キヤノンEF35mm F1.4Lは中央の解像力はズバ抜けているが周辺部は甘い

PhotozoneにキヤノンEF35mm F1.4L のフルサイズ機(5D Mark II)によるレビューが掲載されています。

Canon EF 35mm f/1.4 USM L - Full Format Lab Test Report / Review

  • 鏡筒は、金属とハイクオリティなプラスチップで美しく丹念に作られている。ピントリングはとても幅が広くスムーズで、少ししっとりとした感触。リアフォーカスのためレンズの全長は変わらず、前玉も回転しない。AFはリングUSMのおかげで非常に速く、ほとんど無音
  • 歪曲は1.5%の穏やかなタル型で、(超広角ではない)広角単焦点レンズとしては標準的
  • 周辺光量落ちは、F1.4で2.4EVで、EF24mm F1.4L II ほどではないが感心しない値だ。F2ではまだ周辺光量落ちは大きく(1.24EV)、周辺光量落ちが問題となる用途ではF2.8まで絞ったほうがいい
  • 解像力は中央部はF1.4から既に素晴らしい値で、F2.8ではズバ抜けた値(outstanding)になる。しかし、周辺部と四隅はF1.4では甘く、F2に絞ると少し改善するが、選択の余地があるならF2.8まで絞るべき。F2.8では周辺部はとても良い(very good)、四隅はよい(good)のレベルに回復する
  • 倍率色収差は1ピクセル前後で、このタイプのレンズのフルサイズでの値としては極めて良好
  • ボケ味は開放では後ボケは概ねスムーズだが、前ボケは少々うるさく、ハイライトも開放では少々うるさい。F2~F2.8に絞るとボケ味は改善する。このような性質は非球面レンズを使った広角レンズではそれほど驚くようなことではない。APS-Cではボケ味が悪い周辺部が隠されるので、ボケ味はよくなる
  • 中央部の解像力は開放から素晴らしくF2.8ではレコードを破った。周辺部と四隅は甘いが、F5.6では画面全域で極めて良好な画質になる。欠点のないレンズではないが、実写では素晴らしい結果を残すことができるだろう

 

光学性能は5点満点で3点と高価な単焦点レンズとしては、若干物足りない評価になっています。開放付近で周辺部の解像力がかなり低くなっているのが問題視されていますが、絞れば十分な解像力になるので、遠景などの撮影でも特に問題はなさそうです。

あと、このレンズは、後継機(II型?)の登場がかなり前から噂されているので、今は少し購入しにくいかもしれませんね。個人的には、L単だけでなく携帯性のよいEF35mm F2のほうのリニューアルもお願いしたいところなんですが・・・