1 NIKKOR 10mm F2.8はキットズームよりも若干優れた性能

Photozoneに、1 NIKKOR 10mm F2.8(Nikon1用のパンケーキレンズ)のレビューが掲載されています。

1 Nikkor 10mm f/2.8 - Review / Test Report

  • 鏡筒の大部分は金属製で、造りは素晴らしいクオリティだ。鏡筒には、フォーカスリングを含め操作可能なものは一切ない。フォーカスリングのように見えるギザギザのものは、実際には固定されており飾りだが、レンズ着脱の際にレンズをしっかり掴むことができる。
  • フードはオプションで用意されるが、フードを付けると付属のレンズキャップが付かなくなる。これに対処するために専用のスクリューマウントキャップ(着脱に時間がかかり不便だ)がオプションで用意されている。
  • AF速度は10-30mm同様で極めて速い。AFの作動音はフォトモードでは聞こえるが、フィルムモードに切り替えるとAF速度は遅くなるが、作動音は顕著に抑えられる。無段階に動作する絞りは動画に最適だが、VRが無いこととAFのノイズレベルを考えると、動画用として第一の選択肢にはならない。
  • 歪曲は1.8%前後のタル型で、画面周辺部にある直線的な被写体では目立つ。しかし、歪曲の形は整っているので後処理で補正するのは容易だ。
  • 周辺光量落ちは開放では顕著(1.32EV)で、絞れば改善するが、いくら絞っても0.5EV以下にはならない。周辺光量落ちは、歪曲と異なりJPEGでは自動補正される(JPEGでは開放で0.55EV)。
  • 解像力は中央は絞り開放からF8までは素晴らしい値(excellent)だが、それより絞ると回折の影響で解像力は大幅に低下する。周辺部と四隅は開放では明らかに甘いが、F4またはF5.6まで絞ると、とても良好(very good)な解像力になる。F8以上では、回折の影響で解像力が損なわれる。
  • 倍率色収差は1.4から1.8ピクセルだが、倍率色収差はJPEGではカメラ内で自動的に補正される。
  • 10mm F2.8は、中央は素晴らしい解像力で、周辺部と四隅も若干絞れば良好な性能だ。歪曲や周辺光量落ちは明るい広角としては予想通りの値だが、色収差は少し多め。フードが付属していないのは、若干残念な点だが、フードなしでも逆光には極めて強い。キットズーム(10-30mm)と比べると、このレンズは若干優れた性能で、大幅に小さく、しっかりとした造りだ。しかし、手ぶれ補正は搭載されていない。

 

光学性能の評価は5点満点で3点~3.5点で、小型軽量のパンケーキレンズとしては良好な評価となっています。開放付近では周辺部が少し甘いようですが、絞れば周辺部まで高解像力になるので、問題はなさそうです。あと、倍率色収差はかなり大き目ですが、これは自動補正を前提にしているためかもしれませんね。