トキナーATX 17-35 F4 PRO FX は堅実だが際立った性能ではない

photozoneに、トキナーATX 17-35 F4 PRO FX のフルサイズ機(D3X)によるレビューが掲載されています。 

Tokina AF 17-35mm f/4 AT-X Pro FX (FX) - Review / Test Report

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、素晴らしいクオリティだ。鏡筒のガタつきは全くない。AFとMFの切り替えはフォーカスリングを押す・引く操作で行い、これはまずまず良く機能するが、慣れが必要だ。多くの人は、たぶんシンプルなスイッチによるAF・MFの切り替えを好むだろう。
  • フォーカスリングはわずかな重さがあり、スムーズに回転する。ズームリングはフォーカスリングよりも重い。フォーカスリングもズームリングもニコンと同じ方向に回転する。ズーミングで内側の鏡筒は若干動くが、レンズの全長は変わらない。また、前玉は回転しない。
  • AFはDCモーターで、比較的静かだ。とは言え、若干荒っぽく、静かな超音波モーターとは比べ物にならない。AFは広角レンズとしてはまずまず速いが、爆速ではない。
  • 歪曲は超広角レンズの典型で、ワイド端ではとても大きなタル型(2.5%)で、はっきりと視認できる。しかし、このクラスのレンズとしては歪曲はかなり小さい。21mmにズームすると、歪曲は穏やかになり(1.2%のタル型)、28mmでは歪曲はなくなるが、四隅はすでにいくらか糸巻き型だ(0.08%)。それより望遠側の歪曲はローレベルで、望遠端でさえわずか0.3%(糸巻き型)だ。
  • 周辺光量落ちは広角端では開放ではかなり顕著(1.97EV)だ。絞れば改善するが、F11まで絞っても1EVの周辺光量落ちが残っている。広角端以外の焦点距離では、周辺光量落ちはよく補正されている。
  • 解像力は広角端では中央は開放から素晴らしい値(excellent)だ。周辺部は開放ではまずまず(fair)だが、絞ればとても良い値(very good)にまで回復する。隅は周辺部よりも更に解像力が低く(poor)、絞っても良い(good)よりも上の値にはならない。
  • 21mmでは中央は開放からとても良い値(very good)で、絞ると素晴らしい値(excellent)になる。周辺部と隅は開放では良い値(good)で、F5.6以上ではとても良い値(very good)だ。28mmでも同じような状況だが、周辺部と隅の解像力は若干低くなる。
  • 35mmでは画面全域で解像力が落ちる。中央は絞れば素晴らしい値(excellent)に達するが、ギリギリちょうどだ。周辺部と隅は絞っても良い(good)よりも上の値にはならない。
  • トキナーのレンズの倍率色収差が多めであると言われているが、このレンズにもそれが当てはまり、ズームのほぼ全域で色収差は2ピクセルを楽に超える。
  • 逆光耐性は極めて良好だが、ある角度で光が入ると四隅にかなり強いオレンジ色のゴーストがでる。
  • このレンズは良い部分とそうでない部分が混在している。中央は素晴らしい解像力だが、周辺部は広角端ではいくらか弱く、特に開放付近では弱い。周辺光量落ちは広角端ではいくらか目立つが、望遠側ではよく補正されている。色収差は少し大き目だ。歪曲はこのタイプのレンズとしてはよく補正されている。鏡筒の造りは素晴らしい。このレンズは堅実だが、際立った性能ではない。

 

光学性能の評価は5点満点で2.5点で、フルサイズ用の広角ズームとしては普通の評価となっています。解像力は広角端の周辺部が少し低めで、同じトキナーの16-28mm F2.8の方が全体的に一回り高性能のようですね。ただ、16-28mm F2.8はフィルターが使えず、大きく重いので、使い勝手は17-35mm F4のほうがずっと良さそうです。