・Canon EF 24-70mm f/4L IS USM (Tested)
- APS-C(7D)では、開放ではごくわずかに隅の甘いが、おおむね開放からとてもシャープだ。50mmは別で他の焦点距離よりも若干甘いが、F5.6まで絞ると基本的に問題は解消する。これ以上の絞り値ではF11まで、非常にシャープだ。F16とF22では回折の影響で甘くなる。
- フルサイズ機(1Ds Mark III)では、24mm・35mm・70mmの開放では中央はシャープだが、周辺部は落ち込む。50mm開放では、中央に解像力の高い場所があるが、APS-Cよりもずっと狭い領域で、それ以外の部分は全域で非常に甘い。
- 絞ると解像力が増し、隅の甘さは劇的に改善するが、フルサイズでは隅の甘さは完全には解消せず、隅々まで非常にシャープにはならない。ピークはどの焦点距離でもF8で、F11では回折の影響が見られ始める。
- EF24-70mm F4 ISはシャープだが、50mmの性能は議論があるところだ。我々は3本の個体(レンズ)をテストしているが、1本目、2本目の50mmの性能は芳しくなく、このレビューのテスト結果は、3本目の1番良い個体によるものだ。
- 色収差は良好で、隅で若干色ズレが見られるのみで、画面の大部分でよく補正されている。色収差は70mmで他の焦点距離よりも若干目立つ。
- 周辺光量落ちはAPS-Cではどの焦点距離・絞り値でも問題はない。フルサイズでは、周辺光量落ちは顕著で、24mm 開放では1段分落ち、その他の焦点距離では1/2から3/4EVに達する。F5.6に絞ると周辺光量は劇的に改善するが、完全に解消するには35mmより望遠側ではF8以上に絞る必要がある。24mmでは、(絞っても)常にいくらか周辺光量落ちがある。
- 歪曲は35mmより広角側では典型的なタル型だが、それほど大きくはない(7Dで+0.5%、1Ds3で+0.7%)。35mmでは若干のタル型だが、極めてゼロに近い。35mmよりも望遠側では、中央はごくわずかなタル型で、周辺部は糸巻き型だ(最も歪曲の大きい70mmで7Dで-0.1%、1Ds3で-0.4%)。全体として歪曲は大きくはなく、後処理で補正可能だ。
- AFはこれ以上望めないくらい速く静か。AF後にはいつでもマニュアルフォーカスで修正が可能だ。フィルター取付枠は回転しない。
- このレンズにはマクロモードが用意されており、最短撮影距離でのワーキングディスタンスは4インチ前後だ。これはマクロライトを持っていないと、レンズの影になるかもしれないことを意味する。とは言うものの、この状態で0.7倍の素晴らしい倍率が得られる。
- フォーカスリングは、滑らかな抵抗があり、回転角も十分で忠実なピント合わせができる。最短と無限遠ではフォーカスリングが重くなる(ソフトストップ)。ズームリングの回転角は90度で、非常にスムーズに回転し、しっかりとしているが固すぎることはなく、2本の指で回すことができる。ズームの自重落下は見られなかったが、24mmでズームをロックすることもできる。
- EF24-70mm F2.8L II と比較すると、画質はF2.8L II のほうがずっと良く、またF2.8L II はF4 ISに比べてずっと一貫している。
- EF24-105mm F4L ISと比較すると、24-105は24mmで歪曲がより大きい。画質は24-105mmが24-70mm F4Lと同程度か若干良好で、特に50mmでは24-105mmが良い。
- シグマの24-70mm F2.8 EX DG HSMと比較すると、キヤノン24-70mm F4Lは造りが良好なことに加えて、周辺部も画質もキヤノンがシグマよりもずっと良好だ。しかし、シグマは50mmで性能が落ち込むことはない。タムロン24-70mm F2.8 VCのテストはまだ行なっていない。
- 残念なことに、このレンズの50mmの性能は、特に価格が1500ドルすることを考えると許容できない。あなたが我々のサンプルに満足することができ、手ブレ補正とマクロ機能が必要なら、このレンズを購入してハッピーになれるはずだ。ズーム全域で絶対的な画質を求めるなら24-70mm F2.8 II に投資する覚悟が必要だ。
少々辛口の評価となっていますが、確かにBlur Indexを見る限りでは、50mmの解像力の落ち込みは少し気になるところです。このレンズは6Dとの組み合わせでよくサンプル画像を見かけますが、実写ではなかなか良く写るレンズという印象なので、もう少し他のサイトのレビューも見てみたいところですね。
ASAKAZE
ちょっと残念な評価ですね。フルサイズでは50ミリ域が結構重要になってくるので悩みます。それと絞っても隅々までシャープにならないとはどの程度か実写で見てみたいものです。
PON吉
本当だ、ニコンの24-120F4.0も85mmあたりで落ち込みますね。
それと似たような感じ。
cc
他所でのレビューで、24-105よりも明らかに画質が向上している、という内容を複数箇所で見かけましたが、どちらか正しいのでしょう。
SLRGearさんの3本が偶然にハズレ玉だということも考えられますが、少なくともそういう玉が高い可能性でありうる、ということでしたら残念な結果ですね。
以前24-70/2.8Ⅱでもそういう記事があった気がしますが、個体ごとに品質にバラツキをもっと抑えられないものでしょうか。
norinagao2000
個体差ってあるんでしょうね。前つかってた24-105Lは明らかに、その前に使っていた24-70F2.8L初代よりも悪かったんですが、このレビューでは24-105Lのほうがいいことになってます。ほんとこわいですね。。。撮影サンプルなどをみているかぎりでは、かなりよさそうですけどね。
バンバン
自分の24-105は昨年の雪景色撮影で
故障し入院しました。治ってビックリ
シャープ感もアップ!
正直なところ24-70mmF2.8初期より
全然良い画出しますよ(^^)
一度SCに分解清掃だけでも激変
するのでは?と思います。
ということで24-70mmF4は
眼中になし。50mmがダメなんて
致命傷じゃないですかね。
24-105でそういう事一度も感じた事ないし。
Rocky Li
キヤノンの製品を買ったら、「まずはSCに持込で」、、、
この伝説的で忌々しい鉄則はイマダどの商品でも健在のようで、残念です。
てばまる
こういう詳細な評価が一般の人が目にできるようになって随分になりますが、メーカー側も気が気ではないですね。目の肥えたユーザーが増えると下手なものがつくれなくなって、結果レンズの値段も上昇! カメラに対する要求も上がり矢継ぎ早に新製品を出さないといけなくなりコストもかさむ。
フィルム時代のように1台のカメラをじっくり愛着持って長年使ってゆくという時代は完全に終わった感じですね。その時代を知ってるものとしてはとても寂しい気がします。
ぱんだ@風の吹くまま
5D Mark IIとキット購入した24-105/4L ISがイマイチで、
売り払ってしまった経験があります。で、
安く販売されていたジャンクを購入して修理したら、
あら、ビックリ。なかなかの写りで見直しました。
十万円以上の買い物ですから、こういう個体差は勘弁して欲しいですね。
サンニッパで外れとか、想像しただけで悶絶してしまいます。
そういう意味で、シグマの新しい体制は非常に頼もしいです。
7割くらいの性能しか出ない純正より、外れのないレンズが欲しい。
そういう要望に応えれば、大きな市場が見込めるかも知れませんね。
WindGear
自分も標準レンズは24-105F4を愛用していて、24-70F4にはちょっと興味を持っていたんですがこのレビューは残念ですね。
まぁあまり情報に踊らされ過ぎずに選ぶべきなんでしょうが。
自分は広角メインなんで広角単焦点を買うって方向にしようかなぁ…。
norinagao2000
こっちのレビューのほうが前評判と一致してようなきがしますね。やっぱ買うかな。管理人さんのいうとおり、辛口かもですね。24-105mmよりは全体的にはかなりよくなってると考えるのが妥当でしょう。
http://www.ephotozine.com/article/canon-ef-24-70mm-f-4l-usm-lens-review-21291
ドラ
ここで見ると悪くは無い様に見えますが・・・・
http://www.mobile01.com/newsdetail.php?id=12963
少なくともEF24-70mm f2.8L USMよりは良好ですね。
やはり個体差でしょうか、ハズレを引いたら不運、事故?
bwf
私は、てばまるさんの意見に同意です。
レンズのすべてが簡単に明かになる現実を痛感しております。一方で現状では、ユーザーはそこまで厳しい目は持っていないような印象を受けます。厳しい目が広まってしまうと、製造公差の厳格化→コストアップになりそうです。
ボディーに関しては、一部が中判のデジタルバックのように撮像素子交換式になるのかもしれませんが、製造コスト的には現状の方式のほうが安価に済みそうです…。