富士フイルムは今後は薄く小型軽量な単焦点も検討していく

デジカメWatchに、富士フイルム開発陣のインタビューが掲載されています。

ボケへのこだわり――富士フイルム「XF 56mm F1.2 R APD」

  • (XFレンズのコンセプトは?) XFレンズはX-Trans CMOSの能力を最大限に引き出すため、高い解像力が得られるように設計している。もう1つのこだわりは、レンズの明るさで、絞り開放から使えるレンズを目指した。
  • 開放F値が明るくても、開放から1~2段絞らないときちんとした解像性能が出せないレンズがあるが、XFシリーズのレンズでは絞り開放から十分な解像性能で使える。
  • (35mmフルサイズ機は?) 現在のAPS-Cフォーマットのシステムはまだ開発の途上で、まずはシステムを完成させなくてはいけない。交換レンズのラインナップの充実や、アクセサリー類も拡充を進める予定で、当面はAPS-Cフォーマットに集中したいと考えている。
  • (単焦点の超望遠レンズは?) 超望遠域をカバーするレンズの必要性は感じている。超望遠ズームはロードマップに入っているが、単焦点の超望遠レンズの要望も把握しているので、今後のラインナップの検討では単焦点の超望遠レンズも考えていかなくてはいけないと考えている。
  • (XF 56mm F1.2 R APDが生まれたきっかけは?) 「XF 56mm F1.2 R」は、当初から究極のポートレートレンズを作ろうというコンセプトで開発した。その一貫で、XF 56mm F1.2 Rの優れた描写性をさらに高めるアイデアは何かないかと考え、その中に今回のAPDレンズのアイデアがあり、製品化に至った。
  • 球面収差でボケをきれいにするとジャスピン部の画質低下を伴うし、前ボケか後ボケのどちらか片方のボケしかきれいにすることができない。その点、APDフィルターを使うとシャスピン部の画質を落とさずに、前後のボケを両方ともきれいにすることができる。
  • (標準や広角域のレンズをAPD化は?) XF 35mmでも試作機を作ってみたが、もともと背景のボケ効果が小めで、ボケがとろける効果も小さくなるので、効果の大きい望遠レンズを優先することになった。
  • (今後どのようなレンズを出して行きたいか?) Xマウントレンズは画質は高い評価の反面、ミラーレス機の交換レンズとしてはやや大きくて重いというご指摘もあった。そこで、今後は小型軽量なXマウントのボディに似合う、もう少し小型で薄くて軽量な単焦点レンズも検討して行きたいと考えている。

 

元記事の比較サンプルを見ると、APDの有無でボケの輪郭の滑らかさにかなりの違いがありますね。他の焦点距離のレンズへのAPDの採用にも、期待したいところです。

あと、これまでのXFレンズは、あまり小型軽量化にこだわらずに光学性能を追求したレンズが中心でしたが、今後は小型軽量な単焦点レンズも登場しそうですね。