富士フイルムXF23mm F1.4 R は絞り開放から実用になる画質

LensTip に、富士フイルムXF23mm F1.4 R のレビューが掲載されています。

Fujifilm Fujinon XF 23 mm f/1.4 R

  • フォーカスリングはスムーズで十分な重さがあり、ピント合わせは快適だ。フォーカスリングの回転角は150度で、とても精密なピント合わせができる。個人的には、私は昔ながらのフォーカスリングが好みなので、モータ駆動ではないこのフォーカスリングを楽しんでいる。
  • 解像力テストは、X-E1のRAWファイルで行った。良像の基準は40-41lpmm付近だ。
  • F1.4のレンズで開放から実用的な画質を得るのは難題で、これをクリアしたレンズは賞賛に値するが、23mm F1.4は(中央では)これを達成している(43lpmm前後)。絞ると画質は改善し、ピークのF5.6では70lpmmを若干超える。この値は際立っていると言うにはわずかに(あと2-3lpmm)足りない。絞ったときの改善は遅いが、これは重大な問題ではない。
  • 隅の解像力も賞賛に値する。開放では基準のレベルには届かないが、F2まで絞れば到達する。これまでにこの画角のF1.4のレンズで、(開放付近から)最周辺部まで完全に実用になるレンズは出会ったことがなく、我々が褒め称えたシグマ35mm F1.4でさえこのレベルには達していない。XF23mm F1.4R のこの結果は、我々の期待に沿うものだ。
  • 軸上色収差は、ニコン35mm f/1.4Gはかなり目立ち、シグマの35mm F1.4はよく抑えられているが、富士の23mm F1.4は残念ながらシグマよりもニコンに近い。軸上色収差ははっきりと目につき、F2に絞っても改善されない。
  • 倍率色収差は、絞りにかかわらず0.07%付近のわずかな値をキープしており、良好だ。
  • 球面収差は適切に補正されている。フォーカスシフトは見られない。
  • 富士のレンズは歪曲補正のポリシーが一貫しておらず、いくつかのレンズ(18-55mmと18mm F2)は歪曲の補正をカメラ内処理にまかせている。14mm F2.8はJPEGとRAWが同じ結果(歪曲の自動補正を使用していない)で、設計者はいい仕事をしている。これと同じことが23mm F1.4にも言える。23mmの歪曲はRAWで-0.75%で、フルサイズ用の35mmでこのような好結果のレンズはなく、このカテゴリではこの23mm F1.4は賞賛に値する。
  • 周辺光量落ちはJPEGでは、開放で27%(-0.90EV)で穏やかな値だ。F2では22%(-0.73EV)で若干改善し、F2.8では14%(-0.42EV)で気付かない値になる。RAWでは、開放で50%(-2.01EV)で、F2に絞ると35%(-1.27EV)で顕著に改善する。F2.8とF4では、23%(-0.77EV)と21%(-0.67EV)で穏やかな値になり、これ以上絞っても改善されない。この結果は必ずしも素晴らしいものではないが、フルサイズ用のこの種のレンズは周辺光量落ちは更に大きい。
  • 逆光耐性はとても良好だ。絞り値にかかわらず、太陽を直接画面に入れた場合でも、画面の外側にある場合でも、ゴーストやフレアを出すのは難しく、ゴーストやフレアが出ても激しいものではない。このレンズのコーティングと内部構造はとても良好だ。
  • AFは静かでとても速い。無限遠から最短までは0.3-0.4秒で、これはとても良好は結果だ。テストでは1度の合焦ミスもなく、AF精度に関しても問題はない。
  • XF23mm F1.4R には、本当に前向きな評価をせざるを得ない。価格に関してはとても安価とは言えないが、我々の意見としては、3000PLNを下回る価格はこのレンズの可能性にふさわしいものだと思う。
  • 良い点: しっかりした鏡筒、素晴らしい中心部の画質、良好な周辺部の画質、倍率色収差が適切に補正されている、球面収差がわずか、歪曲が気付かないレベル、ボケが目を楽しませてくれる、逆光耐性がとても良好、高速で正確なAF。
  • 悪い点: 軸上色収差が顕著、開放付近で周辺光量落ちが大きい、コマ収差が少々大きすぎる。

 

富士フイルムのXFレンズでは最新の56mm F1.2 R が評判がとてもいいようですが、この23mm F1.4 R も負けず劣らず評価の高いレンズですね。解像力は大口径レンズとしては開放から良好で、倍率色収差と歪曲も全く問題なさそうです。周辺光量落ちは大口径の広角レンズなので、このくらいは仕方ないかもしれませんね。

あと、軸上色収差の大きさが指摘されていますが、サンプルを見ると確かに玉ボケの輪郭に少し緑の色が付くようです。