Samyang 35mm F1.4は高価な純正レンズに匹敵する光学性能

Photozoneに、Samyang(サムヤン)35mm F1.4 AS UMCのフルサイズ機(D3X)によるレビューが掲載されています。

Samyang 35mm f/1.4 AS UMC (Nikon FX) - Review / Test Report

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、マウントは金属製。ゴム引きのフォーカスリングは、申し分のない重さがある。レンズには、小型軽量化に貢献する2枚の高屈折ガラスが採用されているが、キヤノンやニコンの35mm F1.4より若干重く大きくなっている。ピント合わせで前玉は回転せず、全長は一定。
  • 歪曲は中程度のタル型(1.6%)で、実写では大きな問題はない
  • 周辺光量落ちは、絞り開放では1.7EV、F2でも1.1EVで非常に目立つ。F2.8まで絞るとかなり改善し(0.57EV)、F4以上では実写では全く問題がなくなる。周辺光量落ちは、このレンズの欠点のように見えるかもしれないが、実際はニコンのAF-S35mm F1.4Gよりもわずかばかり良好だ。
  • 中央の解像力は開放からとても良く(very good)、周辺部や四隅も中央にそれほど劣らないが、コントラストは若干低い。F2では解像力はわずかしか上がらないが、F2.8以上では解像力は実に素晴らしい値になる。中央はF4~F8ではずば抜けた解像力(outstanding)で、周辺部と四隅もとても良い(very good)~素晴らしい(excellent)値。このレンズのMTFテストの結果は非常にハイクオリティだ。
  • 倍率色収差は、周辺部で平均0.8ピクセル前後で、極めて低い値。軸上色収差は、F1.4~F2でハロが見えるが、F2.8では問題は少なくなり、F4では解消する。フォーカスシフトは極めて少ない。
  • ハイライトのボケは内側が若干うるさい。ボケの形はF2.8までは円形を保っているが周辺部では口径食の影響で猫の目状になる。前ボケは概ねスムーズだが、後ボケはかなりうるさい。ボケ味に関しては、すべて良好というわけではない。
  • Samyangは、ハイクオリティな製品の発表で我々を驚かせ続けている。このレンズは、開放からハイクオリティで、中程度まで絞ると素晴らしい解像力になる。驚きかもしれないが、これはニコンのAF-S 35mm F1.4Gに匹敵する。ボケは若干うるさい方だが、これはニコンのレンズにもある問題。鏡筒の造りは総金属製ではないがハイレベルで、重さのあるフォーカスリングは使っていて楽しい。AFが無いのが制限要因だが、純正よりも大幅に安いので、価格重視で高画質・大口径のレンズを求めるのユーザーにはSamyangは疑う余地のない選択。

 

LensTipのツァイス35mm F1.4のレビューの中で高く評価されていたSamyang 35mm F1.4ですが、Photozoneのレビューでもニコン純正に匹敵する高い評価となっています。また、光学性能だけでなく鏡筒の造りも高い評価(4.5点)になっているので、500ドル前後という価格を考えると大変コストパフォーマンスの高いレンズと言ってよさそうです。