ソニー E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS は望遠側の画質は良好だが広角側は不十分

photozone に、ソニー E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS のレビューが掲載されています。

Sony E 16-50mm f/3.5-5.6 OSS PZ (SEL-1650) - Review / Test Report

  • 鏡筒は、外装は金属製で造りはきちんとしているものの、あまり感心しない。プラスチックのズームスライダーは、それほどのクオリティではないが、スムーズなズーミングが可能だ。
  • AFモードではフォーカスリングをズーミングに使用することもできる。フォーカス/ズームリングは、良好に機能するが、いくらか荒っぽくザラザラした感触だ。フードは用意されていない。
  • AFは静かで極めて速い(少なくとも明るい環境では)。MFはバイワイヤ(モーター駆動)だ。
  • 手ブレ補正は、2-3段分の十分な効果がある。
  • 歪曲は、未補正の状態ではワイド側で7.5%を超える莫大な大きさで、ほとんど魚眼レンズのようだ。これは、このレンズが明らかに歪曲の自動補正OFFでは使用しないことを意味している。歪曲の自動補正をONにすると、歪曲は16mmで1%をわずかに超える値になり、十分許容範囲内になる。
  • 周辺光量落ちは、自動補正を無効にすると16mmで5EVで、これまでにテストしたレンズの中で最悪の結果だ。隅は基本的に真っ暗になる。16mmではF11まで絞っても、周辺光量落ちは許容できない値(2.68EV)のままだ。このレンズは、意図的にAPS-Cのイメージサークルを完全にカバーしないように設計されているのは明らかだ。
  • 自動補正をONにすると、周辺光量落ちはそれほど深刻ではなくなるが、それでもなお16mm開放では芳しくない値(2.71EV)だ。しかし、F8以上に絞れば良好になる(F8で1.03EV)。周辺光量の補正を強くかけると、周辺部のノイズの増加と引き換えになる。
  • レンズのネイティブの解像力(自動補正OFFの解像力)は、16mmでは中央は優れた値で、絞ると素晴らしい値(excellent)にさえなるが、周辺部はかなり甘い。18mmでは周辺部は良い値(good)まで改善し、隅も許容範囲内のレベルで続く。25mmと50mmの開放では隅は若干甘いままだが、絞れば画面全域でかなりシャープになる。
  • 自動補正ONの状態では、解像力に影響が見られる。歪曲の自動補正は画質を劣化させる。中央の画質にはそれほど影響はないが、周辺部は悪化する。
  • 倍率色収差は、広角側のズームレンジでは、周辺部で1.5ピクセル前後の高い値で推移しており、隅の外側の部分では2.5ピクセルを超える。しかし、色収差は画質を劣化させずに自動補正が可能だ。
  • ソニーE16-50mm はいくつかの記録を破ったが、残念ながらいい意味での記録ではない。未補正の歪曲と周辺光量落ちは、まさに正気の沙汰ではない。焦点距離が16mmスタートなのは、スペック上はとても魅力的だが、現実は画質が不十分だ(少なくとも24MPセンサーでは)。望遠側にズームすると解像力は改善し、中間域よりも望遠側では画質は(色収差以外は)かなり良好になる。
  • 噂の高性能レンズが登場するまでは(※この記事はT*16-70や18-105Gが発表される前の記事です)、E18-55mm OSSを使うのが良い方策だ。

 

光学性能は、5点満点中1.5点とかなり厳しい評価になっています。解像力は中央は優秀ですが、周辺部は、特に広角側ではあまり芳しくないようです。周辺光量落ちや歪曲もかなり厳しい値が出ていますが、もともと自動補正前提で小型・軽量化を優先したレンズなので、ある程度光学性能がトレードオフになるのは仕方がないことかもしれませんね。