シグマ19mm F2.8 EX DN(Eマウント用)は中央は並外れた画質だが周辺部は甘い

Photozoneに、シグマ19mm F2.8 EX DN(Eマウント版)のNEX-7によるレビューが掲載されています。

Sigma AF 19mm f/2.8 EX DN (Sony E mount) - Review / Test Report

  • 19mm F2.8はとてもコンパクトだが、E16mm F2.8の約2倍の長さがあり、パンケーキではない。鏡筒の造りはハイレベルで、フォーカスリングはスムーズに回転する。レンズの全長はフォーカシングにかかわらず一定だ。
  • 唯一気になるのは、30mm F2.8 EX DN同様、レンズを振るとカタカタという音がすることだが、実写で問題は全くなかった。
  • AFはミラーレスシステムのコントラストAFに最適化されたリニアAFモーターを採用しており、速度は速く、基本的にノイズレスだ。マニュアルフォーカスはモーター駆動で、まずまず良好だが、誰にでも気に入られるものではないかもしれない。
  • 歪曲は穏やかなタル型(1.8%)で、例えば建築写真では目に付くかもしれないが、大部分の用途では問題はない。
  • 周辺光量落ちは開放では0.9EVで比較的大きく、状況によっては目立つ。絞ると周辺光量落ちは少し緩和される(F4で0.72EV、F5.6とF8で0.62EV)が、完全には解消しない。
  • 解像力は中央は開放から並外れて高い値で、このレベルの解像力がF8まで維持される。一方で、周辺部と隅は開放では極めて甘く、絞ればもちろん改善するが、絞っても周辺部は良い(good)のレベルを超えない。このレンズの解像力は少し奇妙だ。像面の湾曲はごくわずかに見られた。テストした個体のセンタリングの精度(偏芯)は良好だった。
  • 倍率色収差は周辺部で平均1.7ピクセル前後で、状況によっては目立つ。
  • ボケ味は、ハイライトの描写が若干うるさくなるのを除けば、とてもきちんとしている。
  • シグマ19mm F2.8 EX DNは姉妹機の30mm F2.8 EX DNからいくつかの特徴を受け継いでいるが、同じレベルの性能には達していない。中央の画質は確かに断然素晴らしいものだが、周辺部の画質は開放では甘く、中程度まで絞り込んでも良いのレベルにしかならない。大きな倍率色収差も画質の足を引っ張っている。歪曲は穏やかで周辺光量落ちも少なめだ。造りは思いのほか良好で、AFは速く静かだ。
  • このレンズはライバルのソニーE16mm F2.8よりも優っているので、コンパクトな単焦点を使ってみたいのなら、このレンズを手に入れる理由になるかもしれない。価格/性能(コストパフォーマンス)の点ではこのレンズは平均並みだ。

 

このレビューはArtシリーズの新型ではなく旧型のレビューなのでご注意ください。このレンズは評判の良いレンズですが、ここでは光学性能の評価は5点満点中2点と、単焦点レンズとしてはやや厳しい評価となっています。

テストでは、解像力は中央は開放から際立って高い値ですが、周辺部と隅は意外なほど低い値で、絞ってもあまり改善しないのが気になるところです。とは言え、サンプルを見る限りでは、絞れば遠景でも周辺部まで十分使える画質という印象です。