ニコンAF-S18-35mm f/3.5-4.5Gは旧型よりもずっと良好な性能

Photozone に、ニコンAF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-4.5G のFX機(D3X)によるレビューが掲載されています。

Nikkor AF-S 18-35mm f/3.5-4.5 G ED (FX) - Review / Test Report

  • マウントは金属製、鏡筒はプラスチック製で、造りのクオリティはニコンのコンシューマー用ズームの典型的なものだ。フォーカスリングとズームリングは、いずれも十分な重さがありスムーズに回転する。
  • ズーミングすると内側の鏡筒が若干動くが、レンズの全長は変わらない。フォーカシングはインナーフォーカスなので、前玉は回転せず、偏光フィルターの使用に問題はない。
  • 超音波モーターによるAFは静かで極めて速い。
  • 歪曲はズーム全域でタル型で、ワイド端ではとても目立つ(3.7%)が、望遠側にズームすると歪曲は小さくなる(35mmで1.2%)。
  • 周辺光量落ちは、ワイド端の開放で最も目立つ(-1.73EV)。いつものように、絞ると周辺光量落ちは改善するが、広角側では絞り込んでも1/2EV前後の周辺光量落ちが残っている。しかしながら、大部分の被写体では問題はないはずだ。
  • 解像力はワイド端では中央は開放から素晴らしい値(excellent)で、周辺部はテストしたどの絞り値(F3.5-F11)でもとても良好な値(very good)だ。隅はそれよりも若干低くなるが、中間まで絞れば良好な解像力(※本文中はgoodとなっていますがグラフ上ではvery goodです)になる。
  • 21mmの解像力は中央は開放から素晴らしい値(excellent)で、周辺と隅は開放から既にとても良好な値(very good)だ。28mmでは中央は開放ではとても良い値(very good)に落ちるが、絞れば素晴らしい値(excellent)になる。周辺と隅は開放では良好な値(good)で、絞ると若干改善するが、とても良い解像力(very good)を得るにはF8まで絞る必要がある。
  • 35mmの解像力は画面全域で更に低下する(開放では中央はとても良い、周辺は良い、隅はままずまず)。中央はF8に絞ると素晴らしい値(excellent)に、周辺部はとても良好な値(very good)になる。一方で、隅は開放ではまずまずの値(fair)にしかならず、絞っても良い(good)よりも上の解像力にはならない。
  • 色収差は、このような広角レンズとしてはよく補正されている。色収差が最大になるのは広角端の開放だ(18mm開放で1.94EV)。望遠側にズーム、あるいは絞ると色収差は減少し低いレベルになる。
  • このレンズは中央の解像力は素晴らしく、周辺部も少なくとも絞ったときには、大部分のズーム域でとても良好だ。唯一、望遠端だけは全体的に若干解像力が落ちる。歪曲は広角側でかなり目立ち、周辺光量落ちも広角側では少し大きい。色収差は良好に補正されている。鏡筒はプラスチック製だが、安っぽさは感じない。
  • このレンズはとてもしっかりとした性能で、旧型よりもずっと良好だが、傑出した性能ではない。このレンズはコンシューマー市場をターゲットとしており、手頃な価格であることが重視されるので、これは驚くようなことではない。この価格としては、このレンズの性能はとても良好だ。

 

光学性能の評価は5点満点中3点で、旧型の1.5点と比べると大幅にアップしています。また、16-35mm f/4G VR の評価は2.5点なので、安価なこのレンズのほうがむしろ高い評価となっています。

18-35mm f/3.5-4.5Gは、比較的安価なレンズにもかかわらず、安定した性能で、手軽にフルサイズ機で撮影したいユーザーには最適な広角ズームかもしれませんね。