ライカ ズミクロンM 50mm F2 は価格は高いが素晴らしいレンズ

Photozone に、ライカ Summicron-M 50mm F2 のフルサイズ機(M9)によるレビューが掲載されています。

Leica Summicron-M 50mm f/2 - Review / Test Report

  • プレミアム製品から予想されるように、レンズの造りは素晴らしい。鏡筒は極めてしっかりとしており、それにもかかわらず非常にコンパクトだ。
  • フォーカスリングは申し分のない重さがありスムーズに回転する。無限遠から最短までの回転角はおおまかに言って90度だ。絞りリングは1/2段刻みで止まり、古いライカレンズと異なり、遊びがない。絞り羽根は8枚で、円形ではなくストレートだ。
  • 歪曲は0.18%の非常に小さなタル型で、スタジオのテストでは計測されるが、実写では全く問題がない。これは、マクロではない単焦点レンズとしては素晴らしい性能だ。
  • 周辺光量落ちはデジタルのMでは自動的に補正されるが、未補正の状態では開放で2.7EVをわずかに超える非常に大きい値だ。周辺光量落ちは、絞れば大きく改善するが、小絞りまで絞り込んでも0.5EVより小さくはならない。自動補正をONにすると、開放で1.5EVで、それでもなお多くの被写体で非常に目立つ。しかし、(自動補正ONで)F4以上に絞れば問題はなくなる。
  • 解像力は開放から画面全域でとても良好な値(very good)だ。F2.8に絞ると中央は素晴らしい値(excellent)に改善する。F4では周辺部と隅も素晴らしい値(excellent)になり、画面全域で素晴らしい解像力になる。
  • 倍率色収差は良く補正されている。開放では周辺部で1.3ピクセルをわずかに下回る値で、絞ると0.6ピクセルまで減少する。
  • 軸上色収差は、開放でわずかに見られるが、絞れば解消する。しかしながら、このテストでは絞るとフォーカスシフトが見られた。
  • ボケは前ボケはスムーズだが、これが通常の被写体で生きることはまれだ。より重要な後ボケは、開放では少しうるさいが、F2.8からF4に絞ると改善する。ハイライト(玉ボケ)は周辺部は口径食の影響で完全な円形ではない。絞ると多角形の絞りの形が現れる。F2では玉ボケに輪郭が見られるが、これは絞れば改善される。
  • Summicron-M 50mm F2 は素晴らしいレンズだ。解像力は開放からとても良好で、歪曲の問題は全くないが、周辺光量落ちはかなり目立つ。ボケは開放では少しうるさいが、絞れば若干改善する。レンズの造りは実に素晴らしく、使っていて楽しめる。唯一の欠点は、通常の単焦点としては価格がかなり高いことだ。それはそれとして、大いに推薦する。

 

光学性能は4.5点、機械的なクオリティは5点満点という非常に高い評価となっています(ただし、コストパフォーマンスは2点)。解像力は開放から隅までかなり高く、開放が弱いことが多い50mm F1.4クラスと比べると開放付近の解像力は安定していますね。歪曲や色収差も問題ありませんが、周辺光量落ちだけはかなり大きいようです。