パナソニックGH3に関する質疑応答が掲載

Imaging Resourceに、パナソニックの開発者のGH3に関する質疑応答が掲載されています。

Q&A with Panasonic: The story behind the new video-centric GH3 and other compact system camera tech advances

  • (GH3にはマルチアスペクトは採用されていないのか? その理由は?) 最も優先順位が高いのはスチルと動画の画質だ。GH1とGH2では若干大きなセンサーを開発したが、GH3ではとても多くの部分を改善したかったので、利用可能な大きなセンサーがなかった。
  • (GH3にフォーカスピーキングを入れることは可能か?) 現時点ではフォーカスピーキングは採用していないが、80-90%のユーザーがそれを求めている。もしかするとファームウェアのアップグレードで、フォーカスピーキングの追加もあるかもしれない。ピーキング機能は、ソフトウェアの改善次第だと理解している。これは最優先事項の1つだ。
  • (新型センサーのダイナミックレンジについて) ダイナミックレンジについてはスペックを公開していないが、飽和電子数が増し、S/N比も改善している。
  • (動画の時間制限がなくなっているが、熱問題は?) センサーの下にヒートシンクを付けてある。これは単に熱を逃す意味だけではなく、総合的な温度管理を行なっている。
  • (HDMI出力は、非圧縮なのか?) 非圧縮だ。オンスクリーンインジケーターを全て非表示にすることができるので、GH3を1080/60pのHDMI出力付きのビデオカメラのように使うことができる。
  • (XLRジャックは?) まだ用意されていない。しかし、将来はあるかもしれない。外部アダプターで、Wi-FiやBluetoothで音声を転送するということもあるかもしれない。
  • (NEX-VGやキヤノンC300のようなカムコーダーの計画は?) プロ用カムコーダー部門では何の決定もなされていない。 
  • (GH2の画質は5D2よりも良いと感じているか?) イエスだ。我々のエンジニアがそう言っているのではなく、多くのプロがGH2は小さいセンサーだが画質が良いと言っている。プロ用カムコーダーと比べてもm4/3はずっと良く、これは信号の処理だけでなく、多くの画素を使ってピクセルを融合しているためだ。
  • (動画でGH3ような大型センサーでは全体ではなく一部を読み出しているのか) 60pで全ての配列を読み出すのは不可能だ。これは何らかのピクセル融合をしなければならないことを意味している。我々はセンサー上で2x2を融合しており、データを1/4にしている。これで60pの読み出しを可能にしている。その後、再びピクセルを融合して200万画素の動画を得ている。
  • (像面位相差AFについて) コントラストAFはピント合わせで若干レンズが前後に動くが、位相差AFではこれを解消できる。問題は位相差AF用のピクセルが、若干暗いことだ。我々は画素のクオリティを考えなければならず、実際、画像処理エンジンが、どのピクセルが位相差AF用のピクセルなのかを見つけるのは非常に難しい。位相差AF用のピクセルは10000個以上になるので、多くの処理が必要だ。また、位相差AFではコントラストAFと異なり周辺部での測距に制約がある。

 

マルチアスペクトの非採用は、高性能かつマルチアスペクトにも対応している大きなセンサーがなかったということなので、やむを得ない仕様変更なのかもしれませんね。GH3のフォーカスピーキングに関しては、ソフトウェアだけで解決出来る問題で、前向きに検討しているようなので、ファームアップでの採用が期待できそうです。