パナソニックLEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7は周辺部は優秀だが中央の解像力が少し物足りない

LensTip に、パナソニックの広角単焦点レンズ「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH. 」のレビューが掲載されています。

Panasonic Leica DG Summilux 15 mm f/1.7 ASPH

  • フォーカスリングはモーター駆動だが、十分な重さがあり動きには全く問題はない。
  • 中央の解像力は、開放で既に55lpmm前後(良像の基準となる値は45lpmm付近)の非常に高い値だ。一方で、このような一級品のレンズには、(絞ったときのピークでは)75-80lpmmの解像力を期待するかもしれないが、このレンズはF4で70lpmmをわずかに超える値で、小さなパンケーキと似たようなレベルだ。
  • 隅の解像力は開放で50lpmmの十分に実用的な値に達しており、これはパナソニックの2つのパンケーキレンズよりも良好だ。絞ると60lpmmを超え、これはベストのパンケーキである20mm F1.7でも達しなかった値だ。
  • 軸上色収差は完璧には補正されておらず、開放では影響が見られる(ボケに色が付く)が、1段絞れば改善する。軸上色収差には、大きな問題は無い。
  • 倍率色収差は、(ピークとなる)開放付近で0.09%前後で中程度の大きさだが、絞ると倍率色収差は改善し、心配する必要のない低いレベルになる。
  • 歪曲はm4/3では自動補正されるが、このレンズも例外ではない。歪曲はJPEGでは-0.91%の小さなタル型だが、RAWの実際の歪曲は-6.04%の非常に大きなダル型だ。これはパナソニック14mm F2.5に近い結果だ。
  • 周辺光量落ちは、開放では53%(-2.18EV)の高い値で、非常に目立つ。F2でも40%(-1.49EV)でかなり問題がある。F2.8に絞って初めて、22%(-0.73EV)の穏やかな値になる。テスト機では周辺光量落ちは自動補正されていないので、JPEGとRAWはほとんど同じ結果だ。
  • 逆光耐性は良好で、太陽を完全に画面の中に入れた場合でさえフレアはわずかで、コントラストの低下も見られない。このレンズの逆光耐性は、賞賛に値する。
  • AFは最短から無限遠まで0.3秒未満の素晴らしい速さで、作動音は静かだ。スタジオ内のテストでは合焦に一回のミスもなく、AF精度は問題ない。
  • このレンズはm4/3の14mmから20mmのレンズの中にあるシャープなレンズの1つに過ぎない。中央の解像力はオリンパスの17mm F1.8に優っているが、パナソニックの2つのパンケーキ(14mm F2.5と20mm F1.7)には及ばない。周辺部の解像力は2本のパンケーキよりもずっと優れているが、周辺光量落ちは大きく、歪曲も非常に大きい。他のカテゴリでも中程度の結果に過ぎず、とても完璧なレンズではない。もし、価格がもっと安価なら、たぶんもう少しポジティブな評価になるだろう。
  • 良い点: 小さく格好の良いとてもしっかりとした鏡筒、中央の良好な画質、周辺部の良好な画質、倍率色収差が穏やか、球面収差の兆候が見られない、逆光耐性が高い、非常に速いAF、付属品が豊富。
  • 悪い点: 歪曲が非常に大きい、周辺光量落ちが顕著。

 

結論では少々辛口な評価となっていますが、解像力は中央は際立って高い値ではないものの周辺部まで均一で、全体的には高い水準でまとまっているという印象です。数値中心の評価だと、このレンズの特徴である色乗りの良さやボケ味などが評価されなくなってしまうのが厳しいところかもしれませんね。