オリンパスE-P3のAF速度は一眼レフ並みだがたまに合焦していないことがある

DigitalCameraReviewに、オリンパスE-P3の詳細なレビューが掲載されています。

Olympus E-P3 Review

  • ボタンとダイヤルは小さいが、誤って操作しない程度のスペースは概ね確保されている。オリンパスは標準のグリップの他に、オプションで若干大きなグリップを用意しているが、このグリップを付けたE-P3で少しばかり撮影したところ、私の手には快適ではなかった。
  • メニューシステムはよくも悪くもこれまでのPENシリーズと基本的に同じもの。手ブレ補整やAF、フラッシュの補整、動画などの設定がメニューの深い階層に隠されているため、新規のオリンパスユーザーは、設定を変更する際にマニュアルを開かなければならないだろう。
  •  3インチ有機ELモニタは、とても素晴らしいタッチスクリーンモニタだが、実際の画像と比べて彩度が高すぎる。輝度は381nitで、E-P2の575nitよりも著しく暗いため、明るい太陽光の下では若干見にくく、EVFの使用を余儀なくされる。
  • シャッターラグ(ピントが合っている状態でシャッターを押してから撮影されるまでの時間)は0.01秒で、大きな問題は何も無い(G3は0.01秒、NEX-5は0.05秒、NX10は0.05秒)。
  • AF速度(ピントを合わせてから撮影するまでの時間)は0.22秒で、このクラスで最高速のカメラや一眼レフのエントリーモデルと同程度(G3は0.23秒、NEX-5は0.39秒、NX10は0.50秒)。新しいFAST AFシステムはE-PL2よりも確かに速く、信頼できる。しかし、シングルAFで全く合焦していないのに、合焦音が鳴る(合焦したことになる)という問題にも遭遇した。この問題(たぶんファームの問題)は、実写テストでもスタジオテストでも数えきれないほど(マクロ域で10%、距離のある被写体で1-3%ほど)発生した。ピントを外すのは、どのカメラでもしばしばあることだが、完全にピントを外しているのに合焦サインが出るのは、これよりもずっと悪いことだ。
  • 連写は3.3コマ/秒でコンパクトカメラよりはずっと良いが、同価格帯の一眼レフを下回る。連写可能な枚数はJPEGではSDカードの速度次第で、RAWでは17枚だ。
  • テストでは新しい14-42mm II R と17mm F2.8、パナソニックの20mm F1.7を使用し、いずれも期待通りに機能したが、14-42mm II R 使用時のAF速度は顕著に速く、AF音も全くしない。新キットレンズで不満なのは、レンズマウントがプラスチックであることと、フード着脱用のバヨネットマウントが装備されていないことだ。
  • 動画は1080iのAVCHD(またはAVI)で、最大29分まで撮影することができる。動画はスムーズでシャキッとしており、ディテールが豊富で、良好なクオリティだ。
  • スチルの画質では、TruePic VIに採用された新技術(リアルカラーテクノロジーとアドヴァンストSAT)のおかげで、色再現はより現実に近くなり、シャドーノイズも大きく減っている。
  • オートホワイトバランスは概ね良好で、白熱灯や蛍光灯よりも太陽光やフラッシュのほうがより正確。マニュアルのホワイトバランスでは、プリセットよりもユーザーセットモードのほうがより正確だ。
  • 高感度はISO800までは非常にクリーン。ISO1600ではいくらか暗部にノイズが現れるが、まだ良好な画質を維持している。ISO3200でもまだディテールは残っているが、色再現が悪くなり、不鮮明になり始める。ISO6400と12800はディテールや色制限性は失われているので非常用だ。
  • E-P3はきちんとした造りの素晴らしい画質のカメラで、申し分ないマイクロフォーサーズ機だ。欠点もあり、時々合焦していないのに合焦サインがでるのは問題だ。しかし、これはテストした個体だけの現象かもしれない。それから、問題なのはE-P3の価格で、現在ではより優れたスペックのカメラがもっと安い価格で販売されている。
  • 良い点 一眼レフの同じくらい速い高速なAF、コンパクトでスタイリッシュそして頑丈、使いやすい、アートフィルターが想像力を高める。
  • 悪い点 時折AFがフォーカスがロックしていないのに合焦音が鳴る、アートフィルターでの表示の遅れがまだある、上級者向けの機能のメニュー操作が難しい。

 

E-P3のAF速度やシャッターラグは非常に優秀で、AF速度はテストした4機種(G3、E-P3、NEX-5、NX10)のうちでトップ、シャッターラグもG3と並んでトップの成績となっています。"FAST AF"の看板に偽りなしと言ったところでしょうか。

ただ、レビューで何度も指摘されている、ピントが合っていないにもかかわらず合焦したと見なされるという挙動については少々気になるところです。テストした特定のカメラだけの問題ならいいですが、もしファームウェア等の問題だとしたら、発売までに改善して欲しいですね。