パナソニックS1Rは大きく重いがエルゴノミクスに優れた使いやすいカメラ

ePHOTOzine に、パナソニックの47MPのフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1R」のレビューが掲載されています。

Panasonic Lumix S1R Review

  • このカメラを初めて手にしたときに、最も気になったのはボディの大きさと重さだ。S1Rは、フルサイズ一眼レフのD850以上の重さがあるが、この大きなサイズのためにグリップは大きく快適で、ホールディングは素晴らしい。
  • ボディはマグネシウム合金で、造りは極めて良好に感じる。シャッターボタンは非常に軽い。
  • AFは、顔、瞳、人体、動物を自動検出でき、特に顔と瞳の検出は良好に機能しているが、速く動く動物は上手く検出できなかった。
  • 576万ドットのEVFは極めて高解像度で、視界は大きくてクリアだ。
  • メニューシステムのレイアウトは明確で使いやすい。これまでのパナソニックのカメラと比べて、クイックメニューが改善されており、以前と比べてよりモダンでビジネスライクなものになっている。画像の再生と削除は、特にやりやすい。
  • バッテリーライフはCIPA規格で380枚とまずまずで、節電モードを使えば1150枚まで伸びるが、万一のために予備のバッテリーの携行を勧める。
  • サンプル(レンズは24-105mm F4)では、顔認識と瞳認識によってポートレート撮影の成功率は高く、肌の色の再現もこれまで以上に良くなっている。背景のボケは満足のいくものだが、目の良い人なら、背景のハイライト部分の玉ねぎボケに気付くかもしれない。露出は正確でダイナミックレンジが広いので、露出補正はほとんど必要なかった。
  • LUMIX S 24-105mm F4は非常にシャープでディテールに富んでおり、良好な性能だが、望遠端の周辺部で少し甘くなる。最短撮影距離30cmは非常に優秀で、小さな被写体のクローズアップも可能だ。
  • 高感度はISO1600からノイズが増え始め、ISO3200では若干ディテールが失われる。ISO6400では更にノイズが増加し、ディテールが失われるが、ここまでの感度は満足の行く画質だ。ISO12800ではディテールは更に失われるが、彩度は良好に維持されている。ISO25600は彩度が落ちディテールも少なくなるので、小さくリサイズして使うか、ノイズを後処理するのでなければ使用は避けた方がよい。
  • ライバルと高感度ノイズを比較すると、S1Rはα7R III やZ7には及ばない。Z7はISO25600でS1Rよりも彩度が遥かに優れている。α7R IIIとZ7はより低ノイズで、ISO感度の上限も高くなっている。
  • オートホワイトバランスは白熱灯では若干暖色になるが、AWB coolを使えばよりニュートラルになる。蛍光灯では、オートホワイトバランスはかなり優秀だ。
  • ハイレゾモードでは187MPの画像を生成できるが、撮影には頑丈な三脚が必須で、不安定な三脚は失敗の原因になる。4K動画は60fpsで録画可能で、クロップは1.09倍とわずかだ。4K60pは15分の時間制限があるが、それ以外のフレームレートでは時間無制限だ。動画はディテールが十分にあり、優れたクオリティだ。
  • LUMIX S1Rは画質も操作性も優れており、動作速度も速く、メニューシステムも使いやすく、全てを備えたカメラだが、最大の欠点はサイズと重さだ。しかし、カメラのサイズは個人の好みもあり、大きすぎる人もいればちょうどいい人もいるだろう。S1Rは大きい分、操作系が使いやすくエルゴノミクスに優れたカメラとなった。
  • 良い点:47MPフルサイズセンサー、187MPのハイレゾモード、4K60pの高品質動画、新しくなった使いやすいメニューシステム、ボディ内手ブレ補正、SD+XQDのカードスロット、防塵防滴、USB充電と給電、時間無制限の録画、Lマウントアライアンスの一員であること。
  • 悪い点:サイズ、価格、シネマ4K動画に非対応、ソフトウェアのCDが同梱されていない、省電力モード以外でバッテリーライフが短い。

 

S1Rはミラーレスとしてはかなり大きく重いカメラですが、その分、ホールディングや操作性に非常に優れているようなので、ハイアマやプロ向けのカメラとしては、このような大きなボディもありかもしれませんね。

S1Rのサンプルはシャープで立体感のある描写で、キットレンズのLUMIX S 24-105mm F4はかなり優秀という印象です。ただ、ボケは指摘されているように、状況によっては少しうるさく見えることもあるようです。