ソニー 35mm F1.4Gは価格を考えると推薦できないレンズ

SLR Gearに、ソニー35mm F1.4Gのレビューが掲載されています。

Sony 35mm f/1.4 G SAL-35F14G (Tested)

  • 我々は二つのレンズをテストした。最初のレンズは、レンズの価格を考えると開放で非常に甘く許容範囲外だったが、二番目のレンズをテストしても同一の結果だったので、これがこのレンズの本来の性能だと納得した
  • 開放ではAPS-Cでも非常に甘く、画面の大部分で4-5 blur unit(※像の不鮮明さを表す数値で小さいほど優秀。1だとカリカリにシャープ、2だと若干甘い)、四隅では6 blur unitに達する。フルサイズでは、周辺部は更に甘くなり、画面上側で6-7blur unit、画面下側では11-12 blur unitに達する
  • APS-CではF2まで絞ると、中央部は改善するが四隅はわずかしか改善しない。F2.8では更によくなるが、F4まで絞らないと1300ドルの価値がある画質(中央は1.5 blur unit、周辺は2-2.5 blur unit)にはならない。F5.6では周辺部は2blur unitを下回るが中央はこれ以上改善しない
  • フルサイズでも絞ると同じように改善するが、周辺部の性能はさらに衝撃的だ。F2では中央は同じように改善する(~2blur unit)が、周辺部は上側は~7blur unit、下側は8-9blur unit前後。F2.8では中央は1.5blur unit、周辺部は3blur unitまで改善する。しかし、F8まで絞らないと最高の性能に到達しない
  • 倍率色収差は、あまりよくはなく、残念ながら多くの人が使いたがる開放で最も大きくなる。F4まで絞ると改善し、最新のレンズと比較できる性能になる
  • 周辺光量落ちはAPS-Cでは問題ないが、フルサイズでは開放で1.25EVで顕著。F4まで絞れば解消する。歪曲はAPS-Cで0.25%、フルサイズで0.4%の軽いタル型。AFはボディ駆動だが、かなり速い
  • シグマの30mm F1.4と比較すると、シグマは開放付近のシャープネスで大きく優っていて、色収差も良好。そして価格は大幅に安い。ソニーのT* 24-70mm F2.8と比較すると、24-70mm F2.8のほうが35mm F1.4GをF2.8まで絞ったときよりも明らかにシャープ
  • このレンズに興味を持っている多くの人は、開放での性能が気になっていると思うが、この点において我々は、1300ドルのレンズとしては、このレンズを推薦するのは困難だ。解像力は極めて低く、色収差は非常に大きい。フルサイズでは周辺光量落ちも極めて大きい。残念なことにこのクラスの代替レンズもないので、どうしても欲しい人以外はリニューアルを待ったほうがいいだろう。このレンズは少々古くなっているようだ

 

このレンズは以前LensTipのレビューでもかなり辛口の評価になっていましたが、ここでも同様に厳しい評価になっています。銀塩時代は評価の高いレンズでしたが、さすがに設計が古くなっているのは否めないようです。ただ、レンズの魅力は解像力だけではないので、"味"を求めるユーザーには、まだまだ魅力のあるレンズかもしれませんね。