ニコンAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G VRはFX入門者に魅力的なレンズ

CAMERA LABSに、ニコンのAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G VRのレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor AF-S 24-85mm f/3.5-4.5G VR review

  • 解像力テストでは、テスト機にD800を使用しRAWで撮影して、Lightroom4で現像している。チャートは、中央とDXの四隅、FXの四隅を100%(ピクセル等倍)で表示している。
  • チャートでは、新型の24-85mm f/3.5-4.5Gが旧型の24-85mm f/2.8-4.0Dよりも全ての領域で良好だ。
  • 24mmでは中央はとても良好な解像力だ。DXの周辺部も開放から良好な解像力だが、明確な歪曲が見られる。FXの周辺部では明らかな解像力とコントラストの低下が見られ、タル型の歪曲が更に目立つ。F5.6に絞るとコントラストはいくらか改善するが、解像力はDX周辺部のレベルまでは改善しない。それでもなお、全体的にはまずまずの結果だ。
  • 35mmでは中央はとても良好な解像力だ。DXの周辺部も良好だが、F8まで絞ってもカリっとシャープにはならない。FXの周辺部は歪曲が大幅に改善しているが、解像力は非点収差と球面収差の影響でF11に至るまで厳しい。
  • 50mmでは中央は開放からカリっとシャープで、DXの周辺部も同じように良好だ。しかし、FXの周辺部では、F11に至るまで、かなりの量のハロ(暗部への色にじみ)が見られる。FXの周辺部では糸巻き型の歪曲がかなり顕著で、これはDXの周辺部でも見られる。
  • 70mmでは中央は引き続き素晴らしい解像力だが、ベストの結果を得るには(DX機でさえも)F8まで絞ったほうがいい。85mmは開放は明らかに75mmよりも良好で、DXの周辺部もよりシャープだ。FXの周辺部は球面収差や非点収差が70mmよりも少ない。
  • 無限遠の実写テストでは、24mmでは開放から中央から周辺にかけてとても良好な画質だ。F5.6ではコントラストが増し、中央は非常にシャープになり、FXの周辺部もかなり鮮明になる。F8では回折の影響で解像力は低下する。
  • 35mmの実写テストでは、中央は開放では24mmよりも良好で、F5.6では中央の解像力とコントラストは向上するが、周辺部は基本的に変わらない。F8ではすでに性能のピークを過ぎている。
  • 50mmの実写テストでは、F5.6に絞ると若干向上するが周辺部は向上しない。85mmは唯一F8に絞ったときの改善が見られる焦点距離で、シャープネスの改善が見られるが、開放の性能も悪くはない。
  • 逆光でのテストでは、フレアやゴーストはわずかしか見られなかった。このレンズはナノクリスタルコートではないが、逆光耐性は極めて良好だ。
  • ボケ味は前ボケは良好に見えるが、後ボケは輪郭が目立ち、うるさい。
  • AFは20回以上の施行で一度も外すことなく、AF精度は素晴らしい。AF速度は無限遠から最短まで0.8秒前後、無限遠から0.85mで0.6秒前後でまずまずの速さ。AFの作動音は静か。
  • フォーカスリングはいくらか緩く遊びがあるので、開放で正確なピント合わせは骨が折れる。フォーカスリングは細く、動きはあまりスムーズではない。
  • VRの作動音はとても静かで、テストでは明確に2段分以上の効果が見られた。
  • このレンズは、手頃な価格で思いのほか良いレンズだ。性能はDXでは極めて良好だが、FXでは周辺部で良好な性能を得るにはF5.6かF8まで絞る必要がある。FXで撮影を始めたい人や、将来FXに移行したい人に魅力的なコンパクトなズームレンズだ。

 

解像力チャートではFXの周辺部が少し甘いように感じますが、無限遠の実写サンプルではチャートよりもずっと良好な画質という印象です。サイズや価格を考えると、全体的によくできたレンズと言ってもよさそうですね。

ただ、FXでは歪曲と周辺光量落ちがかなり気になるので、この辺りは使いこなしの工夫や後処理での補正が必要になるかもしれませんね。