シグマ「12-24mm F4 HSM DG Art」は広角側は見事な性能だが望遠側は絞る必要がある

photozoneに、シグマの一眼レフ用の広角ズームレンズ「12-24mm F4 HSM DG Art」のレビューが掲載されています。

Sigma 12-24mm f/4 HSM DG ART ( Canon ) - Review / Test

  • 鏡筒は金属とTSCの組み合わせで、造りのクオリティは見事だ。前玉が突出しているのでフィルターは装着できないが、前玉が深いフードの中に収まっているので、フードがプロテクターになっている。
  • ズームリングとフォーカスリングは、滑らかに回転する。ズーミング時には、レンズがフードの中で繰り出すので、レンズの全長は変わらない。
  • AFは新開発のHSMで、静かでとても速い。AFは少し後ピン傾向が見られる(しかし、キヤノンのボディにも超広角レンズ使用時にそのような傾向が見られる)。
  • 歪曲は12mmで5%を超えるタル型で、建築物などの撮影ではとても目立つが、望遠側にズームすると軽減され、14mmでは2.4%のタル型になり、それより望遠側では問題はない(24mmで0.244%の糸巻き型)。
  • 周辺光量落ちは、12mm開放で2.2EVで、このような焦点距離のレンズとしては非常に穏やかだ。F5.6に絞ると1.4EVに減少し、F8以上では問題はなくなる。その他の焦点距離では、開放時にはいくらか周辺光量落ちが見られるが、F5.6に絞れば十分だ。このレンズの周辺光量落ちは、良い意味で驚きだ。
  • 解像力は、良い点と悪い点があり、12mmの解像力は驚くほど良好だ。12mmの中央は、開放から既に見事な値で、周辺部は開放では若干甘くなるが、F5.6に絞れば大幅に改善する。14mmでも12mmと同程度だ。
  • 18mmでは解像力の低下が見られ、開放時の周辺部はあまり芳しくないが、F5.6に絞ると標準的なレベルまで改善する。問題は望遠端(24mm)で、中央はそれほど悪くないが、周辺部は大きく低下しており、開放では使い物にならず、F5.6でもまだ甘いので、F8かF11で使うのがいいだろう。これは望遠端の像面湾曲が極めて大きいためでもある。
  • 像面湾曲は、広角端ではほとんど見られないが、18mm以上では悪くなり、24mmではかなりの湾曲が見られる。
  • 倍率色収差は、周辺部で平均1ピクセルよりも小さく、この種のレンズとしては驚くほど少ない。唯一の例外は24mmの開放時で、この条件では1.5ピクセルに達するが、それでも50MPセンサーのテストとしては、とても穏やかな値だ。
  • 逆光では、かなり強いゴーストが見られ、逆光耐性はあまり感心しない。
  • このレンズは、焦点距離による性能の変化が大きく、広角端ではとても素晴らしい性能だが、18mm以上では非常に大きな像面湾曲のために、性能が低下する。18mmではF8まで絞ればリカバーできるが、24mmではF11かF13まで絞った方がいい。良い点は、周辺光量落ちが驚くほど良く補正されていることだ。倍率色収差も、このクラスの通常のレンズよりもずっと良好だ。
  • キヤノンのEF11-24mm F4Lと比べると、正直に言って、価格の問題が無ければ、我々はキヤノンを選択するだろう。キヤノンはシグマよりもずっと一貫した性能だ。シグマの14mm F1.8 Art も選択肢になるだろう(14mm F1.8も近日中に取り上げる)。

 

このレンズは広角側の性能はとても良好ですが、望遠側は周辺部がかなり甘く、少々厳しい評価になっているようです。これは、以前に公開されたdpreviewのレビュー内容とほぼ一致していますね。

とは言え、望遠端の焦点距離は標準ズームでもカバーできるので、広角側の性能が良ければ、望遠側は、それほど大きな問題ではないかもしれません。