・Tamron 18-270mm f/3.5-6.3 Di II VC PZD AF (Tested)
- このレンズの性能は、ワイド側(18-70mm)とテレ側(100-270mm)で2つに分けることができる。解像力はワイド側が良好で、35mmと70mmでF8まで絞ったときがベスト。18mmでは中央の解像力は極めて良好で、F5.6まで絞ると、カリカリにシャープではないが、それに近い画質になる。F8に絞っても顕著な改善は見られない。50mmでは35mmと70mmに比べると若干性能が落ち込む。
- 望遠側(100mm-270mm)では、解像力はそれほどよくはない。100mm開放では中央は良好な解像力だが周辺部は左下隅と右下隅はかなり甘く、サンプルに偏芯があることを示唆している。F8とF11では周辺部の甘さは払拭されるが、中央はそれほど向上しない。200mmでは左下隅と右下隅がかなり甘く、F11やF16に絞ってもまだ解消しないが、270mmでは若干よくなる。
- 色収差は極めてよく補整されており、特にズーム中間域では良好。18mmと200mm以上でのみ四隅で色収差が大きくなる。
- 周辺光量落ちは、35-70mmでは問題ないが、18mmと100mm以上では多少問題がある。18mmでは(絞っても)常に少なくとも1/4EVの周辺光量落ちがあり、開放では1/2EV落ちる。100mm以上では開放で1/3EVの周辺光量落ちがある。
- 歪曲は18-24mmまでは形の整ったタル型で、周辺部では極めて大きい。24mm以上でも画面平均では一貫してタル型だが、四隅は糸巻き型になり、歪曲は比較的低いレベル(平均0.25%)になる。四隅の歪曲が最大になるのは35-70mmで、0.8%の糸巻き型になる。
- PDZ(ピエゾドライブ)によるAFは従来のモーターよりも大幅にノイズが少なく、かなり速くなっているが、AF速度でレコード記録をだすことはないだろう。AF後のフルタイムマニュアルフォーカスはできない。
- 新型では110gも軽量化されているが、レンズマウントは金属製であり、鏡筒にガタつきはない。ズームリングは旧型よりも容易に回転する。ズームの自重落下は問題ないが、ロックスイッチも付いている。フォーカスリングは回転角がおよそ45度で、素晴らしくはないが、旧型の30度よりは改善されている。フォーカスリングは非常に軽く、正確なピント合わせには注意が必要だ。前玉は回転しないのでフィルターの使用は容易。
- 旧型の18-270mm VCと比較すると、新型はAFがより速くより静か。解像力はよい部分と悪い部分がある。歪曲と周辺光量落ちは同等で、色収差は新型が若干改善している。新型は旧型ほど明るくはなく、(望遠側にズームすると)より早くF値が大きくなるが、このことによってレンズを小型軽量化している。
- キヤノンのEF-S18-200mm ISと比較すると、キヤノンのほうがシャープだが、色収差と周辺光量落ち、歪曲は同じかキヤノンが若干劣る。
- ニコンの18-200mm VR II と比較すると、ニコンはこのクラスでベストの解像力で、ごく四隅を除けば色収差も素晴らしい。とはいえ、タムロンは歪曲と周辺光量落ちが若干良好だ。
- シグマの18-250mm OSと比較すると、シグマは解像力に関しては、特に開放で使う場合は、いくつかの欠点があり、色収差もかなり目立つ。反対に、歪曲と色収差はシグマが最も優れている。
- タムロンの18-270mm PZDは大部分の点で旧型よりも進歩しており、特にAF性能が改善されている。しかし、光学性能の改善に関してはそれほど大きくはない。旧型のAF性能に不満を持っているなら、このレンズは価値のあるアップグレードだ。しかし、最高の性能を望むなら他の選択肢も無視できない。
AF性能に関しては高い評価ですが、光学性能は旧型よりも多少改善されているといった感じで、そこそこの評価となっています。ePHOTOzineのレビューでは、望遠側がもう少し優秀な結果でしたが、サンプルのレンズは偏芯があるようなので、実力を100%発揮し切れていないのかもしれませんね。とはいえ、小型軽量の15倍の高倍率ズームとしては十分以上の性能だと思います。
kingcoara
AF改善+若干の写りupですか~
フルサイズ対応のA20や伝統の272E、A09等々、PZD化すればユーザーとしては更に魅力的になるだけに、ラインナップの更新をしていって欲しいところですね。
INA
90mmはついでにVCも……