デジカメ市場がこのまま縮小すればソニー・キヤノン・ニコンの3強体制は維持できない

東洋経済ONLINEに、カメラ市場の現状の分析と今後の展望に関する記事が掲載されています。

オリンパス撤退、深刻化するカメラ市場の苦境

  • デジカメ市場は縮小の一途をたどっている。2019年の世界総出荷台数は1521万台。ピークだった2010年の8分の1に縮小している。そこに襲いかかったのが新型コロナウイルスだ。外出規制やイベントの中止によってカメラ市場は一段と冷え込んでいる。
  • デジカメ業界はオリンパスに限らず苦境に陥っている。2017年にはリコーがカメラ機種を縮小し、カシオ計算機も2018年にコンパクトデジタルカメラからの撤退を決めた。中堅メーカーを中心にリストラのドミノ倒しが始まっている。
  • 大手メーカーも安泰ではない。特に厳しいのが一眼レフカメラでキヤノンと双璧をなしてきた名門ニコンだ。ニコンは2020年3月期連結決算でデジカメを中心とした映像事業が171億円の営業赤字に初めて転落。好採算の一眼レフや交換レンズの販売が振るわないのが原因だ。
  • ニコンが厳しいのは市場環境のせいだけではない。縮小するカメラ市場の中でも人気が比較的高かったミラーレスカメラでの出遅れが響いている。
  • 一眼レフとの食い合いを恐れていたニコンが重い腰をようやく上げ、ミラーレス市場に本格参入したのは2018年のことだった。だが、時すでに遅し。2019年のミラーレスの生産台数は首位のソニーが165万台に対して、ニコンはわずか28万台。ライバルのキヤノンも94万台を生産しており、ニコンの一人負けは鮮明だ。
  • ソニーはフルサイズのミラーレス機種やレンズに集中投資して一気にラインナップを拡大した。2019年のミラーレスの世界生産台数シェアはソニーが41.8%と独走している。
  • ソニーに対抗して、キヤノンも7月9日にフルサイズのミラーレスカメラ「EOS R5」を発表。キヤノンの戸倉剛イメージコミュニケーション事業本部長は「(ソニーが圧勝している)今の状況を打破する役割がEOS R5にある」と対抗意識を燃やす。
  • コロナで加速したデジカメ市場の縮小がこのまま進めば、現状のソニー、キヤノン、ニコンという3強体制は維持できない。現状の構造改革だけでニコンが事業を継続できるのか。オリンパスのカメラ事業撤退を機に、カメラ各社の帰趨が注目されている。

 

カメラ業界は、スマートフォンの影響でただでさえ市場が大幅に縮小しているところに加えて、新型コロナがダブルパンチとなって、本当に厳しい状況になってしまいましたね。

この記事では、ニコンが赤字転落で特に厳しい状況になっていると述べられていますが、キヤノンも営業利益が急速に落ち込んでいて、程度の差こそあれ厳しい状況に変わりはありませんね。

今月、ニコンとキヤノンが力の入ったミラーレスの新製品を投入してきましたが、今後の巻き返しなるか注目していきたいところです。