ソニーZeiss Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM は造りは良好だが価格が高い

ePHOTOzine に、ソニーのZeiss Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM のレビューが掲載されています。

Carl Zeiss Planar T* 50mm f/1.4 ZA SSM Lens Review

  • 造りは、カーツツァイスの名前にふさわしいものだ。鏡筒はアルミニウム製で、これはレンズを500グラムをわずかに超えるだけのほどほどの重さに押さえるのに役立っている。
  • AFは超音波モーターで高速。AF/MFスイッチの中央にあるボタンを押すことで、いつでもMFで調整が可能だ。フォーカスリングはスムーズで十分な重さがあり、MFによる細かいピント調整は快適。フォーカシングは後群で行われ、前玉は回転しない。
  • 解像力は開放では中央は良い値(good)だが、隅は芳しくない(fairly poor)。絞ると解像力は画面全域で改善し、F2.8で隅は良い値(good)に達する。解像力のピークはF5.6で、このとき、中央は際立った値(outstanding)、隅は素晴らしい値(excellent)になる。
  • 色収差は、開放で1.5ピクセルを超える値で、周辺部のハイコントラストの部分ではとても目に付く。色収差は、カールツァイスの名前を冠するレンズから予想するよりも大きいかもしれない。
  • 周辺光量落ちは開放で2.61EVで、このような大口径レンズとしては標準的な値だ。F4以上に絞ると見た目に均一になる。
  • 歪曲は2.27%のタル型で、単焦点レンズとしては予想よりも大きく、画面周辺部に直線的な被写体があると目立つかもしれない。歪曲の形は画面全域で整っているので、後処理での補正は比較的容易なはずだ。
  • 逆光では、極端な条件では若干フレアが出るがコントラストは良好に維持されている。前玉は奥まった場所にあるので、フードはほとんど必要ない。
  • このレンズは間違いなくツァイスのブルーバッジを十分に正当化する性能があるが、このような価格を正当化する性能かどうかは異論があるだろう。
  • このレンズの性能は多くの部分で良好だが、開放付近での色収差の大きさと、隅の解像力の低さは、カールツァイスに期待していたものではない。たとえ、素晴らしい防塵防滴の造りであっても、1260ポンドの価格は50mm F1.4としては非常に高価だ。このレンズに(価格だけの)十分な価値がある思う人もいるだろう。しかし、このような価格を正当化できるのはわずかな人だけだ。
  • 良い点: 素晴らしい造り、絞ったときの素晴らしいシャープさ、素早いAF、サイズと造りの割りにまずまず軽量。
  • 悪い点: 開放付近で色収差が大きい、開放で隅の解像力が芳しくない。

 

開放付近では周辺部の解像力が低めですが、ある程度絞れば全域で優秀な解像力になるので、ボケを生かした撮影だけでなく、遠景の撮影などでも問題なく使用できそうです。サンプルでは、開放付近は大口径らしい柔らかい描写ですが、絞ったときはカリっとした描写で隅々までとても良く解像しているという印象です。