デジカメの市場縮小の傾向はあと2年ほど続く

日刊工業新聞に、キヤノンの御手洗冨士夫会長のインタビューが掲載されています。

「光学産業の将来は無限」逆風下でもキヤノン・御手洗会長が意に介さないワケ

  • (長く業績をけん引してきたデジタルカメラ事業が市場縮小に直面している)
    「コンパクトデジカメの販売は最盛期の08年に業界全体で1億1400万台あったが、18年は1050万台と10分の1以下になった。一眼カメラも12年にピークの1800万台で18年が1030万台とほぼ半分に減った。この傾向はあと2年ほど続くだろう。両方合計で500万-600万台まで下がると覚悟している。これはスマートフォン出現による市場構造の変化だ」
  • (米中貿易摩擦の激化などで既存の生産体制を見直す必要はないか)
    「以前から見直しをかけてきた。生産のロボット化によるコストダウンを日本中心に取り組み、ロボットなどの設備の内製化も進めている。カメラ工場はロボット導入で省力化しており、余剰人員に対してソフト開発と機械設計分野の再教育を施している。それらが完成すれば、海外の工場があまり要らなくなる。すでにカメラ生産の7割は国内で、複写機・複合機もその流れにある」

 

デジカメの販売台数はコンパクトがピークから10分の1以下、レンズ交換式がほぼ半分と、驚くほど速いペースで縮小していますね。

しかも、御手洗氏の予想では、今後、コンパクトとレンズ交換式の両方を合わせて500-600万まで縮小するということなので、デジカメは2018年から更に4分の1に縮小することになります。

以前のインタビューの御手洗氏の予想は、かなり悲観的な意見という見方が多かったようですが、最近のCIPAのデータを見ていると、ほぼ御手洗氏の予想通りに推移しているように感じます。今後のデジカメ市場の動向が気になるところですね。