ペンタックスDA18-135mm F3.5-5.6 WRは凡庸な性能

Photozoneに、ペンタックスDA18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] WRのレビューが掲載されています。

Pentax SMC-DA 18-135mm f/3.5-5.6 ED AL [IF] WR - Review / Lens Test

  • 最初に使用したときに、このレンズのハイクオリティな造りに驚いた。鏡筒は金属(大部分)とプラスチック製で、とてもしっかりと組み立てられている。幅広いズームリングはスムーズに動く。フォーカスリングは比較的細いが、正確なピント合わせが可能だ。ピント合わせはインナーフォカスで、前玉は回転しない。
  • DCモーターによるAFは、ノイズが低く、まずまずの速さ。我々がテストしたサンプルでは、AF精度はとても良好だ。クイックシフトフォーカスは、サポートされている。
  • 歪曲は18mmでは極めて大きなタル型(-3.49%)で、望遠型では穏やかな糸巻き型(135mmで0.845%)になる。歪曲はこのクラスのレンズとしては極めて典型的なもの。
  • 周辺光量落ちは18mm開放で1.5EVと非常に大きく、多くの場面で目に付くだろう。許容範囲内のレベルにするにはF5.6に絞ることが望ましい。望遠側では周辺光量落ちは目立たないが、周辺光量落ちが目立つ場面では、1段絞るのが道理にかなっている。
  • 18mmでの中央の解像力は(開放から)素晴らしい値(excellent)だが、周辺部は良い(good)の値で、四隅は甘く、像面湾曲が非常に大きいことも足を引っ張っている。F5.6まで絞ると周辺部と四隅は向上し、周辺部はとても良い(very good)、四隅も良い(good)の領域に十分に達する。しかし像面湾曲の点では、周辺部で間違いなくピントを合わせるにはF11まで絞るべき。
  • 24mmはこのレンズのスイートスポットで、中央の解像力は極めて高く、周辺部と四隅も開放から18mmよりもずっと良好で、中間絞りでとても良い(very good)~素晴らしい(excellent)の値になる。像面湾曲もかなり良好になる。50mmからは性能が落ち始め、中央は素晴らしい値(excellent)を維持しているものの、周辺部と四隅は開放では良い(good)/中程度(fair)の値でしかない。絞ればここでも非常に良い(very good)のクオリティになる。
  • 残念なことにここまで(50mmまで)でこのレンズの輝かしい部分は終わりで、85mmでは中央はそのままだが、周辺部と四隅は劇的に解像力が低下する。F5.6ではまぎれもなく芳しくない値(poor)で、中程度まで絞ってもそれほどよくならない。135mmでは、周辺部と四隅の画質はF11に絞ってでさえ、言及に値するものではなく、これには極めて当惑している。
  • 倍率色収差は18mmと135mmで平均1.5ピクセルで、これは目に付くが、このようなレンズでは予想通りの結果。中間域では、1ピクセル前後で良好に補整されている。このタイプのレンズとしては倍率色収差はOKだ。
  • 高い価格設定から広いズーム域で良好な性能を期待していたが、残念ながら凡庸な性能だ。他社はもっと高倍率のズームでも、かなりよいレンズを作っている。このレンズは中央は優秀だが、周辺部はワイド端では像面湾曲が大きく、そして望遠側でははっきりと甘い。ポートレートなら問題はないが、建築や風景には向いてない。より安価なタムロン設計のDA18-250mmは、実際のところとても実用的なので、これには驚きだ。歪曲や周辺光量落ち、色収差はこのクラスの平均で、ハイクオリティな鏡筒の造りはプラスの面だ。DCモーターは非常に速く、比較的静か。最も大きな問題は、光学性能と価格が釣り合っていないことで、ずっと良好な性能のDA17-70mm F4を考えたほうがいい。
  • このような粗末な性能は信じられなかったので、ドイツハンブルグのペンタックスに問い合わせたところ、結果はこのレンズは仕様の範囲内ということだった。

 

光学性能は5点満点で1.5点と、かなり低い評価になっています。 Photozoneがここまで辛口なレビューをするのは珍しいですね。 サンプルのレンズはペンタックスでもチェックを受けているようなので、調整不足等が原因ではなく、これがこのレンズの実力ということなんでしょうか。

個人的にはこのレンズが発売されたときに、あちこちに掲載されていたサンプルを見た回った際には、それほど悪い印象は受けなかったのですが・・・。

[追記] Photozoneでは、現在、ペンタックスにテストに使用したレンズが妥当なものかどうか再度問い合わせを行っているということで、いったん、レンズの評価が削除されています。