F3.5 Macroと同程度で、シグマには手ブレ補正も搭載されている。もし、180mmクラスを買うならシグマを買いたくなる。
  • 良い点: 鏡筒のクオリティがとても良好、中央の素晴らしい解像力、四隅のセンセーショナルな解像力、色収差の補正が良好、球面収差がわずか、歪曲が無視できる、コマ収差が目立たない、非点収差が少ない、静かで正確なAF。
  • 悪い点: 逆光耐性が今一つ。

 

解像力は絞り開放から四隅まで非常に高い値で、色収差も少なく、とても見事な光学性能ですね。メーカー純正のこのクラスのマクロは、設計が古く手ブレ補正も付いていないので、シグマの180mm F2.8 OSはこのクラスのレンズを狙っているユーザーの有力な候補になりそうです。