キヤノンが中心と周辺部で屈折率が異なる硝材を使った300mm F4の特許を出願中

エンジニアの嗜みで、新硝材(ラジアル型屈折率分布素子)を使用した300mm F4を含む合計3本のレンズの特許が紹介されています。

・Canon 300mm F4 にラジアル型屈折率分布素子を用いて高性能化する特許(※引用元サイトは閉鎖されています)

  • キヤノンが300mm F4、50mm F1.2、24mm F2.8の特許を出願中。ラジアル型屈折率分布素子と呼ばれる硝材を用いて、色収差の補正を効果的に行ったフルサイズ対応の単焦点レンズになる。
  • ラジアル型屈折率分布素子とは: 光軸と垂直な方向に屈折率が変化する。光線はレンズの境界面とレンズ内の両方で屈折する(色収差が発生する)。屈折率分布が適切であれば色収差を補正可能。球面や非球面ではなく、平面(平板ガラス)でも良い(加工が楽)。
  • 特許技術は、中心と周辺で屈折率が異なる硝材を用いて、更に光学設計の計算を最適化することで色消しを行うというもの。
  • 300mm F4: (最前面の硝子は)保護ガラスのようだが、実はこれがラジアル型屈折率分布素子。300mm F4の性能は別次元。
  • 50mm F1.2: 非点収差の開きがちょっと気になる。二線ボケの原因にならないと良いのだが。
  • 24mm F2.8: 像面湾曲が目立つかもしれない。 特許の例だとAFが遅いと思うので、もう一工夫といったところ。

 

中心と周辺で屈折率が異なる硝材を使って色消しを行うなどということができるんですね。元記事のレンズ構成図を見る限りでは、300mmの最前面にあるラジアル型屈折率分布素子は、保護ガラスにしか見えませんね。この新硝材を使った300mmの性能はかなり優秀なようなので、製品化に期待したいところです。