シグマAPO50-150mm F2.8 OSは最高レベルの単焦点と張り合う解像力

LensTipに、シグマAPO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSMのレビューが掲載されています。

Sigma 50-150 mm f/2.8 APO EX DC OS HSM

  • 手ブレ補正は公称4段分で、テストでは3EVを若干超える効果だった。この結果はこのクラスとしては極めて標準的で、良好と見なすことができるが、驚くほどの結果を残しているニコンやキヤノンの最新の70-200mmクラスのレンズには及ばない。
  • 解像力テストはEOS 50DのRAWファイルで行なった。良像の基準値は34-35lpmm付近だ。
  • 中央の解像力は開放で46-50lpmmの驚くほどの値で、F4-F5.6に絞ると52-54lpmmまで解像力が増す。これは、我々がテストしたレンズの中で最もシャープなレンズの1つだ。100mmの焦点距離で単焦点レンズ(EF100mm F2.8L IS Macro)と比較すると、シグマが若干優っている。光学性能は見事だ! 正直言って、ズームレンズのテストでこのような結果になるとは予想していなかった。
  • 周辺部の解像力もただ称賛あるのみだ。周辺部では中央よりも焦点距離による解像力の違いが若干大きくなるが、最も解像力が低くなる150mmでも開放から40lpmm近い値で、良好な画質だ。興味深いことに、最も優秀なのは周辺部でも100mmで、ここでもシグマはキヤノンEF100mm F2.8L IS Macroを超えている。信じられない!
  • 軸上色収差はテストではかすかに痕跡が見られるだけで、実写では気付かないだろう。倍率色収差も同じような結果で、ズームの両端では低レベルと中間レベルの境界線上だ。中間域では倍率色収差は全く感知できない。このカテゴリの全体的な評価は、間違いなく良好だ。
  • 歪曲は最も大きな広角端で-1.17%のタル型で、心配するレベルではない。中間域(100mm)では歪曲はゼロだ。望遠端では歪曲は若干大きくなり、0.34%の糸巻き型になるが、問題はない。
  • 周辺光量落ちは、広角端で27%(-0.92EV)の穏やかな値で、F4に絞ると9%(-0.28EV)で完全に解消する。ズーム中間域では24%(-0.80EV)で若干良くなり、F4に絞るとわずか8%(-0.25EV)だ。望遠端では周辺光量落ちは最も大きくなり34%(-1.21EV)で、F4に絞ると17%(-0.55EV)に改善するが、完全に解消するのはF5.6(10%)とF8(4%)だ。
  • 逆光耐性はこのレンズの唯一の弱点で、光源が画面内にあると多くの問題(フレア・ゴースト)が発生する。光源が画面の外に出ると大きく改善するが、それでもなお完璧とは言いがたい。
  • AFは超音波モーターで非常に静かだ。AF速度はそれほど速くはなく、最短から無限遠まで約1.2秒ほどかかる。しかし、このレンズは0.8mまで寄れるので、AFの範囲が広いことに言及しておきたい。テストでAFを外したのは4%で、AF精度は良好だ。
  • シグマの50-150mm OSは、解像力において最高の単焦点レンズと苦もなく張り合うことができ、これまで手にしたズームの中で最もシャープなレンズの1つだ。レンズの大きさを重視しないAPS-C機のユーザーで、メーカー製の70-200mm F4の購入を考えているなら、シグマのこのレンズを候補に加えて再考するべきだ。同等の金額で、シグマならF2.8の明るさと、多くの出来の良い単焦点レンズを置き去りにする解像力を手にすることができる。
  • 良い点: しっかりとした鏡筒、中央の驚きの解像力、隅のとても良好な解像力、色収差がわずか、球面収差がよく補正されている、歪曲が小さい、コマ収差が素晴らしくよく補正されている、非点収差がきちんと補正されている、周辺光量落ちが穏やか、効果的な手ブレ補正、静かなAF。
  • 悪い点: 逆光にとても弱い。APS-C/DX用のレンズとしては大きい。

 

このレンズは開放から驚くほどの解像力で、ズームでありながら解像力で単焦点のマクロレンズを超えているのは驚きですね。色収差や周辺光量落ち、歪曲も優秀で、光学性能は旧型(OS無し)とは全く別物のようです。

唯一のウィークポイントは逆光耐性で、サンプルを見る限りでは、画面内に太陽を入れるとゴーストがかなり盛大に出るようですね。このレンズは、フルサイズを導入する予定が無い方で、高性能な望遠ズームを探している方には有力候補になりそうです。