ソニーα77はα700の立派な後継者だが完璧なカメラではない

dpreviewに、ソニーα77の詳細なレビューが掲載されています。

Sony SLT-A77 In-depth Review

  • 連写ではEVFは表示され続けるが、遅れがある。ゆっくり動く被写体や静物の撮影なら問題はほとんどないが、高速な被写体を追うのはかなり困難だ。バッファがクリアされるまでの時間は、α55よりも遥かに改善されており、バッファフルからUHS-Iカードで8秒、クラス10のカードで17秒で書き込むことができた。連写性能全体ではα77は1D Mark IVやD3Sのような報道用カメラと張り合うことはできず、7DやD7000のような競合機に近い。7DやD7000と比較すると、α77は連写速度が速い分だけ連写時間が短くはなってはいるが、良好な性能だ。
  • AFは多くの状況で正確で信頼できる。AFの追尾性能はα55と極めて近い感じで、多くのシチュエーションで申し分なく使えるものだが、7DやD7000には追いついていない
  • JPEGの高感度ノイズは(青空のような)単色の部分ではISO800以上で顕著になる。ISO3200まではノイズリダクションが比較的スムーズな画質を保っているが、ISO1600以上では明らかなディテールの喪失が見られる。ディテールの再現の点では、デフォルト設定ではISO800からISO1600で急激な変化が見られる。しかし、これが実際に目立つのはピクセル等倍で仔細に見たときのみだ。
  • RAWではα77の24MPセンサーは、ライバル(7D、D7000、K-5)と比べてノイズレベルは著しく高く、とりわけ最高感度域ではノイズが多い。ISO1600以上ではライバルとの違いは明らかで、感度を上げると違いは更に大きくなる。実写では後処理でノイズを消せば、このテストから予想されるよりもずっとよい画質を得られるが、とは言うものの、暗い場所で高感度で撮影した場合はISO6400以上では救済するのが困難だ。
  • 24MPセンサーは低感度では十分に良好でしばしば驚くような画質を見せる。しかし、ソフトなJPEGの描写には不満があり、超高感度域での強烈なノイズにはとてもがっかりした。画質に関しては、α77はJPEGとRAWで全く性格が異なる。
  • α55で議論を巻き起こしたトランスルーセントミラーのゴースト問題については、α77では数千枚撮影したが全く見られなかった。ソニーは詳細を明らかにしていないが、広報がミラーが改善されていると話してくれた。
  • ダイナミックレンジはデフォルトの設定でK-5よりもハイライトで1.3EV前後、7Dよりも0.7EV前後大きい。D7000と比べると同じくらいだが、ハイライトの飛び方はα77の方がずっと穏やか。ISO50では、大まかに言ってハイライトのダイナミックレンジが0.7EV狭くなる。
  • 解像力テストでは、3400lp/ph付近に至るまできちんと解像しており、高画素から期待する通りAPS-Cの中では最もよい。RAWの方がJPEGより若干ディテールが豊富だが、モアレも目立つ。
  • 収差補正では、色収差補正はDT16-50mmのグリーンと紫の色ズレを上手く除去している。また、歪曲補正も良好に機能している。周辺光量落ちの補正では、補正OFFで開放で-1.2EVだったものが、補正によって-0.6EVに改善されており、完全に補正されてはいないが、見て分かる差異がある。
  • これまでの多くのαと異なり、α77の操作系(ボタン・ダイヤル)は適切に配置されており、すぐに手になじむ。唯一、フラストレーションがたまるのは、メニュー操作のタイムラグだ。
  • α77はα700の立派な後継者だが、完璧ではない。あなたがアップグレードを希望しているαユーザーなら、α77を推薦しない理由は何もない。我々はあなたの経験や知識のレベルにかかわらず、α77の頑丈なボディやよく考えられた操作性、フルタイムライブビュー、AFシステム、並外れて良好なEVFが、あなたをとてもハッピーにすることを確信している。しかし、JPEGの画質や、高いノイズレベル、タイムラグのある操作性のため金賞を与えるのは見送った。

 

いくつか欠点を指摘されていますが、総合評価は81%で銀賞となかなか高い評価になっています。24MPセンサーはRAWでの比較を見る限りでは、低画素のライバル機と比べるとやはり高感度ノイズは多いようですね。ただ、ダイナミックレンジは高画素にもかかわらず、かなりがんばっているという印象です。

あと、JPEGの画質とメニュー操作のタイムラグは、ファームアップで対処できそうな部分なので、今後の改善に期待したいところですね。