キヤノンEF35mm F2 ISは良好な性能だが価格が高い

ePHOTOzineに、キヤノンEF35mm F2 IS USMのレビューが掲載されています。

Canon EF 35mm f/2 IS USM Lens Review

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、キヤノンのハイエンドコンシューマーグレードレンズのデザインだ。プラスチック製のため重さは340g未満に抑えられているが、とてもよく出来ていると感じる。テストに使用したEOS 6Dとのバランスは良好で、まずまず軽量コンパクトな組み合わせだ。
  • AFは超音波モーターで高速だ。フォーカスリングはスムーズに回転するが、かなりの重さがある。ピント合わせにはある程度の力が必要なので、ピント合わせがしにくいこともあるかもしれない。フォーカシングはインナーフォーカスで、フィルター枠は回転しない。
  • 最短撮影距離は24cmで、これは狭い場所での撮影や、臨時のクローズアップ撮影にうってつけだ。
  • 手ブレ補正は公称4段分の効果で、実写では注意深く撮影して、1/5秒で半数前後のシャープな画像が得られた。これは3段分前後の効果だ。
  • 解像力は中央は開放から既に素晴らしい値(excellent)だが、隅は遅れを取っており、開放では良い(good)のレベルに達しない。絞るとF4までは画面全域で解像力が向上し、このとき解像力は画面全域で際立った値(outstanding)になる。
  • 色収差はこのタイプのレンズとしては予想よりも若干大きく、最も色収差が大きいF2とF22では1ピクセルに近い値だ。このレベルの色収差は、特に周辺部のハイコントラストな部分では目立つかもしれない。
  • 周辺光量落ちは開放では2.67EVで極めて目立ち、F5.6以上に絞らないと均一にならない。
  • 歪曲は1.18%の穏やかなタル型で、通常の撮影ではそれほど問題はないはずだ。しかし、歪曲の形は完全に整っておらず、若干波打っているので、後処理での補正は若干やり難いかもしれない。
  • フードが付属していないのは残念だが、このレンズはかなり逆光に強いので、極端に悪いコンディションでなければフードなしで撮影することもできる。
  • このレンズは実に良好な性能だが、そうは言っても、これは価格から予想されたことだ。この焦点距離のレンズで手ブレ補正が目玉機能になるかどうかは、疑問符が付くかもしれない。より明るい代わりとなるレンズ(※シグマ35mm F1.4のことだと思われます)が、同程度か若干高い価格で販売されており、EF35mm F2 ISに価値を見出すまではなかなか至らない。価格が落ちてくれば、もっと納得がいくレンズになるだろう。
  • 良い点: 造りの良さ、手ブレ補正、素晴らしい解像力、寄れること、かなり軽量。
  • 悪い点: かなり高価、標準でフードが付属していない、F2とF22で色収差が若干大きい。

 

いつものように価格の高さを指摘されていますが、レンズ自体の性能は良好のようですね。解像力は開放では隅が少し甘いようですが、少し絞ると素早く改善し、F4では画面全域で際立った値になるので、風景などの撮影でも全く問題はなさそうです。

このレビューでは手ブレ補正の搭載があまり評価されていないようですが、F2の明るいレンズと手ブレ補正の組み合わせは、室内や夕景・夜景の手持ち撮影などではかなり便利に使えそうです。

[追記] キヤノン公式サイトによると国内で販売されているEF35mm F2 IS USMは「ケース・フード付き」となっています。ご注意願います。