・Nikkor AF-S 58mm f/1.4 G (FX) - Review / Test Report
- 鏡筒の造りは価格から予想されるようにハイクオリティだが、重さはサイズの割りにかなり軽い。これは鏡筒がハイクオリティなプラスチック製であることと、光学系が短くコンパクトであることによる。このレンズは防塵防滴ではないが、マウントはゴムでシーリングされている。
- AFはとても速く、作動音はほとんどしない。幅の広いフォーカスリングはスムーズに回転する。フォーカシングは全群繰り出しだが、光学系は奥まった場所にあるので、フォーカシングでレンズの全長は変わらない。
- 歪曲は1.3%のタル型で、この種のレンズとしては標準的だ。
- 周辺光量落ちは開放で1.2EVで、まだ目立つ値だが、50mm f/1.4Gよりはずっと少ない。F2では大きく改善し(0.73EV)、F2.8以上では解消する(F2.8で0.31EV)。
- 解像力は、中央は開放でとても良好(very good)で、F2.8以上に絞ると素晴らしい値(excellent)になる。F11以上では回折の影響で解像力は落ちる。周辺部と隅はF1.4とF2では良い(good)からとても良い値(very good)で、これはとても印象的だ。F2.8では画質は大きく改善し、F5.6からF8では画面全域で素晴らしい値(excellent)になる。このレンズの解像力はとても素晴らしい。
- 倍率色収差は、周辺部で0.9ピクセルを下回る穏やかな値で、よく補正されている。
- 玉ボケは周囲の縁取りも最小限で、とてもスムーズだ。しかしながら、ハイライトの形は画面の中間部で既に(口径食の影響で)猫の目状になり、円形が崩れるのはかなり早い。絞ると口径食は改善されるが、F4以上に絞ると、玉ボケの縁取りは若干目立つようになる。後ボケは非常にスムーズだが、前ボケはそれほど満足のいくものではない。
- 軸上色収差(ボケの色付き)は、開放付近ではいくらか見られるが、F5.6以上ではほとんど解消する。
- 58mm f/1.4G は、間違いなく素晴らしいレンズだが、価格から考えられる大きな期待には若干届かない。悪くはないが、ずっと安価な50mm f/1.4Gも58mmにそれほど大きく劣っているわけではなく、またシグマの50mm F1.4 Artは、ほぼ半分の価格だがニコンの58mm f/1.4 を打ち負かすことができるだろう。
58mm f/1.4G は味を重視したレンズなので、海外の解像力中心のレビューでは厳しく評価される傾向がありますが、Photozoneのテストでは解像力等の測定値はなかなか優秀で、光学性能の評価も5点満点中3.5点と良好な評価になっています。
解像力重視のシグマ50mm F1.4 ArtやOtus 1.4/55と数値だけで比べられると厳しいものがあるようですが、58mm f/1.4Gも単独で見れば数値的にも十分に優秀なレンズですね。
レイヤーフォト
多少ですが年輪ボケがでるシーンがあるのも気になりますね。
KJ
毎度のことですが、撮影距離別にテストしないと意味ないですね、特にコレは。
以前は photozone のデータはよく参照してましたが、このレンズの登場でかなり勉強させられた (つもり) なので、以来軽く参考程度に見るようにしています。
貧乏人ですが早く手に入れたいです。それまでに過ぎていく時間が無駄に感じてなりません (笑)。
ファミリーカメラマン
このレンズの場合、レンズ性能よりもボケ方に力を入れているそうですので、評価もいろいろですね。
名前もbokeh-nokkorとか(もう少し高級そうな名称の方が良いと思いますが)、コンセプトを出すと良いかもしれません。
ただ、記事はぼけ方にもちゃんと言及しているようですが、非常に良い・・とまでは気に入ってもらえなかったようで、好みがあり難しいですね。
oasis
このレンズは撮影距離で解像力が大きく変わります。
ぱんた
サンプルとかですと周辺はF11くらいで最良にみえましたが
データ的には絞ると周辺も良い値のようですね
自分ペンタユーザーなのですが
Price/Performanceの所
DA★55が星2個
58mmが星2.5個
で「え!?」となりました(笑)
ob
撮影距離に依って描写特性が変わる点、
ボケのなだらかさと抑えられたコマ収差、立体感、ヌケの良さ
数値化が難しい部分にこそ、このレンズの素晴らしさがあると思います。
レンズを知り尽くす第2設計部の方が「自分が使いたいレンズを作った」と
仰っている事にこそ意味があるのではないでしょうか。
こいつ何言ってんだと思われるかもしれませんが、
それでも…自分はこのレンズが広義の「銘玉」と呼ばれるのは難しいと感じています。
OPTIAを使用して作られた第一レンズと聞きましたが、
ノクトニッコール発売時程の感動はありませんでした。
どんな味を「良好なレンズの味」と評価するかは人それぞれですが、
NIKKOR 58mm f/1.4G は柔らかな描写感や立体を感じられるものの、
ボケの滑らかさが優先され過ぎて「癖」や「雑味」が味わえません。
OPTIAの併用でレンズ設計の速度と利便性が飛躍的に
高まったらしいですが、「味」に重きを置くレンズでは
苦労して手打ちと試写失敗を繰り返す事に意味があるのかもしれません。
とはいえ、他社の様にマーケティングを優先したレンズしか作らないよりも
「銘玉」を作りたいというニコンの遊び心は称賛されるべきだと感じています。
YT
photozoneの評価方法ではコシナツァイスも苦戦してます。作品撮り専用のある意味特殊なレンズですから、ユーザー評価とベンチマークテストの点数がかみ合わないんですよね。両方を高度に並立させれば40万50万って手が届かない世界にいっちゃいますし。
GGG
シグマは解像力高いけどボケが汚いので、どっちが好みか別れますよね
ばば
店頭で試し撮りさせてもらい、写りの良さに惚れ込み買っちゃいましたが
見る人によってはなかなか厳しいですね。
daipa
確かに、このレンズはボケについても、ボケの形などではなく、「ボケ方、つまりボケの滑らかさ、ピント面とのハイファイの出方??」まで評価しないと、本当に評価にはならないのでしょう。
しかし、そのような評価がされることもないので、このくらいの評価で良いのではないでしょうか?ピント面のシャープさ、解像感だけでは評価の難しいレンズなのでしょう。
一度、これで人物が思うように撮れると、本当にシビレますが、なかなかそうならないのですが・・・。自分がもどかしい。
ジェイコプスラダー
obさん
高価なレンズを、設計者の意図を踏まえた上でネガティブに評価するのはとてもむずかしいことで、冷静な感想たいへん参考になりました。
昨今の高性能な測定器を用いてのレンズ開発は、シグマのように高ベンチマークをたたき出す設計でも、シャープだけどつまらない、というレンズがある一方で、開放からガンガン使えるけど、クセもあって面白い、という両者があると思います。
私はシグマの50mmがただシャープなだけでボケが汚い、なんて思いませんけど、フジのXF23mmやXF56mmは高性能だけどあまり面白くないなぁと思います。
逆にM4/3のノクチクロン43mmは最近では珍しく感動するレンズだったり。
このレンズはニコンの肝いりですが、ニッコールファンの誰しもが欲しがるレンズならば、ひたすら味を追求した副産物として、50mm f/1.4Gを軽く打ち負かすくらいの性能が出てきて欲しいと思います。
もちろん欲しいレンズには違いありませんが。
Nokon
味は人それぞれの味覚で判断。今のところ私はこのレンズ気に入ってます。他に多くを持っていないので他との併用や比較はできませんが。
まお
レンズの重みは高級感がでるため、重く金属にして欲しかったのですが、実際、標準で重いと持ち歩かないんですよね。
世代的には、次世代コンセプトも入ってる気がします。
C62重連北斗星
ノクトニッコールも出た当時は、「開放以外は1.4の球面レンズに劣る」などと言われていたのを思い出して懐かしくなります。
良し悪しは使われる方の嗜好によると思いますが、良くは写ってもベッタンコで歪曲ばかり目立つレンズが多くなった現在では貴重で、ファインダーでも感ずる立体感と空気感に感心して即購入しました。
絞りや撮影距離によって描写が変化するのはSニッコール50/1.4に似ているなと思ったら、ゾナータイプ的な3枚貼り合せを含んでいるのですね。
このレンズで3年間チャンスを狙っていたショットを物に出来ましたから、私にとっては常時帯行の一本になっています。
あ
このレンズはものすごい癖玉です。
癖だと思う点は、ごく一部のロケーションや被写体以外解放が使えない点や、凄まじく微妙なピント調整して撮らないと主題すらボケてしまうところなど。
ですが、はまった時には他のレンズでは撮れないものが撮れる、替えの効かないレンズです。私はこれだけで銘玉と言えると思います。
入手してもうすぐ1年ですが、カメラを持ち出す際には毎回持って出、使わなかった日はありません。おそらくかなりの枚数撮ってるはずですが、まだ全ての癖がつかめた気がしません。とても懐深いレンズだと思います。
morimori
現在、私は20本のNikkorを使用していますが、このレンズが最高に好きなレンズです。
とにかく、平面のチャーとのテストでは分からない、立体感が別格です。
このレンズと、マイクロレンズで撮り比べた花や骨董品の茶碗の写真を見て驚愕しました。
写真の立体感とは、ライティングだけではなく、レンズの描写によってこれほど違うものなのかを知りました。
写真は3次元の世界を2次元で表現するものですが、このレンズはそのことを分かっている設計者が創ったレンズであり、設計思想そのものが違うのです。
使わなければ魅力が分からないレンズです。
D4sD810
先日購入しましたが使うのに気を使いそうな一本ですね 笑
初撮影が楽しみです