キヤノンEF24-70mm F2.8L II は、ほとんど欠点のない見事な光学性能

dpreviewに、キヤノンEF24-70mm F2.8L II USMのレビューが掲載されています。

Canon EF 24-70mm f/2.8L II USM review

  • 新型は旧型よりも顕著に軽くなっているが、それでも非常にしっかりとした感触で、耐久性を疑う理由は全くない。
  • AFは速く静かで、上級モデルでは一貫して正確だったが、650D(Kiss X6i)ではこれは必ずしも当てはまらず、絞り開放ではピント精度にバラつきがみられた。ライブビューモードでは、AFはかなり遅くなる。ライブビュー中のAFは極めて静かだが、閑静な場所では動画にAFモーターのクリック音が記録されるかもしれない。
  • APS-Cの解像力は並外れて優秀で、画面全体の均一性とズーム全域の一貫性は注目に値する。このレンズは開放からとても良好な性能で、絞ってもあまり改善する余地が無く、F2.8とF8のMTF50の違いは小さい。これはどのような基準で見ても、卓越した性能だ。
  • フルサイズの解像力は、中央は全ての焦点距離で極めて高い。隅は中央の目も眩むような高解像力には及ばないが、それでも非常に良好だ。画面全域の解像力のピークはF5.6-F11で、それより絞ると回折の影響が見られ始める。
  • 倍率色収差は、APS-Cでは極めて少ない。若干の色ズレが見られるが、実写では問題はなさそうだ。フルサイズでは、色収差は極めて少なく、隅で多少の色ズレが見られるが実写で問題になることはあまりないだろう。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは無視してよい値だ。フルサイズでは24mm F2.8で2段分で、絞れば徐々に改善するが、完全に解消はしない。望遠端では、開放でいくらか隅に周辺光量落ちが見られるが、F4に絞ると解消する。
  • 歪曲はAPS-Cでは小さい。広角側では穏やかなタル型で、直線的な被写体では目立つこともあるかもしれない。望遠側にズームすると歪曲は減少し、望遠端では糸巻き型になるが、実写では35-70mmでは目立たないだろう。フルサイズでは、歪曲は広角端で1.7%の非常に強いタル型で、望遠端では-1.6%の糸巻き型に変わる。これは直線的な被写体では、問題になる可能性が十分ある。
  • 逆光耐性はとても良好で、冬の低い太陽を直接画面に入れて撮影したが、ほとんど問題はなかった。
  • ボケ味は、背景のボケはスムーズで、どの焦点距離と撮影距離の組み合わせでも極めて良好だ。色収差による色ズレもほとんど見られない。ボケは、このタイプのレンズとしては実に望ましいものだ。
  • 近接撮影では少し性能が落ちる。開放付近では格段に悪く、しっかりと解像させるにはF5.6かそれ以上に絞る必要がある。AFは近接撮影では後ピンの傾向がある。
  • 24-70mm F2.8L II の光学性能はトップクオリティの単焦点に非常に近く、ほとんど欠点のないレンズだ。このレンズは高速で正確なAFと防塵防滴を備え、大きな欠点を見出すのは全く困難だ。タムロン24-70mm VCが有力なライバルで、タムロンは素晴らしい光学系と手ブレ補正、防塵防滴をオールインワンで備えているが、キヤノンは群を抜いて良好な光学系なので、単純に最高を求めるならキヤノン以外の選択肢はない。
  • 良い点: ほとんど欠点の無い見事な光学系、素晴らしい逆光耐性、速く正確なAF、防塵防滴で素晴らしい造りのクオリティ。
  • 悪い点: 50-70mm域の開放で嫌な周辺光量落ちがある、近接撮影で顕著に画質が落ちる、手ブレ補正が無い、非常に高価。

 

総合点は87%の金賞で、非常に高い評価となっています。解像力はズーム全域で文句のつけようのない高い値で、色収差も目立たないので、光学系はかなり優秀と言ってもよさそうです。ボケ味も良好なようなので、ポートレートにも活躍しそうですね。結論では、ほとんど欠点がないレンズと評されていますが、近接撮影時の画質の低下は若干気になるところかもしれません。