・Sony 35 mm f/1.4G lens review
- 中央部は開放では解像力が低く20lpmmを若干超える程度だがF2まで絞ると許容範囲である30lpmmに到達する。F2.8-F11の範囲ではとてもシャープで良好な結果だが、高価な単焦点レンズとしては卓越した性能ではない
- 周辺部はF1.4-F2.8では解像力が低く、フルサイズではF5.6以上に絞っても満足いくレベル(30lpmm)にはならない
- 色収差は非常に多く目立つ。歪曲はフルサイズで1.4%、APS-Cで0.80%のタル型で良好に補正されている
- 周辺光量落ちはAPS-Cでは開放で24%(-0.80EV)で良好な結果だが、フルサイズでは開放で59%(-2.6EV)で絞っても容易に解決しない。F2では43%とまだ高いレベルで、F2.8で23%、F4-F5.6まで絞って15-11%のレベルになる
- ゴースト・フレア耐性は良好で、開放時のほうが絞ったときよりも良好
- テスト結果を考慮すると、ソニーがこのレンズを生産し続けていることに驚く。昔のミノルタの忘れられたレンズにも、もっとよいレンズがあるだろう。価格性能比は非常に悪い
相当辛口な評価となっていますが、確かにMTFのグラフを見る限りでは周辺部の解像力はかなり低く、APS-Cなら絞ればそこそこ使えそうなレベルですが、フルサイズでは絞ってもかなり厳しそうです。
このレンズは、以前は、ユーザーの間で評判のよいレンズだったと記憶していますが、フルサイズのα900で使うには既に設計が古すぎるということなのでしょうか。
123
なかなかのダメ出しですね(笑)
レンズの評価というのは本当に難しいと思います。
数値だけでぶった切るなら銘レンズと呼ばれていたものの多くはゴミ扱いでしょうし。
私の所有レンズではα7000時代の化石70-210F4がかなり素晴らしい描写をしてくれますし・・・・
それと、レンズてかなり個体差激しくないですか?
ウォルサム
いったいいつから売ってるんだよというくらい古いレンズなので、そろそろ設計の古さが限界を晒しだしてきたのでしょうか。
Aマウントの最初期モデルが発売されたのは1987年だそうで、当然コーティングは新しくなっている(だからフレア耐性は高評価なのでしょう)でしょうが、そろそろフルモデルチェンジが必要でしょう。
僕もこれと同じくらい古い EFの24mm 2.8をつかっています。描写に不満はないものの、色収差が大きいのが気になっています。
いくら評価の高いレンズでも、時代とともに陳腐化するのは仕方ないでしょう。シグマの50mmを例に挙げるように、完成されたかに思える光学系でも、まだまだ進化の余地がありますから。
k
日本の写真雑誌では高性能として評判の良いレンズとして紹介されているだけに厳しい評価ですね。
データに基づいているだけに嘘ではないでしょうから。
後はレンズのステータス”Gレンズ”と味わいでしょうか。
acti
設計の古い、味のある銘レンズ?を新しいボディに合わせて再製品化してくれるのは有難い事ですね。同時にプライスダウンも実現してくれれば嬉しいのですが(汗)。
色収差などに関しては現像時に補正して目立たなくする方向ではどうでしょうか。
Adobeの提唱するRAWフォーマットDNGの1.3ではRAWデータにレンズ収差情報を埋め込めると聞きます。
高性能レンズでガッポリ儲けたいレンズメーカーには必ずしも歓迎できない方向性かもしれませんが、M4/3などのレンズ交換式コンパクトカメラで、安価でコンパクトなレンズの「味」を楽しむ時代、「収差自動補正も可」(逆にわざと収差を強調するパターンも…)が当たり前になる時代が来たら良いなと…。
もちろん、超高性能高価格レンズの需要も無くなる事はないと思いますが。ボディへの要求が画素数スペック一辺倒ではない様に、レンズへの要求にも潜在的に多様性があり、それに応えられれば、デジカメ市場全体の規模も広がってゆくのかなと。…ゆけばいいなと(汗)。
管理人
コメントありがとうございます。
>123さん
昔の銘レンズの大部分は、数値的にはほとんどが不満のある性能になってしまいますよね。カリカリを求めないで味があればOKということなら、設計の古いレンズでも使えるレンズも多いのではないでしょうかね。
あと、レンズの個体差はかなりありますよね。同じレンズでもタマを換えると全然結果が違ったりすることもありますし・・・
>ウォルサムさん
EF24mm F2.8は今でもそれなりに使えるレンズですよね。色乗りはあっさり目ですが。でも、28mm F2.8のほうはデジ一ではちょっと厳しい描写です。レンズが陳腐化するのは仕方がないことですが、デジタルの時代になって特に顕著になりましたね。
>kさん
評価の高かったレンズでもデジカメで使うには、解像力などの性能が不足しているというケースは結構多いですよね。ただ、設計が古いレンズでも、カリカリを求めなければ結構使えると思いますが。
>actiさん
リニューアルはそのうちすると思いますが、価格はアップしそうな気がします。収差の自動補正は、それはそれで別にかまわないと思います。歪曲などを補正しない分、レンズをコンパクトにできるなどの利点もあるので。
レンズはデジタルの時代になって、解像力がより重視されるようになりましたが、特に高級レンズではボケなどの味も追求して欲しいですね。
radish
いわゆるクセ玉なんでしょうね。
開放側(2.2未満)は画像が甘いし、色収差は出るし、後ろボケはうるさいし。
でもこのレンズ好きです。普段は900に付けっぱ。
広角マクロ、街歩きスナップ、狭い室内撮影、広がりのある遠景など、多用途に
使えるし、気合い入れて条件がうまく当てはまったときの写りは、さすがGレンズ
と言いたくなるくらい美しい。
まあ、他に付けっぱなしにできるようなレンズがない、というのもありますが。
問題はやはり価格。
85Planar、135Zonnerと同じ価格帯ですが、これらのレンズのできのよさ
(万人受けという意味も含め)を考えれば半分位の値段でもいいんじゃ、とは
思いますね。
flipper@管理人
radishさん
コメントありがとうございます。
このレンズは、カリカリを求める人には向かないと思いますが、レンズの味を楽しむにはいいレンズかもしれませんね。最近のデジタル専用レンズは解像力重視なので、銀塩時代のレンズのような"味"がないレンズが多いですし・・・
たしかに価格は同価格帯のツァイスレンズやコシナツァイス35mm F2(7万円前後)などと比べると、少々高いかもしれませんね(^^;
小瑠璃
このレンズのイメージが一変した原因がこのレポートだったのだと思います。
とてもショックでした。理由は個体差、周辺減光を厳しくみるなど、なるほどと思いますが。
AiNikkor35F1.4Sも柔らかい描写で、味がある描写と褒める方が多いですが、
同じ傾向のレンズなのでしょうか。
以前といってもハレー彗星の前後まで戻りますけれど、天体写真&自然派だったので、
周辺まで点像に写るか、明るいレンズか、収差が少ないかが評価基準だったものが、
最近、FALimitedやDCNikkorなどに手を出し、SOFTレンズや優しい描写のレンズに
価値を強く感じるようになって、このレンズが好ましいものに思えていたのです。
お金ができたら、STFやSOFTを買っていつかはボケ描写の綺麗なα遣いになりたいと思っていますので、αのレンズやフルサイズには期待しています。
レフなし一眼もSONYの本領を発揮するといいですね。(ミノルタの良さが最近わかりました)
flipper@管理人
小瑠璃さん
コメントありがとうございます。
過去の銘レンズがテストで落第点を取るのは、確かにショックですよね。ただ、広角系の古いレンズは、解像力等のチャートテストでは、大部分が低い評価になってしまうので、このレンズのテスト結果も致し方ない所かもしれませんね。
ただ、レンズのどこに価値を見出すかは人それぞれなので、テスト結果が悪くてもそのレンズの味が好きな人には全く問題がないのではないかと思います。レンズに味を求める方にはミノルタのレンズはいい選択かもしれませんね。
北の旅人
このレンズの良さはスペックではわからないと思います。
購入してみて感じたのですが、写真をコピーと捉える人には向きません。表現・空気感では今のところ別格です。
Aマウント所有者にとってはシグマと対極にあるレンズですが、両方選べるのがAマウントの良さと感じています。