・Nikon AF-S 18-35mm f/3.5-4.5G ED Lens Review
- このレンズの重さは385gで、ニコンのこの焦点域をカバーする他のF値一定のレンズよりも大幅に軽い。鏡筒は大部分はハイクオリティなプラスチックで、金属製のマウントの周囲はゴムでシーリングされている。
- AFは高速で静かだ。フォーカスリングは十分な重さがあり、スムーズに回転するので、マニュアルフォーカスはとても容易に行える。フォーカシングはインナーフォーカスで、フィルター枠は回転しない。
- ズームリングはスムーズで軽い。ズーミングでは鏡筒内でレンズが前後するのみで、レンズの全長は変わらない。
- 解像力は、18mmでは開放から画面全域で既に際立ったレベル(outstanding)に近い。絞ると更に改善し、F8でピークになる。
- 24mmの解像力は中央は開放から非常に高い値を維持しているが、周辺部は素晴らしい値(excellent)をわずかに下回るレベルまで落ちる。画面全域で解像力がピークになるのは、F5.6とF8で、このとき中央は際立った解像力(outstanding)で、周辺部は素晴らしい解像力(excellent)だ。
- 35mmの解像力は、中央は開放から際立った値(outstanding)を維持しているが、周辺部は開放では良い(good)のレベルまで落ちる。解像力のピークはここでもF5.6とF8で、このとき中央は際立った解像力(outstanding)、周辺部はとても良好な解像力(very good)だ。
- 色収差はよく補正されている。35mmでF16以上絞ると顕著になるが、その場合でも、色ズレはごくわずかで、通常の写真ではあまり問題はないはずだ。
- 周辺光量落ちは18mmで2.18EV、35mmで1.15EVで、まずまず穏やかだ。F8かそれ以上に絞ると、ズーム全域で見た目に均一になる。
- 歪曲は18mmで4.78%の非常に強いタル型で、直線的な被写体では容易に目立つ。35mmでは歪曲は1.28%まで改善する。歪曲の形はズームの両端で整っているので、後処理での補正はかなり容易だ。
- このレンズはナノクリスタルコートを採用していないが、フレア耐性は非常に高く、逆光でもコントラストは極めてよく保たれている。
- 手頃な価格で、解像力については卓越したレンズだ。中央の解像力はズーム全域で際立っており、色収差もよく補正されている。歪曲と周辺光量落ちがそれほどよく補正されていないのが残念だが、これらの欠点はこの種のレンズでは意外なことではない。
- 良い点: ズーム全域で中央の際立った解像力、フレア耐性、良好な造り、まずまず軽量、色収差が良く補正されている。
- 悪い点: 18mmのタル型の歪曲、18mmの周辺光量落ち。
性能の評価は5点満点中4.5点で、兄貴分の16-35mm VR(4点)よりも高い評価となっています。解像力は、中間域からワイド側では、開放から周辺部まで見事な値ですね。望遠端では周辺部の解像力が若干落ちますが、それでも開放から十分に使えそうです。
比較的軽量で、性能の割りに価格もそれほど高くないので、このレンズはニコンの広角ズームでは定番のレンズになるかもしれませんね。
赤はちまき
ミラーレス等のデジタル補正前提のレンズよりも更に酷い歪曲ですね。
最近は解像重視で歪曲はあまり光学補正しないのがトレンドなんでしょうか。
十津川
あちこちの作例も見ましたが、広角端は周辺までとてもシャープです。
望遠側の周辺は甘いですが。
広角ズームなので広角端を重視した設計は良いと思います。
(逆に、去年発売の70-200F4は望遠ズームなので望遠端優先の設計のようです。)
旧18-35F3.5-4.5を愛用してますが、さすがにフィルム時代のレンズなので最近の高解像度のデジカメには解像度不足で、こりゃ買い換えなきゃいかんなあ。
rov
歪曲の大きいことで有名な16-35よりさらに歪むようですね...
一眼レフ用レンズも自動補正前提の設計になりつつあるように思います。
あまり歪むとフレーミングしづらいので困ります。水平が取りにくいし...これも電子水準器でやれということですかね。
ニココナッツ
管理人様
情報UPお疲れ様です。
FXで広角ズームの有力候補ですよね。
安価で小さくしかも軽量ということでVR無しとは言え77mmのフィルターも使えますから、応用範囲は意外に広い感じがします。
某山岳写真家が絶賛していたのも頷ける記事の内容でした。
ととべい
以前、Tokinaの17-35f4を使っていました。
最初は片ボケ、交換してもらっても同じようなもんだったので、Tokinaで調整してもらいましたが、広角端四隅が絞ってもだめで、手放しました。
フルサイズの超広角は14-24f2.8の化け物じゃないとダメかと思っていたらこのレンズが出たので、早速購入。
広角端の4隅は解放でも私には許容範囲、f8まで絞れはまず問題なし。写りは予想以上のレンズでした。それに加え、18mmに抑えたせいでしょうか、小型軽量なのもいい。
D600によく似合います。
KJ
ああD型のリニューアルね、みたいな感じでヌルッと発売された印象でしたが、各所でレビューが紹介される度にグングン株が上がってますね。
COOLPIX A の 18.5mmレンズを含め、ここ1年ほどのレンズはどれも素晴らしいです。
FX 用がこれほど小型軽量(今までが大きすぎただけ?)かつ高性能となってしまっては、DX 用の現行品は立場がないですね。リニューアルされる日はやって来るでしょうか。
papacamera
24-85mmもそうですが、最近のニコンはレンズのラインナップが巧いですね。
シンプルなスペックで軽量安価なレンズ(18-35mm)と、高付加価値で高性能高価なレンズ(16-35mm f/4 IS)を巧く作り分けています。そして上は大三元(14-24mm)もあるし。
clou
FXワイドはズームはこれにして、ここという画角のワイド単焦点の併用がいいのでは?
28mm F2.8Gと16-35G VRの併用で出番の少ないわりに長く重いズームを持ち歩いていると考えさせられる・・・
ぬふう
レンズの歪曲をデジタル補正すると、解像度がガクっと落ちて眠い絵になりますよ。試してみてください。補正はすくなければ少ないほどいいんです。
しら
歪曲を補正すると周囲がトリミングされてしまうという問題もあります。
デジタル補正でカバーできる範囲も増えていますが万能ではありません。
ただ歪曲をはじめとして収差の類は気にしない人は気にしないものなので、そういう意味でなら厳しく見る人との意見のギャップは分かります。
そのあたりは何を撮るかによっても違ってくるでしょう。
Grr
D800によるレビューも欲しい所です。24-70の広角側にガッカリしてしまったので。
rov
自然風景や人物を撮る人は歪曲収差を重視しないかもしれませんね。
自分は建築物を撮るので気になるのですが、5%近い樽型歪曲を画像処理でまっすぐに補正するとせっかくの18mmレンズが20mmくらいになってしまいますね。
ミラーレス用のレンズは自動補正を計算に入れての画角表示になっているようですが...