シグマ17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMは広角端の周辺部の画質が問題

LensTipに、シグマ17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSMのレビューが掲載されています。

Sigma C 17-70 mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSM

  • ズームリングはスムーズで、ズーム全域で適度な重さがある。ズームロックスイッチは付いていないが、ズームの自重落下は見られなかった。
  • フォーカスリングは16mmの幅があり、写真で見るほど細くはない。フォーカスリングはMFでのみ機能し、AFモードでフォーカスの調整はできない。フォーカスリングの回転角はわずか40度しかなく、実用性は低い。
  • 手ブレ補正は公称4段で、テストでは最大で3段分を若干超える効果だった。これは、旧型と同じような結果で、このクラスのレンズとしてはとても良好だ。
  • 解像力テストはEOS 50DのRAWファイルで行なった。良像の基準となるレベルは34lpmm付近だ。
  • 中央の解像力は、焦点距離にかかわらずとても均一だ。17mm開放では46lpmmを超えており、F4では49lpmmに達してる。これは間違いなく非常によい結果だが、旧型は同じ焦点距離で52lpmmに達していたので、それよりは低い値だ。
  • 28mmの中央の解像力は、開放でさえ50lpmmを超える驚くべき値だ。ここでは旧型よりも若干優れている。50mmと70mmの中央の解像力は開放で45-46lpmm付近で、とても良好だ。少し絞ると48lpmmに達する。ここではこれまでと異なり、旧型よりも顕著に改善している。
  • 周辺部の解像力は、17mmでは絞っても基準となるレベルを下回っており好ましくない。旧型はF4まで絞れば問題はなかった。28mmの周辺部は、開放から基準値を超える良好なクオリティで、旧型から顕著に改善している。50-70mmの周辺部は開放から34lpmmに達しており、実用的な画質だが、旧型には及ばない。
  • 軸上色収差は、視認が困難で全く問題はない。倍率色収差は望遠側では目に付かないが、28mmでは中程度のレベル、17mmでは高いレベルに近い値だ。絞ると倍率色収差は改善し、中程度のレベルになる。
  • 球面収差は完璧ではないが良好に補正されており、フォーカスシフトの問題はない。
  • 歪曲は17mmでは-4.13%の非常に大きな値(旧型は-3.28%)だ。24mmでは歪曲は-0.92%、35mmでは0.52%、50mmでは0.88%、70mmでは0.99%で、望遠側では旧型よりも歪曲は若干小さくなっているが、17mmでは歪曲は増しておりとても厄介だ。
  • 周辺光量落ちは広角端の開放で33%(-1.15EV)で旧型と同じような値だ。F4に絞ると周辺光量落ちは21%(-0.68EV)の穏やかな値になるが、残念なことにそれ以上絞っても、わずかしか改善しない(F5.6で-0.54EV)。このレンズの周辺光量落ちの評価は肯定的なもので、旧型と比べると新型は鏡筒のサイズが小さくなっているが、周辺光量落ちはほとんど同じだ。
  • 逆光耐性は、絞り開放時はそれほど問題はないが、絞ると状況が代わり、17mmではグリーンのフレアが光源と反対側の隅に見られる。望遠側では更に問題で、フレア自体は少なくなるが、全体的にコントラストが失われ、画面全域が緑がかる。
  • 超音波モーターによるAFはノイズレスで、AF速度は平均的だ。フォーカスリングの回転角が非常に小さいことを考えると、AF速度は感心しない。AF精度は、スタジオ内のテストでは100回中99回ヒットしており、問題はない。若干後ピンの傾向が見られるが、それほど大きなものではない。
  • 新型の望遠側での改善は素晴らしいことだが、17mmの性能を犠牲にしているのは残念で、周辺部の画質が矢面に立たされている。旧型の大きさ重さのままでよかったので、広角端の性能を悪化させずに望遠側を改善して欲しかった。
  • 良い点: 鏡筒のクオリティ、ズーム全域の中央の解像力、28-70mm域の周辺部の解像力、軸上色収差が見られない、中間から望遠側の倍率色収差、非点収差が少ない、17mm以外のコマ収差、効果的な手ブレ補正、静かなAF。
  • 悪い点: 17mmの隅の解像力が良像のレベル以下、17mm開放の色収差が大きすぎる、周辺光量落ちが目に付く、逆光耐性。

 

新型の17-70mmは広角端の周辺部の画質があまり芳しくないということで、やや厳しい評価になっているようです。一方で望遠側は旧型よりも改善されているようなので、旧型との比較では一長一短と言ったところでしょうか。